「相手を褒める」ことは、周囲の人たちと円滑なコミュニケーションをとるうえでとても有効だと言われています。
人は少なからず”承認欲求”を持っているもの。
褒めてあげれば、相手に「ああ自分は認められてる!」と感じさせ、承認欲求を満たしてあげることができるのです。
また、褒める側にもメリットがあります。
脳生理学者である有田秀穂さんは、著書『「脳の疲れ」がとれる生活術 癒しホルモン「オキシトシン」の秘密』のなかで、ほめることでオキシトシンが脳内に分泌されると述べています。
オキシトシンが分泌されると、ストレス軽減や幸福感の上昇といった心理的効果や、高血圧の上昇を抑え、心臓機能を良くするといった身体機能改善効果もあると言われています。
しかし、「褒めればいい」ってことではありません。
相手に伝えるうえで適切な褒め方というものがあります。
そこで今回は、そんな適切な褒め方をご紹介していきます。
もくじ
褒め上手になるコツ
”誠実”に”特定の行為”をほめる
アメリカの経営コンサルタントであるレス・ギブリンさんは、著書『人の心つかむ15のルール』の中で、人を上手に褒める方法についてこんなことを述べています。
(原文引用 抜粋)
上手に人をほめる2つの方法
①ほめ言葉は常に誠実なものでなければならない
もしその言葉に誠実さがないなら、ほめてはいけない。表面だけの言葉では相手の心には響かない。
②相手をほめるのではなく、相手の行為をほめる
特定の行為をほめられると、相手はためらうことなく、すんなりとほめ言葉を受け入れることができる。
また、適切なタイミングで特定の行為をほめると真実味が増し、相手は「これは称賛に値することなんだ!」と納得し、その行為を繰り返す動機づけになる。
また、「えこひいき」という周囲からの批判を防ぐこともできる。
分かりやすく具体例も紹介してくれています。
【具体例】
✖「あなたはとてもよく働くね」
〇「あなたはこの一年で大きな成果を上げたね」
✖「あなたはとても優秀だね」
〇「あなたが作成したレポートは素晴らしい出来栄えだね」
✖「あなたは称賛に値します」
〇「あなたの建築手法は称賛に値します」
「褒めるところが見つからないけど、なんとなく褒めとけ!」などと思って、心にもない褒め言葉を並べても相手には響かないもの。
誠実に伝えてくれているかテキトーに言ってるかって、けっこう言われた側はすぐ気づくものなんですよね。
相手の行為を褒めることが大事というのも納得ですね。
褒める具体的な理由を言ってくれる方が心にダイレクトに入ってくるものです。
毎日少なくとも3人に優しい言葉をかける
ポイントは、相手の特定の行為をほめることだ。
それに加えて、毎日をより幸せな気分で過ごすための秘訣を紹介しよう。
毎日少なくとも3人に優しい言葉をかける習慣を身につけよう。そして、そうすることで自分がどう感じるかも分析してみよう。
自分が他人に幸せをもたらしているという事実を認識すれば、あなたはとても気分がよくなる。「受け取る」よりも「与える」ほうが大きな喜びを得られるからだ。
これこそが幸せの秘訣である。
引用:『人の心をつかむ15のルール』レス・ギブリン
間違えてはいけないのが、「褒める」ことは「おだてること」ではありません。
相手の機嫌をとるために褒めるのではなく、相手の良いところがあったら褒める。
まずは1日3回から。
誠実に相手の行為を褒めることで相手も自分も気分が良くなり幸せになると、レス・ギブリンさんは言っています。
褒め上手になるコツ まとめ
上手に相手を褒めるコツは、”誠実”に”相手の行為”を褒めることです。
テキトーにたくさん褒めても相手には響きませんし、「この人調子いいな」と思われ逆効果になることもあります。
機嫌をとるために「おだてる」のも違います。
相手の良いおこないを見かけたら褒める。ただそれだけです。
まずは1日3回から、相手を褒めることをやってみましょう!