ビリオン×スクール 感想レビュー!1話から全話ネタバレ含む!

【脚本】我人祥太
【演出】瑠東東一郎、西岡和宏

【キャスト】山田涼介、木南晴夏、水野美紀 他

【あらすじ】
「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」ゼロ3拍子揃った生徒たちで集められた3年0組。通称”ゼロ組”。
学校内からのけ者扱いされる彼らの前に現れた、新しい担任教師・加賀美雫(かがみれい・山田涼介)。彼の正体は実は日本を代表する財閥系グループを継いだCEOだった。
とある目的のためにゼロ組の担任となった雫は、学校の常識を完全無視。秘書の芹沢一花(木南晴夏)とともに思春期の子供たちが抱える問題に立ち向かっていく。

ビリオン×スクール 感想レビュー!1話

1話の見どころはなんと言っても、山田涼介×神木隆之介×志田未来の「探偵学園Q」メンツが揃い踏みというところだろう。
探偵学園Qといえば、2006年に単発ドラマ、2007年に連続ドラマとして放送されたわけだが、あれから18年の時を経て3人が共演する。しかも彼らは堀越学園の同級生。そして全員5月生まれ。

ほぼそれを目当てでこのドラマを観ることにしたのだが、内容もなかなか面白い。

まず、この映像演出のクセと、時折挟まれる役者によるアドリブがどこか見覚えがある…。と思ったら、演出は「おっさんずラブ」「魔法のリノベ」「うちの弁護士は手がかかる」などを監督・演出した瑠東東一郎さんだった。この方が手掛けるドラマは、いつもテンポがいいので見やすいのが特徴。山田涼介さん×木南晴夏さんによって、気楽なコミカルさが存分に発揮されているので観ていて楽しい。笑

脚本は「潜入捜査官 松下洸平」を手掛けた我人祥太さん。彼は元ピン芸人らしいです。
学園ものって、クラス内カーストや、貧困家庭の問題、イジメ、援助交際や性の問題など、重々しくなりがちなので、観る気力が必要。

しかし、このビリオン×スクールはそういった重い内容になる心配がなさそう!

1話では、前半に雫がなぜいきなり学校の先生になったのかといった説明があり、後半に、ゼロ組の西谷翔(水沢林太郎)の貧困家庭問題を解決する。
その解決方法が、”超金持ち社長”先生の雫だからなせる技(翔の母親が騙されて買わされた株の株価を、雫の力で超急上昇させて儲けさせたことで、翔はお金を気にせず高校に通えるようになった)なので、「社会風刺」だとか、「同じ悩みを抱える現代の学生に向けたメッセージ性」などといったものは一切ない。

きっと2話以降もこんな感じで、およそ現実ではありえない方法で解決していくのだろうと予想する。

思春期の高校生たちの悩みはリアルだけど、その問題を解決する雫が、非現実的という部分のコミカルさのおかげで、気楽に楽しんで観られそうだ。

ビリオン×スクール 感想レビュー(2話)

2話は「イジメ」問題。
学園ドラマとしては定番であり、観ているのがツラくなるストーリーになりがちだ。

今回は、1話まるまる「イジメ」vs「加賀美」なので、初回ほど気軽には観られなかった。
というのも、思いのほか「イジメ」の質が胸くそ悪いのだ。

「トイレに入ってたら水ぶっかけられる」
「教科書ボロボロにされる」
「服を脱げと強要される」
「暴力」

と、まさに”THEイジメ”のオンパレード。

しかし、時折挟まれる職員室での教師たちのワチャワチャシーンや、加賀美と秘書・芹沢のコントのような掛け合いのおかげで、胸くそ悪さが一旦リセットされる。
このシリアスとコメディのうまい中和加減は、さすが瑠東東一郎さんらしい演出だ。「おっさんずラブ」「うちの弁護士は手がかかる」にも通ずるものがある。

ちなみに今回の解決方法も、なかなか現実離れしていました。
イジメが行われている「ビル」を、加賀美が即日買い取り、ビルの入居者たちを一斉に即退去させる。そしてすぐさま、そのビルの解体作業。それによってイジメが一時中断され…ってムリムリムリ!笑
即日ビル買取り→入居者一斉退去→解体って、どんな荒業使っても無理だろ!笑

しかし、そのムリムリムリな解決策によって、”フィクション感”が出る。おかげでエンタメとして「イジメ」問題を消化できるからか、ドラマを観終わった後味は良い。

でもね、こんなトンデモ設定トンデモ解決法ばかりなのに、人間の本質を突いてくるんですよ!このドラマ!

〇イジメ被害者・梅野ひめ香のセリフ
「じゃあ先生、私のために死んでくれますか?」
いじめを告発すれば、あの人たちに逆恨みされるかもしれない。さっきみたいに学校側にも面倒がられる。親だって私がイジメを受けてるなんて言ったら、傷つくに決まってる。どうして私がこんなに抱えなくちゃいけないんですか?どうして?」
力になるって言うなら、先生がイジメを受けていたことにしてジサツしてくださいよ。それで全部解決しますから。」
あと1年、あとちょっと我慢すれば全部終わるんです。簡単に力になるとか言わないでください」

〇倒れてくるロッカーの下敷きになりそうなり、とっさに自分の身を守る梅野。そんな梅野を寸前で助けた加賀美のセリフ
「それがお前の本心だ、梅野ひめ香。お前の本心は、お前を守りたがっているということだ。」
「お前の言う通り、俺はお前のために命をかけたりはしない。今も、この程度なら大丈夫だと判断したからにすぎん。俺は、自分が一番大事だ。お前もそうあるべきだ。」
人には誰でも、自分を一番大事にする権利があるからだ。嫌われようが波風を立てようが、誰かに心配をかけようが、それがどうした?俺などそんなのしょっちゅうだ。」
他のすべてから逃げたとしても、決して自分からは逃げられない。」
だから、自分を傷つける自分であってはならないんだ。お前は何も悪くない。堂々と自分を守れ。」

要は、「色んな人のこと、先のことをゴチャゴチャ心配するから、イジメられてるって相談できない。うん、分かるよ。でもね、まずは今の自分を心配しなさいよ。そして何よりも自分を一番大切にしてよ」ってことを端的に伝えてくれている。

流し観するつもりが、いつの間にかじっくり観てしまい、最終的に加賀美のセリフが、しっかり心に刺さってしまいましたよ。

本当に初回ほど気軽に観れなかった第2話でした。

ビリオン×スクール 感想レビュー(3話)

3話は「スクールカースト問題」。
学園モノのドラマなら避けては通れない題材。

スクールカースト問題を解決できる方法として、「音楽会」「運動会」「文化祭」などのクラス全体参加型の企画をやることを提案するAI教師(安達祐実)。カースト関係なく話すきっかけになるので有効なのだそう。ま、現実はそんな甘くないけど。

そこで加賀美たちは、元映画研究部で脚本・監督をしていた鈴木(柏木悠(超特急))に映画製作を依頼。彼は授業中でも脚本を描いてしまうほど、脚本作りが好き。
鈴木を中心に、西谷(水沢林太郎)、梅野(上坂樹里)らと映画製作をすることになった加賀美と芹沢。

加賀美は、鈴木の脚本をAIでスキャニング。「現実にはありえない都合のいい展開だとAIが判断した」と、脚本を修正しようとする。それに対して芹沢が放つセリフが、メタ的で秀逸!

芹沢「あーもう全然わかってない、全然わかってない!フィクションでまで、不都合な現実見せつけられてたまるかって話ですよ」

まさにこのドラマのことじゃ!?笑
ドラマの中でまで、リアルなスクールカーストの苦々しさを描きたくない!あくまでもこれはフィクションで、現実的ではない展開が面白いんだろ!っていう。

なので、もちろん今回も超ぶっ飛んだ解決方法でしたね。笑

映画のために、出演者スタッフみんなで作った小道具が何者かによって破壊され、撮影データも消されてしまう。そのため、撮影の続行が困難に。犯人は、1軍のパシリ紺野(松田元太(Travis Japan))ではないか?とみんなが疑います。

そこで、犯人をあぶり出すため、ハリウッドのスタッフの手を借り、エキストラを金で大量に集め、大掛かりなドッキリを敢行。
大勢のニセ警官やニセ野次馬が集まる中、加賀美が容疑者の紺野にライフル銃を向けます。

その結果、実は鈴木が、「映画研究部で一緒に映画を作っていた紺野と、どうしてもまた一緒に映画が撮りたくなってしまった。どうにか撮影を中断したくて、みんなで作った小道具を壊した」と白状。

かつての部活仲間・鈴木の告白を聞いた紺野。
そんな紺野に向かって、加賀美が「お前はどうなんだ?」と問いかける。
しかし、紺野は「でも…」と言い淀む。

煮え切らない紺野や、ウジウジする鈴木に対して加賀美の放ったセリフがまた痺れた。

加賀美「カーストというものについて、お前らが何を気にしているのか、俺にはさっぱり理解できん。1軍だからなんだ?3軍だからどうなんだ。お前(鈴木)が好きなクレヨンしんちゃんの園児たちは、そんなこと気にするのか?奴らは一緒にいたい相手なら、鼻垂れだろうが、泣き虫だろうが、犬だろうが一緒にいるだろ。だから大人帝国に立ち向かえたんだろ。誰といるのか、どこに属するのか、そんなことでそいつの価値は変わらない。誰の目も気にせずに、いたい奴と一緒にいろ」

たしかに。
小さい頃は周りの目を気にせず、いたい子と一緒に遊んでいたはず。なのに、大人になるにつれて、自分の気持ちよりも、まず周囲の目を気にして一緒にいる人を選んでしまっていた。

大人になるって強くなることばかりじゃなく、弱くなっていくこともあるよな~としみじみ。

エンディングでは、紺野が、教室に張り出された【カースト表】から自分の写真をはがし、「俺はここでいいや」と、自分の写真をゴミ箱に捨てます。
それに続いて鈴木も、「俺もここでいいや」と自分の写真をゴミ箱に捨てます。

【自分は、こんなくだらないランキング表に入るくらいなら、ダントツ最下位でいいや。お前らは勝手に順位つけあってなよ】みたいな潔さがカッコよくて泣きそうになった。

ビリオン×スクール 4話予告

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