
【脚本】市川貴幸
【演出】三橋利行 ほか
【プロデュース】三竿玲子
【キャスト】松本若菜、田中圭、深澤辰哉 ほか
フジテレビ制作の不倫ドラマ『昼顔』『あなたがしてくれなくても』に続く第3作『わたしの宝物』。
今回のテーマは【托卵】。
つまり夫以外との間にできた子を産み育てるということ…。
禁断のドラマ『わたしの宝物』。
その感想レビューをネタバレを交えつつしていきます!
もくじ
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(第1話)
あらすじ
第1話 『大切な宝物を守るために、わたしは悪女になった』
中学生時代の色あせない楽しかった記憶・・・。
そんな過去とは裏腹に、神崎美羽(松本若菜)はやりきれない現実を生きていた。
外面は良いが、乱暴な言葉をぶつけてくる夫の神崎宏樹(田中圭)と冷えきった夫婦生活を送り、いつの間にか偽物の笑顔を振りまく自分自身に嫌気が差していた。
そんな中、親友の小森真琴(恒松祐里)とその息子・幸太(岩本樹起)を家に招いていた美羽は、二人を見て、子供ができれば現状を変えられるかもしれないと考える。
翌朝、宏樹に恐る恐るそのことを話すが、自然に任せればいいと一刀両断され、いらだちを露(あら)わにされてしまう。
そんなある日、空高くそびえ立つ給水塔を見て、中学生時代、その給水塔の下で心の底から笑顔でいられた幼なじみとの日々を思い出す。
そして思い出をたどりながら、導かれるように昔よく通っていた図書館へ足を踏み入れると、突然声をかけられる。
そこには、幼なじみ・冬月稜(深澤辰哉)の姿が。中学生ぶりの再会に驚きながらも、あの頃に戻ったかのように無邪気に会話が弾む二人。
久々の再会に心躍った二人だったが、美羽は既に結婚していることを伝えると、どこか残念そうな冬月。そして冬月もまた、もう少ししたら仕事でアフリカに行くことを告げる。
「もうすぐ日本を離れる。その前に神様がくれたプレゼントだね―」
その冬月の言葉を最後に、もう二度と会えないのだと感じる二人だったが・・・。
引用元:Tver
ネタバレ感想レビュー
『昼顔』や『あなたがしてくれなくても』といった不倫ドラマを手掛けてきた、女性プロデューサー三竿玲子氏プロデュースの新作不倫ドラマ!
今回は「原作」や「原案」のクレジットがないので、オリジナル脚本のようです。
映像や音楽の感じは、まさに『昼顔』。
人間の生々しさを堪能できるドラマになりそうな予感!
モラハラ夫
外面は良いのに、家の中では典型的なモラハラ夫の宏樹。
ネチネチと美羽の行動ひとつひとつに難癖をつけてくるところが本当にイヤ。
結婚して化けの皮が剥がれたタイプかと思いきや、夫婦の回想シーンを観ると、仕事から泣いて帰ってきた美羽を慰めるなどしていた宏樹。
どうやら結婚初期の宏樹は”激甘旦那”だったよう。
ということは恐らく、美羽が宏樹をモラハラ夫に育てていったのかもしれない。
本音を押し殺すクセがある美羽。
なにをされても、なにを頼まれても、笑顔で「いいよ、いいよ」と応えてしまう美羽が、宏樹を調子に乗らせてしまったのかもしれない。
さらに文句を言われても「ごめんなさい。わたしが悪かったね」と自分を卑下するクセが、宏樹との間に上下関係を作っていったのかもしれない。
そう考えると、必ずしも宏樹だけが悪いとも言えない。
美羽の心を動かす冬月
中学生ぶりに再会した冬月との再会は、美羽のすさんだ心を開放していく。
冬月と会い、言葉を交わせば交わすほど、美羽の表情が明るくなっていくのがわかる。
久々に美羽は、「自分の心」に素直になれたのだろう。
「自分の心」に耳を傾けられるようになったからこそ、普段は夫に従順なはずの美羽が、夫からの急な”性行為の要求”を拒んだのだと思う。
ほとんどレイプのような行為のあと、助けを求めるように図書館に向かう美羽。
そこで偶然鉢合わせた冬月に、美羽は心の声を漏らす。
美羽「やめて!その声ダメなの。冬月くんがわたしを呼ぶその声さ、なんかいちいち目を覚ましてくれるんだよね。なんかダメなの。冬月くんと会って、心がちゃんと動くようになって、自分がどんなに傷ついてたか、本当はずっと心が痛かったんだって気づかされちゃって」
冬月「たぶん夏野(美羽)は、宝物をなくしてたんだよ。宝物がちゃんと心にしまってあると、ちゃんと心が動いて、痛がったり、喜んだりできる」
美羽「冬月君と会ってから、ずっと心が痛いよ。助けて」
抱きしめあったあと、二人はお互いの気持ちを確かめるように体も重ねるのだった…。
たしかに不倫は良くない。
しかし、夫から襲われるように抱かれる美羽と、冬月と互いに求め合うように体を重ねる美羽の姿を見比べると、「誰が悪いのか」わからなくなった。
冬月は本当に亡くなったのか?冬月との子を宏樹と育てる決意をした「悪女」
アフリカへ学校を設立しに行った冬月。
ほどなくして美羽は妊娠する。
妊娠の心当たりは「あの時」。夫に襲われ、冬月と求め合った日だ。
父親はどちらなのか?
いずれにしても宏樹とは離婚し、帰国した冬月と共に生きる気持ちでいた美羽。
検査をした結果、「冬月との子」であることが判明する。
しかしその直後、『アフリカのショッピングモールで、自爆テロによる爆発事故が発生。その事故で二人の日本人の死亡が確認された』というニュースが流れる。
そしてその犠牲者二人のうちの一人の名前が『フユツキ リョウ』だった…。
ー カッコウ托卵 ー
ほかの鳥の巣に卵を産み付け、その鳥に孵化したヒナ鳥を育てさせる。
この生態を托卵と呼び、托卵される親鳥を仮親と呼ぶ。
「冬月」との子どもを、「宏樹」という仮親の元で育てることを決意した美羽は、帰宅後、子どものエコー写真を見せ、宏樹に向かってこう言った。
「あなたの子よ」
…からのタイトルクレジット『わたしの宝物』。
華麗なタイトル回収である。
2話以降、はたしてどうなるのか?楽しみですね!
わたしの宝物 あらすじ&ネタバレ感想レビュー(2話)
2話あらすじ
神崎美羽(松本若菜)は妊娠していることが発覚したが、DNA鑑定の結果、夫の神崎宏樹(田中圭)の子ではなく、幼馴染の冬月稜(深澤辰哉)の子であったと判明する。
しかし美羽は、冬月がアフリカで大規模テロの犠牲者になったというニュースを見て覚悟を決め、宏樹に伝えた。
「―あなたの子よ」
美羽は、このまま嘘をつき続けることができるのか不安な気持ちはありつつ、冬月との子供が自分のお腹にしっかり生きていることを確信するのだった。
一方、 アフリカの医療施設では、土埃と汗で汚れた水木莉紗(さとうほなみ)がいた。
そして既に遺体と化した日本人の遺品が冬月のものとわかり、放心状態となっていた。
宏樹は子供のことを聞いて、喜びよりも複雑な感情を抱く。
日常的に厳しい言葉を美羽に浴びせてしまう宏樹。
そんな自分との間にできた子供に対して、これからうまくやっていける自信がなかったのだ。
そうした感情を喫茶店のマスター・浅岡忠行(北村一輝)に伝えつつ、自分はどのように美羽とこれから生まれてくる子供と接していくべきなのかを深く考えるのだった・・・。
引用元:Tver
2話ネタバレ感想レビュー
仕事が限界気味の宏樹
1話では家庭でのモラハラ場面がクローズアップされていたため、嫌な旦那という印象が強かった宏樹。
しかし2話では宏樹を見る目が変わった。
会社内では、上司からも部下からもいいように使われてしまう「都合のいい人」として立ち回っている宏樹。
頼まれればどんどん引き受けてしまい、仕事量はどんどん増えていく。
人一倍仕事をしているにもかかわらず、上司からはモラハラをされ、部下からは陰で馬鹿にされる始末。
「断りたい」けど「断れない」。
「嫌だ」と言いたいけど言えない。
本心を押し殺しながら遅くまで残業し、心も体もクタクタになって家に帰れば、自分に気を遣う妻の美羽がいる。
ヘラヘラと心にもない笑顔をつくる美羽に苛立ってしまう気持ちもわからなくはないかも…。
おそらく、ヘラヘラと自分に気を遣う美羽の姿が、会社での自分の姿と重なってしまうのだろう。美羽を通して嫌いな自分を見ているような状態なのではないだろうか?
本当は美羽のことが大好きだし、大切にしたい。
それなのに、「嫌いな自分」の姿と重なってしまう美羽に、無条件で苛立ってしまう葛藤。
冬月は生きていた
案の定、冬月は生きていました。
遺体のそばに冬月の私物が落ちていたことから、「冬月は亡くなった」と勘違いされていたのでした。
そのまま亡くなってしまっていたら、さずがにドラマとして成立しないですから当然ですよね。
さて、ここで話をややこしくする存在が現れます。
それは、冬月の同僚・水木莉紗。
治療を受けていた冬月のことを、「下原」(冬月の同僚男性)と勘違いしていた現地の医療スタッフ。
彼らが「この人は下原ですか?」と水木に確認すると、水木は「Yes」と答えるのでした。
その理由は、水木が冬月に好意を寄せているから。
以前、冬月から「日本に大切な人がいる」という話を聞いた水木は、冬月を亡くなったことにしてしまおうと咄嗟に思ったのだろう。
これは今後、美羽VS水木のシーンが描かれそうだ…。
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(3話)
3話あらすじ
神崎美羽(松本若菜)の赤ちゃんが元気な産声をあげて生まれた。
神崎宏樹(田中圭)は、その子を抱いた瞬間、自然と涙が溢れてしまう。
美羽にはその涙の理由がわからなかった。
父親になる自信がなかった宏樹自身も、その溢れ出た感情に困惑し、行き場を無くした気持ちを喫茶店のマスター・浅岡忠行(北村一輝)に相談するのだった。
美羽は、親友・小森真琴(恒松祐里)のアドバイスと、自身の名前を父親につけてもらった思い出から、宏樹に子供の名前を付けてほしいとお願いする。
そして冬月稜(深澤辰哉)ではなく、宏樹の子供としてこれから育てる決意をするのだった。
そんな中、大規模テロの犠牲者と誤報されていた冬月が無事日本に生きて帰ってきた。
一緒に帰ってきた水木莉紗(さとうほなみ)と、冬月と間違えられた本当の犠牲者で、冬月の同僚・下原健太(持田将史)の弟・隼人(西垣匠)の元へ向かっていた。
そこで隼人に兄のいない悲しみをぶつけられた二人だったが、遺族の想いを背負って生きていくと、冬月は心に誓うのだった。
そして宏樹は、子供の名前を託されたことに対して、自分自身とさらに葛藤するのだった・・・。
引用元:Tver
3話ネタバレ感想レビュー
美羽の恐ろしさ
自身の名前を父親につけてもらったからって、冬月との間にできた子どもだと知りながら「あなたがこの子の名前をつけて」と宏樹に頼む美羽の神経が恐ろしい。
さらに、娘の栞の1ヵ月検診が終わり、宏樹の運転する車で帰宅する途中、美羽は平然と冬月と思い出の図書館に向かわせるのです。
つい先日まで、「罪悪感で心が痛い」と語っていたのに、宏樹を図書館に立ち寄らせることは平気なの…?
こういう機会でないと図書館に行けないから仕方ないとも取れるけど、それにしても無神経すぎる。
語っていたほど罪悪感を感じていないのかもしれない。
美羽は、相手を立てるために気を遣うわけではなく、「へたに波風を立てたくない」「争いごとは避けたい」と、責任から逃れるために、他人に意見を合わせているのかもしれない。
「こうなったのは宏樹のせいでもある」という気持ちがあるからこそ、無神経な言動ができてしまうのでは?
宏樹がまともになればなるほど可哀想
第1話の宏樹と、3話の宏樹の印象はだいぶ違う。
1話は「美羽が可哀想」という視点で観ていたのに、3話では「宏樹が可哀想」だ。
宏樹が親バカ・良い夫になればなるほど観ていて苦しくなる。
宏樹が、子どもを第一優先に考えたいという想いから、上司に「このチームのリーダーを下ろさせてください」と、自身の築いてきたキャリアを捨てる覚悟で直談判するシーンは驚いた。
子どもができるとものすごい力が湧いてくるんだな…と。
「汗水たらして築いてきたキャリアをそんなあっさり捨てちゃっていいのか?」と、行きつけカフェの主人に問われた宏樹が言っていた、「どんなに汗水たらしても手に入らないものがあるんですよ」というセリフが最高。
父親として人として成長している宏樹。
そんな宏樹の変化を喜べない美羽。
それはそう。
宏樹が溺愛すればするほど、美羽の心では「この子はあなたの子じゃないのに…」という罪悪感が高まるわけなので。
でも先に書いたように、おそらく美羽の心の半分では、「こうなったのは宏樹のせいでもある」と思っている気がする。
だから平然と思い出の図書館に行けて、結果、冬月と再会した。
今後の展開予想
死んだと思っていた冬月が生きていて美羽は嬉しいだろう。
だけどおそらく、美羽の「責任逃れの性格」が災いして、関係はぐちゃぐちゃになっていきそうな予感。
普通なら、冬月と再会した時点で、宏樹にすべてを告白して離婚してもらい、冬月と共に生きていくはず。
ところが、美羽は争いごとから逃れたい性格。
そのため、「宏樹を失望させたくない」などと言って、事実を宏樹にも冬月に打ち明けず、全てを隠して宏樹と共に育てていこうとするのではないだろうか?
しかし結局その嘘が徐々にバレていき…という展開を予想。
わたしの宝物 あらすじ&ネタバレ感想レビュー(4話)
4話あらすじ
神崎美羽(松本若菜)が図書館へ行くと、亡くなったと思っていた冬月稜(深澤辰哉)の姿がそこにはあった。
駐車場で待っていた神崎宏樹(田中圭)と娘の栞は、美羽の帰りが遅く心配になり、図書館へ向かう。
冬月に抱きしめられた美羽は震える手で冬月の背中に手を回しかけるが、その想いを必死にこらえて、冬月を突き放し、その場を離れた。
美羽は、冬月が生きていたことが嬉しかったが、以前と変わってしまった自分の環境から、複雑な感情を抱えていた。
その違和感を感じ取り、美羽を心配する宏樹。
そんな中、冬月は自分を待ってくれていると思っていた美羽の反応に動揺を隠しきれず、水木莉紗(さとうほなみ)へ相談をするが、莉紗もまた冬月に対してある想いを密かに抱えていた。
そして宏樹は、喫茶店のマスター・浅岡忠行(北村一輝)や、美羽の親友・小森真琴(恒松祐里)に相談をしつつ、美羽の為に自分のできることを必死に探していた。
その宏樹の優しさをしっかりと感じ取っていた美羽。色々な感情に葛藤している中、美羽のスマートフォンに、冬月から一通のメッセージが届く。
「最後にもう一度だけ会って話したい」
引用元:Tver
4話感想レビュー
決断を先延ばしにして逃げる美羽
ー 冬月が生きていた ー
自立心があって自分の言動に責任をもてる人間だったら、きっと迷わず夫に「申し訳ございません。この子はあなたの子じゃないんです」と真実を告白して誠心誠意詫び、冬月と一緒になる、と思うのです。
でも美羽はそうしなかった。
娘の栞が産まれ、人が変わったように優しくなった宏樹の姿を見ていると申し訳なくて、とても真実を話しだせない…ではなく、おそらく美羽の本心は(真実を話して宏樹や周りの人間に軽蔑されること、非難されることが怖い。できれば波風を立てたくない)だと思うのです。
自分で決断して真実を告白することから逃げている。
その証拠に、冬月から「最後に会いたい」という連絡をもらって、悩みながらも、なんやかんや会いに行ってしまう美羽。
夫に対して申し訳ない気持ちで押しつぶされそうなら、冬月のもとへなど行けないはず。
会ったら会ったで冬月にも非常に不誠実な対応をする美羽。
美羽「わたし子どもが生まれた。夫と復縁したの。子どもを、今の家庭を大切にしたい。だからごめんなさい」
「もう会えない」ときっぱり冬月を突き放さないところがやらしい。
さらに美羽は、
美羽「いつも苦しいとき、わたしに元気をくれた。どんなに助けてもらったかはわからない。わたしもすごく大切なプレゼントもらったよ。ありがとう。だから勝手だけど、わたしも冬月くんには幸せでいてほしいって願ってる。生きててくれてうれしかった」
いや~卑怯ですね~。
(わたしも本心では今もあなたを大切に思ってるよ)という含みのある言葉。
冬月はきっと(でももう遅いの。あなたがあのとき来てくれなかったから…)という責めの言葉に聞こえたのでしょう。
冬月は不甲斐ない自分に責任を感じて、「迎えに行けなくてごめん。なにもできなくてごめん…」と泣くのですが、そんな冬月に対して美羽はまたズルいことをします。
美羽はまるで、(そんなことないよ。あなたは悪くない)と慰めるみたいにして冬月に寄り添うのです。
はい。確信犯。
冬月と一緒になりたいけど、責任を負いたくないから、自分からは「やっぱり一緒にいたい!」なんて言う決断はできない。
だから「あなたのことは好きなんだけど、もう遅すぎたの…。でもあなたは何も悪くないのよ…」なんていうズルい態度をとって【冬月が一緒にいたがるから、不倫を決断した】ことにしたいのだと思う。
それらは考えてやってるのではなく無意識で。
無意識に「他責思考」の美羽
これまでの美羽の言動はすべて「他責思考」なのだ。
どんな決断もぜんぶ他人のせいにして、自分は決断の責任を一切負おうとしない態度がある。
宏樹が乱暴な性行為を強要したせいで、冬月と関係をもった。
親の医療費が高額だから、宏樹と離婚できなかった。
冬月が亡くなったと知らされていたせいで、宏樹と離婚できなかった。
宏樹が急に良い夫、良い父親の顔になってきたせいで、宏樹に真実を告げられない。
冬月が「好きだ」と抱きしめてきたから、わたしも抱きしめ返した。
こんなところだろうか。
美羽が自分の意見を押し殺し、周囲の人と意見を合わせる態度も良く見られるが、これも”相手を尊重しているから”ではなく、「波風を立てたくない」「面倒ごとから逃げたい」からだろう。
美羽の心はは常に「自分」「自分」「自分」。自分の保身ばかり考えている。
美羽の態度は、宏樹にも冬月にも誠実ではない。
振り回される男性陣が可哀想である。
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(5話)
5話あらすじ
神崎美羽(松本若菜)は、いつも自分を助けてくれた冬月稜(深澤辰哉)が、大切な人たちを守れなかったことに本当は傷ついていて涙を流す姿に、寄り添おうと手を伸ばす。
そのぬくもりを感じた冬月は、思わず美羽を抱きしめてしまう。
そして、優しく抱擁しあう2人の姿を、美羽の親友・小森真琴(恒松祐里)が目撃してしまう。
動揺し、足早にその場を離れる真琴。
その一方、美羽が帰宅すると、夫・神崎宏樹(田中圭)が「おかえり」と温かく迎えてくれて、娘の栞と3人のこの場所を大切にしなければと再認識する。
そんな中、二人が不倫関係にあるのではと疑う真琴は、美羽の母・夏野かずみ(多岐川裕美)が一時退院して美羽の家で行われる食事会に訪れる。
そこには美羽と宏樹の絵に描いたような幸せな家庭があり、離婚をしている真琴はその状況をみて羨ましさと複雑な気持ちが募る。
冬月は、亡くなった同僚・下原健太(持田将史)がよく通っていた児童養護施設に訪れ、そこで下原の弟・隼人(西垣匠)に会う。
冬月の人柄に触れ、隼人は少しずつ心の靄を晴らしていく。
一方、真琴は美羽をランチに誘い、美羽の目をまっすぐ見て伝える。
「私、美羽さんのこと信じてますから・・・ちゃんと話してくれるって―」
引用元:Tver
5話感想レビュー
自分で選んでない美羽
不意に冬月から抱きしめられた美羽は、冬月の体を抱きしめ返します。
しかし我に返った冬月が、
「今のはありがとうのハグだから」
と言えば、
「…うん」
と笑顔で答える。
冬月が、
「さようなら」
と言えば、
「さようなら」
と返す美羽。
結局は冬月の態度に合わせるばかりで何も「自分で選ばない」美羽。
そんな美羽が自宅に帰り、宏樹や栞に出迎えられ、心の中でこうつぶやくです。
『お帰りと言ってくれる家族。私が選んだ、わたしの宝物』
その言葉がまったく爽やかじゃない。
それもそのはず。
だって美羽は自分で選んでない。
全部誰かの選択や決断に合わせてるだけだから。
真琴が宏樹に暴露した理由
真琴はなぜ、美羽に疑惑をぶつけて「真実を宏樹さんに話してください!」などと直談判せず、宏樹に暴露したのか?
美羽ではなく宏樹に暴露する真琴の態度に、「迷惑な奴」「嫌な女」と言う声もちらほら。
個人的には、真琴は冷静に考えた結果、宏樹に疑惑を暴露したのだと思いました。
真琴は、美羽と冬月が「抱き合っていた」という状況だけで「不倫」と決めつけませんでした。
美羽と冬月は本当に「不倫」しているのか?
その証拠を集めるため、あえて美羽と会う機会を増やし、事あるごとに美羽に「隠し事はないですか?」などと何度も質問して美羽の反応を観察していました。
さらに真琴は、冬月のことも呼び出して、「不倫とかしてないですよね?」と直球の質問をして、冬月の反応を確認。
また、「美羽の娘・栞の父親が冬月では?」という疑惑も抱いていた真琴。
その事実を確認するため、美羽と冬月を呼び出し鉢合わせさせ、冬月に「栞ちゃん抱っこしてあげてくださいよ~」と言って、冬月に栞を抱かせるよう仕向け、美羽の反応を観察。
証拠はなく、すべてが憶測。
とはいえ、美羽や冬月の反応をじっくり観察している時点で、真琴は嫉妬や怒りで燃えながらも冷静だったのでは?と思うのです。
さらに、真琴は美羽の性格を知っています。
美羽がその場しのぎでごまかす癖があること、波風を立てるのを極端に嫌うことを知っていた真琴は、美羽本人を問いただし白状させたところで、美羽の口から宏樹に真実を伝えることはできないだろうと踏んだ、とも思えるのです。
真琴は宏樹にこう告げます。
「ずっと宏樹さんのこと好きでした。だから私美羽さんのことが許せない」
「私、美羽さんのことが大好きだし、ずっと信頼してて、ずっと私にとって特別な人だったし、親友だから、だから、すごく悔しくて」
「美羽さんは宏樹さんを裏切ってますよ。不倫してます」
「結婚して他の人のことを好きになるなんて絶対ダメじゃないですか」
「それだけでも許せないのに…栞ちゃん…」
「女の勘ですよ」
「いや、母親の勘です」
わざわざ「ずっと宏樹さんのことが好きでした」などと発言してから切り出せば、宏樹からの心証が悪くなることは目に見えています。
真琴は宏樹から嫌われるのを承知で、真実を告白したと思うのです。
もし本当に性根が腐った嫌な女だったら、真実を暴露したあと、意気消沈した宏樹の背中をさするながら「わたしがそばにいますよ」なんて優しい声をかけるはずですし。
予期せぬ展開
DNA鑑定をした結果、栞が自分の子ではないと知った宏樹。
「今後、もっといろんな修羅場がまっている…!!」と思っていたのですが、意外にも宏樹は美羽を問いたださず、その代わり、宏樹は栞を連れて海で無理心中しようとするのでした…。
って!!
え?
美羽のことをみんなで寄ってたかって糾弾して、美羽が追い詰められていくパターンじゃないの??
宏樹の方が追い詰められてしまうのは予想外の展開。
ただ、正義感が強くて他人を思いやれる優しい性格の宏樹なので、「美羽をこれ以上苦しめないよに…。栞が苦しまないように」というような間違った方向の正義感や優しさに舵をきったとしたら…わからないでもない。
…いや待てよ?
宏樹が心を病んでいけばいくほど美羽が悪者になっていくわけだから、この展開の方が、より美羽を咎める声が大きくなるのでは…?!
それはエグい!
優柔不断で決断を他人まかせにして生きていると、そのツケがとんでもない大きさで返ってくるという教えなのかもしれない…!
そう考えると、今後美羽がどんな窮地に立たされるのか、怖いけど楽しみですね!
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(6話)
6話あらすじ
小森真琴(恒松祐里)の言葉がきっかけで疑心暗鬼となり、DNA鑑定で真実を知ってしまった神崎宏樹(田中圭)。
神崎美羽(松本若菜)は突然姿を消した宏樹と娘の栞を必死で探す。
その頃、冬月稜(深澤辰哉)は水木莉紗(さとうほなみ)の想いを知り、真剣に考えることを決める。
栞を連れて海へ訪れた宏樹だったが、どうして良いのか分からずにいた。
ふと入ったカフェで、出会った夫婦の「パパ」という言葉に、自分が本当の父親ではないことを痛感する。
美羽から宏樹が栞を連れて失踪したことを聞いた真琴が、お店を閉めて美羽の元へやってきた。
真琴は、団地の公園で美羽と冬月を見たと話し、宏樹に話したのは自分だと告白する。
そして、宏樹と栞に何かあったら美羽のせいだと言い放ち、出て行ってしまう。
引用元:Tver
6話感想レビュー
6話は「美羽」「真琴」の人間性が垣間見れて面白い。
「自分を尊重して生きる真琴」と「自己犠牲して生きる美羽」
まず、SNS上で嫌われている「いらぬお節介女・真琴」である。
彼女は自分の気持ちを尊重して生きてきたことが、現在の真琴の状況からありありとうかがえる。
・モラハラ気味の夫と離婚
・自分でカフェを開業
・カフェを開業したのは、息子といられる時間をつくるため
・従業員には若いイケメン男子を雇う
自分を尊重しているということは、自分の言動に責任をもつということでもある。
ひとつひとつ問題と向き合い、自分の意思で選んで行動している真琴は、きっと人生に後ろめたさがないのでしょう。
だからこそ、問題と向き合おうとしない不誠実な態度の美羽が許せないんじゃないかと思うんです。
ところが自分を尊重しすぎることは、時に周囲を振り回すことになる。
そのことに真琴ははたと気づくシーンが2か所ありました。
1つ目はマスターから言われた言葉。
「あんたが動けば動くだけみーんな不幸になってんじゃないの?正義振りかざすのもほどほどにしないと。あいつらの正解をあんたが決めんなよ」
2つ目は真琴の息子が放った言葉。
息子「ねえ、栞ちゃんパパいる?」
「父親が子どものこと知らないままなんて…」と、育児を顧みない夫だったからといって、即離婚をしてしまった自分の行動によって、息子や夫を振り回したのかも…と、少し考えたのではないかと思いました。
ま、そう思った結果、冬月をカフェに呼び出して、栞を迎えに来た美羽と鉢合わさせるというお節介行動に出てしまったわけですが…(笑)
自己犠牲して生きる美羽
そして「自己犠牲して生きる女・美羽」。
真琴が暴走してしまった原因は、はっきりしない美羽の言動にもあるように思いました。
たとえば、宏樹と栞が行方不明になった際、真琴が美羽の家に来たときにしていたやり取りをみてみましょう。
真琴「二人で宏樹さんダマしてどういうつもりですか?!酷いですよ」
美羽「冬月君は何も知らない。私が宏樹に嘘をついたの。ひとりで決めてやったの」
真琴「また不倫相手かばうんですか?信じられない。宏樹さんが可哀想ですよ。宏樹さんと栞ちゃんに何かあったらあなたのせいです」
美羽と冬月の詳しい事情を知らない真琴は、自分の想像しうる範囲内で自分の気持ちを率直に伝えています。
対して美羽は、「なぜ冬月が真実を知らないのか」ということや、「なぜ宏樹と離婚して冬月と一緒にならなかったのか」など、重要な部分をあいまいにして返答します。
中途半端な伝え方をされた真琴は結果的に誤解し、さらに暴走することになるわけです。
冬月と対峙したシーンもみてみましょう。
美羽「冬月君には関係のないことだから」
冬月「俺のせい?俺にできることがあれば」
美羽「これは私の家族の、夫婦の問題だから。冬月君には関係ない」
冬月「でも」
美羽「あなたにできることは何もない。帰って。もう、ここにも来ないでください」
冬月帰る
美羽「彼のこと巻き込むのはもうやめて」
真琴「このことずっと隠すんですか?栞ちゃんが知ったりしたらどうするんですか?」
美羽「隠し続ける」
真琴「そんな」
美羽「もしわかっても、その時は私がすべてを背負う。私ひとりの罪だから。一生ひとりで背負っていく。悪いのは私」
最後に、宏樹と話し合うシーンもみてみましょう。
美羽は宏樹に自分の気持ち(?)を吐露します。
私は宏樹を裏切った。
妊娠が分かって、産んでいいのか、産んじゃいけないって思った。
だけど、あの子どうしても産みたくて。
産まないなんてできなかった。
離婚も考えた。
だけど私ひとりじゃ…。
だから、私は宏樹の提案にのった。
栞が産まれて宏樹が変わっていって。
また昔みたいに優しい宏樹がいて戸惑ったけど、私は嬉しかった。
謝って許されるなんて思ってない。
これは私が決める事じゃない。
でも私は宏樹と栞と一緒に生きていきたい。
これだけ宏樹と栞が大切と語った後、宏樹から
一つだけ聞いていいか?栞の父親は誰?
と質問され、黙りこくる美羽。
なんで「冬月」だと言わない?
「冬月を巻き込んではいけない」という気持ちはわかるけど、冬月よりも宏樹を大切に思うなら、ここはちゃんと答えないと…。
栞の父親について話さない美羽を見て宏樹は、
答えられないか。
美羽、今すぐここから出ってて。
行きたい場所があるんだろ。
隠すってことはそれだけ大切な人なんだろ。
なんでさ、なんで俺の子って嘘ついたの?
そいつと育てれば良かったじゃんか。
なんで…。
美羽頼む。俺美羽と一緒にいれない。
と泣き出してしまいます。
ほら!!言わんこっちゃない!
美羽が中途半端に濁すから!!
ここにきても「冬月に迷惑かも…」とか考えてしまうのはヤバすぎる!
もう美羽の優しさではまったくない。
波風を極力立てたくないという逃げでしかない。
えっぐい脚本!
口では「私の責任」と何度も言いっているのに、結局は責任から逃れよう逃れようとしている美羽。
わかるわ~。自分もやっちゃうもんね。
口では「自分の責任なんで」っていうのは簡単だから。
美羽から「栞は?」と訊かれた宏樹。
こう即答します。
栞の父親は俺だ。
栞と離れるくらいなら、あの子と一緒に死ぬよ。
頼む出てってくれ。
やっぱり宏樹は誠実だわ。
自分で名づけ、半年とはいえ愛情をかけて育てきた愛する我が子という気持ちがあるのだろう。
それと直感的に、「自分や不倫相手の保身のため、中途半端にごまかしてその場を丸く収めようとする美羽になぞ栞を任せてはいけない」と思ったのかもしれない。
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(7話)
7話 あらすじ
神崎宏樹(田中圭)から家を追い出され、行き場をなくしてしまった神崎美羽(松本若菜)。
一方宏樹は、ベビーシッターに栞を預け、冬月稜(深澤辰哉)と仕事の打ち合わせを行っていた。
美羽の夫が宏樹であることを知っている冬月が、複雑な思いで仕事の話を進めている中、宏樹はベビーシッターから栞が熱を出したことを知らされる。
打ち合わせを切り上げ、宏樹は家に戻ろうとするが、なかなかタクシーが拾えない。
そんな中、先にタクシーを捕まえていた冬月の厚意で同乗することになった。
複雑な心境の冬月と、純粋に冬月の優しさを感じる宏樹。
水木莉紗(さとうほなみ)は、亡くなった下原健太(持田将史)の弟・隼人(西垣匠)に、背中を押され、冬月に仕事を辞めたいと伝える。
そして莉紗は、「冬月に話さなきゃいけないことがある」と、アフリカで起きた出来事について打ち明け始める。
その頃、入院中の母・夏野かずみ(多岐川裕美)の一時外出の許可がおり、美羽はかずみと共に、美羽が中学生の頃によく通った給水塔の見える公園へ向かっていた。
美羽が毎日楽しそうにしていた場所だから・・・と懐かしむかずみから、「最後に笑顔が見たかった」と優しく語りかけられて・・・。
引用元:Tver
7話 感想レビュー
やっぱり自分の気持ちと向き合わない美羽
亡くなった美羽のお母さんのお線香をあげに、美羽の家にやって来た真琴。
机を挟んで真琴と向かい合った瞬間、美羽は
わたしは宏樹の答えに従う
と宣言します。
宏樹に「出ていけ!」と言われて放浪していた時間はなんだったのか…。
あんなに色々考えてそうだったのに出した結論が、
「自分はやっぱり宏樹と栞を育てたい!」という真剣な気持ちでもなく、
「栞は自分の手で育てたい!」という熱意でもなく、
「宏樹と冬月君に正直に話して、冬月君と栞を育てられるよう、宏樹を説得する」とかでもなく、
「宏樹の答えに従う」って!
あまりにも無責任すぎるだろ!と、思わず画面に向かってツッコんでしまいました。
複雑な気持ちとちゃんと向き合う宏樹
美羽が、宏樹から家を追い出されたことを知った真琴。
最悪の状況になってしまった美羽と宏樹の現状に責任を感じてか、真琴は宏樹の元へ向かい話をします。
宏樹「美羽の顔はもう観れない」
真琴「栞ちゃんはどうするんですか?」
宏樹「栞とは離れられない」
真琴「だからってっ」
宏樹「血が繋がってない!…一度離れたらもう戻れないんじゃないかって、すごく怖い」
真琴「このまま二人で生きていくつもりですか?」
宏樹「あの子が生まれるまで、目の前が真っ暗だった。栞が産まれて、あの瞬間、俺は救われた。そのとき、栞のことを一生守りたいって思った。その気持ちが…今も消えないんだ」
血が繋がってない。だから離れてしまえば一生会うことができないかもしれない。
それほどまで宏樹は栞ちゃんのことを愛していたんですね。
そして美羽との会話では、より具体的に自分の気持ちを言語化して伝える宏樹。
美羽「私住むとこ探すね。決まったら出ていく」
宏樹「美羽は出て行かないでいい。俺がここを出て行く。
あのとき、全てを話してくれたら、もしかしたら違う答えを出せるかもと思っていた。
でも、最後の最後に美羽は相手をかばった。
だから、もう美羽の顔は観たくないと思った。
俺は、本当に栞と離れたくないって思った。
だけど気持ちのどっかで美羽に罰を与えようとしていたんだと思う。
前と同じだ。
結局俺は自分の気持ちを優先して、美羽や栞を傷つけてしまう。
栞が俺を変えてくれたと思っていた。
だけどちっとも変ってない」
美羽「変ったよ。宏樹は栞の父親になってくれた」
宏樹「俺、自分が栞抱っこしている時よりも、美羽が栞抱っこしてるの見るのが一番幸せだった。
でも、もう同じようには感じられないから。
これからのこと話し合っていこう。
それが済んだらここを出てく」
美羽「宏樹…」
宏樹「美羽、離婚しよう」
美羽が不倫相手をかばう態度が許せなかったこと。
自分が美羽と栞を愛していたこと。
結局、気に食わないことがあれば、美羽に対して酷い態度をとってしまう自分のこと。
これらは宏樹が自身の気持ちと向き合って出した本音。
湧き上がってくるであろう怒りや悲しみをグッと抑え、冷静に自分の気持ちを美羽に話す宏樹、すごい。
自分自身の気持ちと向き合おうとしない美羽の幼稚な態度と正反対。
美羽に宛てた冬月の手紙が全然響かない
「私たち家族に関わらないで」と突っぱねられた冬月。
冬月は、宏樹と話したり、意気消沈している美羽の姿を見て色々考えた結果、最後に美羽宛てに手紙を書くことにしました。
が、この手紙がまぁ響かない。(笑)
夏野へ。
一人で苦しんでることを知って、自分に何かできることはないかとずっと考えていました。
きっと夏野は何も望んでいない。
手紙なんて迷惑かもしれないけど、でも一つだけ伝えたいことがあるんだ。
だから、手紙を書きました。
あのとき、どんな理由があったとしても、俺は夏野のことを愛してはいけなかった。
本当にごめん。
でも、俺は中学の頃図書館で夏野と出会ったことまで、なかったことにしたくない。
図書館で夏野とコソコソ話したこと。
夏野が俺に夢のヒントをくれたこと。
帰り道にベンチで酢昆布を食べたこと。
そんな思い出がずっと心の中で生きてる。
昔、夏野が教えてくれたように、どんなにつらいことがあっても、色んなことを諦めなきゃいけなくても、世界には素敵なものがいっぱいある。
素敵なものはなくならない。
同じように素敵な思い出もなくならないと思うんだ。
夏野の心の中にもたくさんの思い出があると思う。
俺もその中の一つになれればうれしい。
いつまでも心の中で夏野は大切な友達です。
そしてこれから先、素敵な未来もいっぱいある。
それをまだ知らないだけでさ。
夏野が笑顔でいられることを願っています。
夏野頑張れ。ずっと応援しています。
冬月より
すっごいきれいごとを並べてるけど、
これって要約するとつまり、
「夏野、あのとき一時の気の迷いでヤッちゃってごめんね!」
「夏野との思い出は忘れないよ!」
「夏野のことは今でもいい友達だと思ってるよ!」
「何に苦しんでるかようわからんけど…とりあえず頑張れ!」
ってこと?
いや、もちろん事情を知らないから仕方ないんだけど、それにしてもすっごい軽いのよ。(笑)
事情をよくわかってないのに簡単に「頑張れ!」とか「応援してます!」って書かれるの、なんかイヤだ。
ついに求めていた修羅場!
冬月のことが好きな、冬月の同僚・水木莉紗。
途中、「冬月には、大切な人のもとに行ってほしくなくて、亡くなったのは冬月という誤情報を伝えたのはわざとだった」と告白し、「だから会社を辞める」と言い出した水木。
え?
そんなあっさり冬月のこと諦めて終わっちゃうの?
と思ったが、そんなわけなかった!
ついに水木は、「冬月の大切な人」=「宏樹の妻・美羽」である事実を突き止めました!!
そうそうそう!!
この展開がなくちゃ、水木というキャラクターをわざわざ登場させる意味ありませんからね!
次週、水木 vs 美羽の修羅場!
めちゃくちゃ楽しみ!!
わたしの宝物 あらすじ&感想レビュー(8話)
8話 あらすじ
神崎美羽(松本若菜)に離婚を切り出した夫の宏樹(田中圭)。
冬月稜(深澤辰哉)に仕事を辞めると切り出した水木莉紗(さとうほなみ)。
2人はそれぞれ、美羽と冬月が大切にしていた『刺繍の栞』のことを気にしていた。
美羽も宏樹もお互いに大事な話を避けてしまい、すれ違いの生活を続けていた。
宏樹は離婚に向けた話し合いを避けてしまっていること、美羽が隠している相手の男が気になって前に進めないことを浅岡忠行(北村一輝)に相談する。
美羽もまた、離婚を切り出されたこと、その話し合いが進んでいないことを小森真琴(恒松祐里)へ話した。
宏樹が出す答えを受け入れるという美羽だが、「それでも栞と離れてはダメだ」という真琴の言葉に、栞のために何ができるのか考えなければならないと改めて思っていた。
そして、冬月の想いはちゃんと受け取ったから・・・と冬月がくれた手紙の処分を真琴に依頼する。
莉紗もまた、冬月が大切に想っている相手がどんな人なのかを気になっていた。
そんな中、宏樹から冬月と莉紗に届いた仕事のメールに、『子供』という文字を見つけて、ある疑念を抱いて、宏樹へ電話をかけるのだが・・・
引用元;Tver
8話 感想レビュー
修羅場がすごい…!
8話のメインは修羅場。
水木は冬月の”大切な人”が美羽であることを突き止め、ホテルのカフェラウンジへ呼び出します。
宏樹は、美羽の不倫相手が冬月であることにたどり着き、行きつけのカフェに連れ出します。
まず、美羽と水木の会話を見てみましょう。
水木「フリーマーケットへはどのような経緯で?」
美羽「誘ってもらったんです。古くからの友人に」
水木「フリーマーケットには参加されてみていかがでしたか?」
美羽「とっても楽しかったです。作品を作って販売するの初めてだったので」
水木「初めてだったんですか?」
美羽「あの頃私、なかなか外に出る機会がなかったもので」
水木「それで…そのお友達が?」
美羽「はい。誘ってくれて、フリーマーケットに参加させていただきました。まだ知らない世界がいっぱいあるんだなぁって感激しました」
水木「知らない世界…」
美羽「はい」
冬月との関係を聞き出そうと探りを入れる水木。
冷静に丁寧に話を聞く水木の姿に妙な緊張感があります。
冬月から「世の中には、知らないだけで素晴らしいこといっぱいある」というようなことを、”大切な人”から教えてもらったという話を聞いていた水木。
確実に美羽は冬月の”大切な人”で、能天気に「友達友達」と楽しそうに話す美羽にイラつきはじめたのではないでしょうか?
ここから、”静かに探るような姿勢”から”攻めの姿勢”に変わっていきます。
水木「お友達のおかげですね」
美羽「ええ。本当に感謝しています。なんていうか、あの時も、昔も、いつも救ってくれました」
水木「救ってくれた?」
美羽「ああ、ちょっと大げさですね」
水木「冬月は救われましたか?」
美羽「…」
水木「私は、冬月の同僚です。冬月稜は、私の大切な人です」
水木「私はあなたに会いたかった。冬月の大切な人がどんな人なのか知りたくて。
冬月が、あなたとのことを思い出に変えてしっかり前に進んでるのを見て、
どうしても会ってみたくなった。
ひと目見たら気が済むと思ったんです。
でも話聞いてるとダメですね。
人間って愚かです。
あなたの顔見てると、冬月が苦しんでた時の顔が浮かびます」
美羽「…」
水木「冬月はあなたと一緒になるという約束を、アフリカで治療を受けてる時も、あなたと連絡が取れなくなって、あなたお探し続けてた時も、諦めずにいました。なのにあなたは…」
美羽「ごめんなさ。あの…」
水木「冬月は、あなたに会いたい一心で生きて帰ってきたんですよ?」
美羽「…」
水木「あなたは冬月を傷つけた」
美羽「あの、私…」
水木「身に覚えがありますよね?」
水木「あなたは結婚していて、夫と子供もいる。
それなのに冬月と不倫した。
私はあなたが許せません」
水木は、自身の身勝手な行為(アフリカの事故で死亡したのが冬月だと嘘を報告した件)を棚に上げていることはだいぶズルい。
けど、美羽はその事実を知らないわけだからわざわざ口にする必要ものなわけで。
自分の行為は棚に上げてとことん不誠実な美羽の態度を責めまくります。
話ながら徐々にヒステリックなっていく水木がたまらなくいいです!
では次に、宏樹と冬月の会話を見ていきましょう。
宏樹「ここのコーヒー美味しんですよ。どうぞ」
冬月「はい…」
宏樹「どうです?」
冬月「美味しいです」
宏樹「妻は刺繍が得意なんです。前にも言いましたよね?」
冬月「はい」
宏樹「ハンカチなんかにちょこちょこって刺繍したりして、とても上手なんです。
鳥の絵柄がついてる、本に挟む栞なんてすごき綺麗で。
冬月さんが企画したフリーマーケット、妻がお手伝いしましたよね?
あの時の妻の笑顔が、今もずっと忘れられません。
本当に楽しかったんだろうなぁって。
冬月「…」
宏樹「私の妻の名前は、神崎美和と言います」
宏樹はあえて回りくどく話し、冬月の反応を伺います。
じわじわと相手を追い詰める姿勢が怖いです。
宏樹「聞き覚えありますよね?神崎美和」
冬月「あの…」
宏樹「娘が熱を出した時、この前です」
冬月「はい」
宏樹「冬月さんに助けてもらった日、妻が不在だって言ったじゃないですか。あれ正確には、僕が追い出したんです」
宏樹「妻が不倫してたんです。
妻はその相手のことを、今も、ずっと大切に思っています。
その相手は冬月さんですよね?」
8話では、煮えたぎる心を抑え、表面的には冷静さを装っていた宏樹。
しかし次週予告では、その感情が爆発している様子が映されていました…。
急にドカンと爆発するのもそれはそれで怖い。
水木と宏樹の相手を責めるときの態度が違って面白い。
わたしの宝物 あらすじ(9話)
9話 あらすじ
神崎美羽(松本若菜)は水木莉紗(さとうほなみ)に呼び出され、冬月稜(深澤辰哉)とのことを問いただされる。
そして神崎宏樹(田中圭)もまた冬月と美羽の関係にたどり着き、冬月と対峙していた。
宏樹は冬月に対して怒りを露にするが、栞の本当の父親が誰なのかを冬月が知らない様子だったことに驚き、宏樹は冬月を帰らせる。
帰り道、先ほどの宏樹の言動と過去の美羽の言葉を思い返して、栞のことが気になり始める冬月。
そして小森真琴(恒松祐里)の元へ訪れ、栞のことを聞こうとするが、真琴は何も答えない。
そしてその夜、決心がついた美羽は宏樹に離婚について話し合いたいと伝え、栞とは離れないと話す。
美羽は一人で栞の面倒を見られるように本格的に就職をするべく、真琴の雑貨屋を辞めることに決めた。
そんな時、仕事をしていた冬月に、宏樹からのメールが届く。そこには、「融資は見送らせていただきます」と書いてあって・・・。
引用元:Tver
9話 感想レビュー
美羽の成長
水木と美羽が対峙するシーンで、美羽が自分の感情を露わにします。
水木「私はあなたが許せません。冬月がどんな思いで苦しんできたか。
いつも救ってくれた?知らない世界がいっぱいある?ふざけんな。
何きれい事言ってんの?気持ち悪い。
薄汚いただの不倫でしょ?
あなた恥ずかしくないんですか子どもいるんですよね?みっともない。
お子さんが可哀そう」
と、水木から一方的に非難される美羽。
今までの美羽だったら「そうですよね…」などと言って、相手に言い返すこともしなかったと思います。
しかし、水木の「お子さんが可哀そう」という言葉がトリガーになったのか、美羽は冷静に言い返します。
美羽「さっきから何をおっしゃってるんですか?人の話を聞いてましたか?
冬月さんは中学校の頃の友人です。
家とスーパーの往復だけだった平凡な主婦の私にフリーマーケットで働く楽しみを教えてくれて、退屈から救ってくれた。
それ以上でもそれ以下でもありません。」
その先は、自分の本心を守るように水木を非難していく美羽。
水木「そんな言い逃れ…」
美羽「それがどうして不倫になるんですか?一緒になる約束?何の話ですか?」
水木「しらを切るんですか?」
美羽「夫の取引先の方だとお聞きしたので、あまり失礼のないようにと思ってましたが、はっきり言ってこういうのは迷惑です」
水木「冬月は、あなたのことあんなに大切にして。なのにあなたは…」
美羽「よっぽど好きなんですね、冬月さんのこと。嫉妬ですか?
何を勘違いされたか分かりませんが、そんな風に思うなら、私に文句を言いに来る前に直接冬月さんとお話になったらどうですか?
大切な人なんでしょう?それができないからって、つまらない嫉妬にわたしを巻き込まないで!みっともないと思わないんですか!?」
美羽に水をぶっかける水木。
水木「最低」
美羽「冬月さんとどうかお幸せに」
水木「ほんと最悪」
イヤなことを言われても、非難されても言い返すことのなかった美羽。
それが今回、相手にちゃんと立ち向かうことができたのは成長。
さらに美羽は、
目が覚めた。私がしたことは薄汚い不倫だ。
綺麗な思い出に変えようなんて、バカか私は。
宏樹の気持ちを考える資格なんて私にはない。
きれいごと言って、ただ宏樹を傷つけてるだけだ。
と考え方が変化していきました。
「宏樹の決断に任せる」と言って、今後どうするかの判断を全て宏樹に任せてしまっていること。
自分では何も責任を取ろうとしない甘い考え。
そういった自分の愚かさに気づいた美羽は、「宏樹と離れる」「慰謝料も払う」「冬月には頼らない」「栞を一人で育てる」といったことを、全て自分の意思で決断し始めます。
自分で決めたからこそ、責任を負う覚悟ができたのでしょう。
美羽は真琴にカフェバイトの退職を申し出て、就職活動を開始します。
さらに役所に出向いて福祉制度の説明を自ら受けに行くなど、能動的に動きだしました。
宏樹にも、これまでの経緯と自分の正直な気持ちを全て打ち明けました。
自分の意思も相手の気持ちも尊重して行動できるようになった美羽。
その成長っぷりがすごいです。
美羽がどんな決断を下すのか
離婚に向けて別居することになった美羽と宏樹。
宏樹は、不倫相手が冬月だとわかった当初は、冬月に対して攻撃的な姿勢に出ていましたが、冬月や美羽と話すうち、次第に考えを改めます。
宏樹は大人ですね。
一瞬冷静さを欠いても、後で自分で感情をコントロールして軌道修正ができる。いや~かっこいいです。
さらに宏樹はある決断をします。
弁護士を通して「最後に3人で会いたい。それを最後に栞との面会は今後一切希望しない」という宏樹の意思を伝えられた美羽。
美羽は困惑しながらも指定された動物園へと向かいます。
ところがその場所に現れたのは宏樹ではなく冬月でした。
さらに冬月もまた「宏樹に呼び出された」とのこと。
宏樹は、自身の身を引いて、美羽と冬月と栞の3人で暮らしていくことを望んだのでしょうね。
宏樹としては、妻を寝取られた挙句子どもも作られ、我が子と信じ愛していた我が子が実は不倫相手の子どもだったわけですから、そう簡単に許すことなんてできなかったでしょうし、美羽と冬月が栞とともに幸せに暮らす未来を考えるのは相当つらかったのでは?と勝手に想像してしまいます。
それでも宏樹は、美羽と冬月の復縁の手助けをします。
それは恐らく、愛する”栞”の幸せを一番に願う気持ちがあるがゆえではないでしょうか?
はたして宏樹が与えてくれた冬月と復縁するチャンスに対して、美羽がどんな決断を下すのか。
最終回が楽しみです。
わたしの宝物 最終回あらすじ
最終回 あらすじ
神崎美羽(松本若菜)は、娘の栞と3人の最後の面会をするため、神崎宏樹(田中圭)のことを動物園の入り口で待っていた。
しかしそこにやってきたのは冬月稜(深澤辰哉)だった。
お互いに動揺を隠せずにいると、美羽の元へ宏樹から電話がかかってくる。
宏樹は、美羽が自分がいたから、栞が血の繋がりのある冬月と生きていくという選択肢もあると思っていた。
美羽は戸惑いながらも、冬月と動物園を回ることにした。
そして、別れ際、冬月は美羽にあるお願いをする・・・。
その後、冬月は大切なことを伝える為に喫茶店にいる宏樹の元へ現れた。
そして美羽もまた、自分の中でひとつの答えを出すのだったが・・・。
引用元:Tver
最終話 感想レビュー
ついに冬月には「事実」を話さなかった美羽
宏樹に「動物園に来るように」と呼び出された冬月と美羽。
栞と3人で動物園を楽しんだ後、冬月は美羽に訊ねます。
冬月「夏野、この子は俺の子?」
美羽「違うよ。栞は私の子」
冬月「そうだよな。そんなわけないよな」
美羽「冬月君!私、この子を幸せにするから!」
自分一人で栞を育てていくと決めた美羽は、ついに冬月に「事実」を話すことはありませんでしたね。
「事実」を知っている冬月からしてみれば、美羽の答えを聞いて「自分は立ち入ってはいけないんだ」と思ったことでしょう。
ここで冬月と一緒になるとか言い出したら「おい!美羽!」とツッコンでいたところでしたが、そうならなくて良かったです。(笑)
スッキリしないラスト
離婚届を出しに行こうとしていた美羽の元へ向かった宏樹。
宏樹は美羽にこんな話をします。
宏樹「俺が美羽を苦しめたこと、美羽がしたこと、それは消えないし、だからこの先、苦しむこともあるかもしれない。でも、俺は美羽と一緒にいたいんだ。俺は栞が大きくなっていくのを見たい。美羽と一緒に栞の成長を見守っていきたい。いつか栞に、実の父親のこと話さなきゃいけない時が来たらさ、俺も一緒に話したい。美羽と一緒に栞を育てたいんだ」
あんなに「もう美羽の顔は見れない」と言っていたのに、心変わりが早いな。
美羽「でも、私のしたことは」
宏樹「一人で背負うなよ。俺にもさ、一緒に背負わしてくれないかな」
美羽「私は…私は…私も宏樹と一緒にいたい。離れたくない。一緒に栞を幸せにしたい」
美羽の「栞は1人でも幸せに育てる」という決意はどこにいってしまったの?
大団円なんだけど、なんだかスッキリしない終わり方だった印象。
ちなみに冬月は、水木に「アフリカの学校建設事業を手伝ってほしい」と誘い、この二人も大団円。