話を広げられない問題
とくに初対面の人と話すとき、「質問してもなかなか話が広がらない…」というケースはよくあります。
たとえば
「休みの日は何をしていますか?」→「とくに何もしてないです」→「ああそうなんですね…」(沈黙)
「しゅ、趣味はなにかありますか?」→「いや~とくに…」→「ああ、そうなんですね…」(沈黙)
個人的に「休みの日に何をしてますか?」と「趣味はありますか?」という質問は、簡単に話が広がりそうだと思って使いまくっていました。
だけど話がぜんぜん広がらない。どうして?
そう思っていた時、ニッポン放送のアナウンサーである吉田尚記さんの著書『元コミュ障アナウンサーが考案した会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』読んだのですが、その中に「なるほど~」と思った部分があったので抜粋してご紹介します!
もくじ
雑談が苦手を解消する方法
考えずに答えられるようなことを聞く
(原文抜粋 引用)
(A)初めての相手でほとんど事前情報がない場合、自分との共通点や相違点がわからない状態にあります。さすがに性別ぐらいはわかるかもしれまえんが、もはやそれさえ確実ではないかもしれない。
ここでまず有効なのは、「誰もが考えずに答えられることを聞く」というテクニックです。「ご出身はどちらなんですか?」という質問は、2つの点で優れているといえます。当たり障りがなく失礼になる可能性が極めて少ないこと、そして誰にでも「出身」はあるということがポイントです。あちこち引っ越してて、出身地が定かでない人もいるかもしれませんが、それはそれで貴重な情報です。
もうひとつは、時事問題や最近話題になった出来事を聞くこと。先ほど出てきた「ラグビーワールドカップ」の話題でも、流行っている食べ物の話題でも、とにかくほぼ誰でも知っている話題であれば、少なくとも1往復の会話は成立します。
『元コミュ障アナウンサーが考案した会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(吉田尚記)
これを読んだときに気づきました。
「休日は何をしていますか?」や「ご趣味は?」という質問は答えにくい!
もしも自分が同じ質問を投げかけられたらどう返答するか考えてみました。
「休みの日は普段何をしていますか?」
→「(休みの日はたいてい家でゴロゴロしてるだけで何もしていないし…)特に何もしてません」
「趣味は何かありますか?」
→「(趣味ってほどのものはないしなぁ…)これといって特には…」
自分は休みの日にいつもこんなことしてるな!趣味はこれだよな!など、しっかりはっきり自覚して生きていないので、いざ質問されると考えるのも面倒。なので、「特に何も…」と答えてしまう。
パスする質問のスケールが大きすぎると、答えを考えなくてはいけないので答えにくいわけですね。
他にも答えにくい質問はこんなのがあります。
・なんで今の仕事を選んだんですか?
・今の仕事の好きなところは?
・どんなことをしてる時が一番楽しいですか?
・一番好きな食べ物は?
・今まで行った旅行先で一番良かったのは?
・この後は何されるんですか?
どれも自分がリラクゼーションのお客様に投げかけてみたら「…」と言葉を詰まらせた質問です。
もっとシンプルな質問からスタートすることが大事。
個人的に、お客様がポンポン答えてくれるテンプレ質問はこんな感じです。
・学生時代バイトしてましたか?
・(学生時代にバイトしてたと答えたら、)どんなバイトしてました?
・ご出身はどちらですか?
・ドラマは観ますか?
・(ドラマを観てると答えたら)今期は何を観てますか?
・海外旅行はしたことありますか?
・(春)お花見はしましたか?
・(初夏)長期休暇はありますか?
・(夏)海には行きますか?
・(秋)紅葉を観に行きましたか?
・(冬)寒いのは得意ですか?
自分が話しやすいジャンルの質問をする
答えやすい質問をして答えは返ってきた。でもそこから広がっていかない…。
そんな方に向けて、吉田さんは作中でこんなアドバイスをしています。
(原文抜粋 引用)
(Q)「ご出身は?」→「○○です」→「はあ、そうですか…」で終わっちゃうんですが…。
(A)そういうこともありますよね。相手側がまだ話すための心の準備ができていない場合もあれば、相手も初対面の人が苦手かもしれないですから、すぐに色々な情報を出してくれるとは限らないわけです。そんなときは、こちらから話を広げる必要があるのですが、自分がしたい話を、まずは相手にしゃべってもらうという武器があるんです。
もし自分の地元の話がしたいなら、あるいは地元の話しならできるという自信があるなら、
「ご出身はどちらなんですか?」→「宮城なんです(黙る)」
→「そうですか、私は山梨なんですけど…」という形につなげればいいんです。
山梨のことなら、自分の出身地として話せることはいくらでもありますよね?その中から、相手が興味を持てそうなことを探していくんです、富士山や富士五湖に遊びに来たことがあるかもしれないし、富士急ハランドの絶叫マシーンに乗ったことがあるかもしれない。
(中略)
相手が話しだしそうなテーマを見つけたら、まずはそこから広げていけばいいわけです。
(中略)
「初対面の人と何を話していいかわからない」、逆に「むしろある程度知っている人との会話が苦手」といったものがありましたよね。正反対に見える悩みですが、なんと同じ方法で解決できるんです。ちょっと根性論っぽくなってしまいますが、とにかく腹を決めて質問を続けて相手が話し始めるのを待つんです。富士山から登山の話になるのか、巨鋒からワインの話になるか、武田信玄からゲームの話になるかはわからないけれど、必ず乗っかてくるポイントがある。そこで間違えてはいけないのは、相手が話し始めたらその流れに任せることなんです。
私が会話の分析ができるようになったのは、どこで相手が食いついて、自分のことを話し始めたかを常に注意深く観察したからなんです。
『元コミュ障アナウンサーが考案した会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(吉田尚記)
まとめるとこんな感じです。
・相手が話しだしそうな質問に行き着くまでとにかく質問をする。
・ただし質問ばかりしてると、それはただの尋問になってしまう。
・自分の得意ジャンルの質問を投げて、相手が乗ってこない時は自分のエピソードトークをする。
僕がペラペラしゃべれるジャンルは、
「バイト経験談」
「出身地トーク」
「海外旅行のハプニングエピソード」
「今観ているドラマの話」
「春夏秋冬のイベント体験談」
こんなもんです。
先に出した「僕がよくするテッパン質問集」はまさに、自分語りができる質問ばかり。
ただ、こんなに少ない手札でもだいたい何かしら相手に引っかかるものはあります。
ぜひ自分語りできるジャンルを見つけて、あなただけのオリジナル鉄板質問集を作ってみてください。
めちゃくちゃ使えますよ!
自分語りはほどほどに。大事なのは相手が乗って来るかどうか
自分語りは気持ちがいいものです。
しかし気持ち良くなりすぎて一人で一方的に話していたら相手はシラケます。
「自分語りは間を埋めるもの」くらいに思っていた方が賢明です。
(質問する)
→(乗ってこない)
→(ちょいちょい質問を挟む)
→(乗ってこない)
→(自分語りする)
→(相手の様子を見る)
→(相手が全然乗ってこなかったら別ジャンルに話を切り替える)
このループでいけば、会話は途切れません。
例)
「学生時代どんなバイトしてましたか?」(テッパン質問)
→「居酒屋でバイトしてました」
→「え!僕もしてましたよ!ホールですか?」(答えやすい質問)
→「いえ、キッチンです」
→「へぇ~!やきとり焼いたりしてました?」(答えやすい質問)
→「いや、やきとりは焼いてないです」
(自分から話し始めないな。ちょっと自分のトークをするか)
→「やきとりじゃないんですね。ちなみに僕はやきとり系の居酒屋だったんですけど、ホールだったんで僕もやきとり焼いてないんです」
→「そうですか」
→「飲食店仕事ほんとに苦手だったんですけど、まかないを食べるためだけに頑張ってやってました」
→「まかない?」
→「はい。僕、その当時演劇活動したんですよ!だから超貧乏で。飲食店の仕事は絶対やりたくないと思っていたんですけど、食費を浮かすためにはタダでまかないを食べられる所じゃないとダメだったんです。で、まかないで1日の食事を満たしたくて、食べられるだけ胃に詰め込んで帰るっていうのを続けていたんです。フードファイターになるコツ知ってますか?」
→「え?いえ知らないです」
→「吐きそうになるまで食べたあとに、絶対これだけは食べるってものを食べるんです!僕の場合はたまごがけご飯だったんですけど。そうすると、どんどん胃が大きくなっていって、いっぱい食べられるようになります!」
→「へぇ~すごいですね」
(あ、興味なさそうだな)
→そういえば、ご出身はどちらですか?(すぐ切り替えて別のテッパン質問)
気持ち良くなりすぎて語りすぎる前に切り上げる。
自分の話はまたいつでもできますからね。
ここはグッと堪えて、別の質問に切り替えましょう。
話を切り替える時は焦らず、自分のテッパン質問集から引っ張り出せばいいのです。
雑談が苦手を解消する方法 まとめ
「雑談が苦手だなぁ~」と思う人の悩みを紐解くとだいたい、
・質問してもその後の話が広げられない
・何を質問したらいいかわからない
・話したいことが話せない
・興味ない話を聞いているのきつい
そんなところです。
それらの悩みを解決するのに使えるテクニックが、
・自分の興味あるジャンルの質問を用意する
・相手が考えないで答えられる簡単な質問をする
・ときどき自分語りを差し込む
これらに加えて最も大事なのが、相手を観察することです。
相手が話に乗ってきているかどうかを観察して、
・もしも乗ってきてなかったら潔く別の質問をする。
・もしも乗ってきて自分から話して始めたら、その流れに乗る。
これをやっておけば、「雑談が苦手」は解消されますよ♪