「青春18きっぷ」はJRの電車が1日乗り放題になる、お得なきっぷ。5回利用することができます。3回目の利用は、山梨県甲府市を日帰り一人旅することにしました。
大した目的もなく行ってみましたが、ご当地の美味しいグルメやワインに舌鼓を打ち、桜が素敵な駅に巡り合う、最高の旅に。
そんな甲府の日帰り旅レポート【前編】です。
もくじ
「青春18きっぷ」で甲府駅を目指す
甲府駅に行こうと思ったのは、東京からアクセスが良さそうだったから。特に行きたい名所があるとかではない。
「せっかく青春18きっぷを使うなら、思いっきり元をとりたい」というドケチ根性と、「できれば片道3時間以内におさめて、気らくに旅したい」という怠惰な心、その二つとピッタリ当てはまったのが、山梨県の甲府だったのだ。
甲府旅当日。早朝5時。
起きる時間だけは自分を甘やかさない。早めの電車に乗って、みっちり甲府を楽しむつもり。東京から甲府までの移動時間はおよそ2時間30分。7時に出れば9時30分頃には到着する。
ちゃっちゃか準備をして、予定通り7時台の電車に乗り込む。持ち物はスマホ、財布、ハンカチ、ティッシュ、青春18きっぷのみ。
下り電車なので乗客は少ない。だけどもちろん、全然いないってこともない。スーツの人に混じって普段着の人もいる。みんなどこを目指すのかなぁ。僕と同じように山梨へ旅する人もいるのかなぁ、なんて夢想してみる。
高尾駅に到着。ここで中央線から中央本線に乗り換える。その後は乗り換えなしで甲府まで行ける。本当に楽ちん旅だ。
高尾まで来るとさすがに乗客の数が少なくなってくるな。
高尾駅から大月駅までの間は、トンネルの中を通ることが多かった。おそらく山や峠の中を抜けていくのだろう。景色も自然豊か。見ているだけで楽しい。もうすでに心が浄化されていく。
大月駅に到着。大月駅には、JR線の他に「河口湖」や「富士山」へ向かう「富士急行」がある。大月駅で降りていく人がけっこういるので、そういう人は富士山Qハイランドなどに行くのかしら?
実は僕、「富士急行」は何度か乗ったことがある。なので、ここ大月駅までは何度となく来ている。でも、このままJR線に乗って甲府方面に行くのは初めて。未知の世界になんだかドキドキしてきた。ああ、甲府はいったいどんな街なのだろう。
ローカルエリアの電車になるとお約束?の向かい合わせシート。これ、苦手です。だって知らない人と向かい合わせるとか気まずいし。でも、景色を見るならこの向かい合わせシートの方が見やすいんだよなぁ。
大月駅でわりと人が降りて車内はガラガラ。思いきって向かい合わせシートに座ってみよう。
しばらくして、リュックを背負ったお母さんが、僕のはす向かいに座った。うん。まあ、座るよね。
それにしてもこのお母さん、ハイキングにでも行きそうな恰好。山登り?にしては軽装か。もしかして同じように甲府まで行くのかな?
…いや、いけないいけない。あまりじろじろ見ていると不審に思われる。ここはしっかり景色を楽しもう。
何個か駅に停車する中で、思わず目を奪われた駅があった。駅前から線路沿いに、桜がずらーっと咲いている。とてもきれいだ。なんていう駅だろう。
はす向かいに座っていたお母さんは、その駅が目的だったのか、それとも桜に心を奪われたのか分からないが、不意に立ち上がり電車を降りて行った。
ここはどうやら「勝沼ぶどう郷」という駅らしい。
お母さんのように、乗客の何人かは「勝沼ぶどう郷」で降りていく。思わず僕も降りようかと思ったが、なんだか寒い…!開け放たれたドアから入り込む冷気に、身が震えてしまうほどの寒さだ。
この日、東京も甲府も17℃くらいの予想だったため、大した厚着をしてこなかった。「勝沼ぶどう郷」は標高が高い場所なのか、とても17℃の気温ではない。朝だから?
帰りに寄ったらちょうどいい気温になってるかしら?
この薄着で降りるのは危険なので、ここは一旦「勝沼ぶどう郷」は素通りして、再び甲府を目指します。
しばらく電車に揺られていると、「山梨市駅」辺りから、濃いピンクの花が咲く木々が立ち並んでいることに気づいた。ぽつぽつとあるだけだったその木が、甲府に向かうにつれてどんどん増していく。すごい数だ。その木の手入れをしている方もちらほらいる。いったいなんの木なのだろう?
気になって調べたら、「桃の木」らしい。なるほど。山梨といえば桃だもんね。どうりでそこら中にあるわけだ。そしてその「桃の木」に咲く「桃の花」の見ごろは3月下旬~4月の中旬らしいです。
さらに「甲府駅」に近づくにつれて、乗客に若者が交じり始め、いよいよ山梨のターミナル駅に到着するんだな、という感じがする。
「青春18きっぷ」で甲府駅に到着
甲府駅に到着。
山梨のターミナル駅のわりに、けっこうコンパクトな印象。「青春18きっぷ」仲間が多いのか、駅員改札に長蛇の列ができている。
甲府駅もやはり中高年層の割合高めだなぁ。地方に行くと、少子高齢化をひしひしと感じる。
改札を出たところで、甲府駅周辺の観光マップをGET。けっこう南口の方が飲食店があるらしい。とりあえず、まずは北口側をかるく見て、ランチは南口で探してみよう。
北口に出ると、だいぶ閑散としていた。曇天のせいもあってか、ちょっと寂しい印象。でも、こういう寂しい感じ、好き。
無料の観光スポット「甲府市藤村記念館」
ロータリー横の広場にさっそく素敵な建物発見。
「甲府市藤村記念館(旧睦沢学校校舎)」は明治期に建てられた学校校舎。昭和42年に重要文化財に。平成22年に甲斐市亀沢から甲府駅前に移転してきたそうです。ちなみに入館料は無料。
と、人の良さそうなお母さまが、ざっくり説明してくれます。ありがたい。
1階には、学校関連の歴史や資料が展示されています。
2階に上がると、昔のおもちゃがいくつか置いてありました。お手玉・けんだま・輪ゴムを飛ばず手作りピストルなどなど。これは子供が来たら楽しいだろうな。どれ、僕も童心にかえって、ちょっと「けん玉」でもやってみようかな。
あれ、なかなか成功しない。くそっ。あれっ。こんなに「けん玉」って難しかったっけ?こうなったら1回成功するまでやってやる!
久しぶりにやるとついつい夢中になってしまう。他に誰もいな中、一人「けん玉」に奮闘。よし!なんとか1回成功!うん。満足。
隣の部屋を覗くと、古い机と椅子が並んでいます。そうやら教室のようだ。
机が小さすぎて、大人の体では座るのがキツそう。
それにしても、これらが無料で見られるなんて。とってもありがたい。
藤沢記念館をあとにして、次はどこに行こうか?
甲府駅周辺には観光スポットが集結
藤沢記念館のすぐ近くで「甲府市歴史公園(甲府城山手御門)」というスポットを発見。立派な門があります。おそらく、駅を挟んで向こう側にある「甲府城」の門なのだろう。駅が間にあるせいで、門だけがポツンとあるように見える。
横の階段を上がると建物の中に入れるようだ。
コンパクト建物の内部は、甲府の歴史資料館になっていました。ちなみに無料で、誰でも自由に入ることができます。
甲府駅周辺は観光施設が揃っていて見て回りやすい。しかも無料。まだ1時間くらいしか甲府にいないのに、すでに甲府の歴史でお腹いっぱい。
歴史公園の先には、甲府城下町を再現した「甲州夢小路」がある。
古民家・蔵・倉庫などの昔の建築様式を取り入れたお店が並んでいて、なかなか素敵なスポットだ。
レストランはもちろん、和紙で作られた雑貨屋さん、ワイン屋さんなど、色んなお店が並んでいるなぁ。こうして眺めて回るだけでも楽しい。
甲府の名物を食べる
9時30分ごろに着いたのに、もうすぐ11時になろうとしている。
12時前には飲食店に入らないと混んでしまいそう。南口の方へ行って、どこか甲府名物が食べられるお店を探そう。あ、そうだ。こんな時は、さきほど駅でGETした観光マップを見てみよう。
山梨・甲府といえば、やはり「ほうとう」だろう。あとは甲府のワインが飲めれば最高。どのお店にしようかな。
観光マップを頼りにやってきたのは、「奥藤本店(甲府駅前店)」さん。まだ11時過ぎ。オープンしたばかりなので、お店にはまだお客さんの数は少ない。
「ほうとう」がメイン。だけど、ワインを飲みたいので、ちょっとつまみになりそうな「鳥もつ煮」も注文。
甲州の赤ワイン。グラスで税込み600円。
うわぁ!なんだこれは!ジュースみたい。渋みが少なくて若干甘い。ごくごく飲めちゃう。美味しい!
「鳥もつ煮(小)」税込み650円。
小だけど、つまみには十分なサイズ。いただきます。
あ、なるほど。レバーや砂肝、ハツなんかの内臓系がごったに入ってるのね。…実は僕、レバーが苦手。でも、ここのレバーは臭みが少ないので余裕で食べられる。甘じょっぱい濃い味付けで酒が進む。
さて、「ほうとう」です。税込み1320円。
「奥藤本店」さんでは、お客が「ほうとう」を作ります。
まずひと通り、スタッフさんが口頭で手順を教えてくれる。僕に手順を教えてくださったお母さんが、とっても明るくて素敵な方でした。
手順に従って「ほうとう」を作っていこう。
①鍋に和風だしを入れて、次に季節の野菜なども入れて強火で火にかける。
②沸騰したらほうとう麺をほぐしながら入れて、中火で3分ゆでる。
③麺が好みの硬さになたら、甲州味噌を入れて、弱火で3分程度煮込む。
3分測るのに、小さい砂時計を利用するところがいい。手元に手順表もあるので、その通りにやれば誰でも上手に「ほうとう」が作れます。
さて、ぐつぐつ煮えている手作り「ほうとう」をいただきます。
うん。とっても優しい味。野菜本来の味が分かるくらい、うす味。これこそ「ほうとう」だ。かぼちゃがホクホクで美味しい。
ふぅ~、お腹いっぱい。ごちそうさまでした。
(後編へつづく)
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