2018年~19年、韓国のケーブルテレビ局で放送された大ヒットドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』の日本リメイク版ということで、この夏大注目のドラマ『スカイキャッスル』。
脚本は『ショムニ』シリーズや、ドラマ版『ウォーターボーイズ』シリーズ、『日本沈没-希望のひと-』などを手掛けた橋本裕志さんが手掛ける。
【原作】
韓国ドラマ『SKYキャッスル』ユ・ヒョンミ作
【脚本】
橋本裕志
【演出】
田村直己、中前勇児、星野和成
【キャスト】
松下奈緒、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪 他
【あらすじ】
主人公・浅見紗英(松下奈緒)は才色兼備で、医師である旦那・英世(田辺誠一)と娘二人と共に「スカイキャッスル」という町で、完璧なセレブ生活を送っていた。
紗英には、長女の瑠璃(新井美羽)と同級生の子を持つママ友・二階堂杏子(比嘉愛未)と夏目美咲(高橋メアリージュン)がいる。彼女たちの旦那もそれぞれ名門「帝都病院」の医師である。
3人はママ友でありながらも、互いに【子どもの高校受験】や【旦那の出世】でしのぎを削って生活していた。
そんな中、生徒を100%志望校に合格させる受験コーディネーター・九条彩香(小雪)が出現。
さらに「スカイキャッスル」の中でとある事故が発生し、彼女たちの生活から【幸せ】の仮面が少しずつ剝がされていく…。
もくじ
スカイキャッスル ネタバレ感想レビュー(1話)
人間のドロドロした部分が見え隠れする面白さ
大病院の医師を旦那に持つセレブ妻たち。
彼女たちの一番の関心ごとは子供たちのお受験問題である。
わが子を超難関「帝都医大付属高校」へ入学させるためには、ママ友の情報交換は大切。誰もが好き好んでママ友をやっているわけではない。
常に周囲を出し抜き、「自分が一番幸せ」という姿を世間に晒したくてたまらないのだ。
松下奈緒の笑顔がとにかく怖いのが良い。
表では美しい笑顔を振りまき、お世辞をポンポン言いながら、家では各家庭の子供を馬鹿にし見下す紗英。そんな清々しいほど性格が悪い紗英に、松下奈緒がピッタリ合っている。
衝撃の展開
紗英にお受験コーディネーターを紹介してくれた冴島香織。
彼女には、旦那・哲人(帝都病院の脳神経外科部長で英世の先輩)との間に、出来の良くない一人息子・遥人がいる。そんな遥人が、合格率100%の受験コーディネーター・九条彩香(小雪)の手によって、超難関の帝都医大付属高校に逆転合格。
冴島家は幸せに包まれていた。
しかし、そんな幸せに満ち溢れていたはずの香織は、とある日の晩、「スカイキャッスル」内で一番高いタワーの屋上から自ら身を投げ出し転落。
突然の訃報に紗英たちは驚きを隠せない。
さらに、香織の死後、哲人はすぐさま家を売却し、逃げるようにスカイキャッスルから立ち去った。彼は同時に帝都病院も辞職。
不穏な彼らの行動は「スカイキャッスル」の住人を困惑させたのだった…。
そんないわくつきの物件にすぐさま引っ越してきた南沢一家。
新たな住人の到来で「スカイキャッスル」は一体どうなっていくのか…?
という一連の展開が、スピーディーで目が離せなかった。
一体「スカイキャッスル」の中で何が起きているのか?考察しながら観ていくと、より楽しめそうだ。
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スカイキャッスル ネタバレ感想レビュー(2話)
真実はずぐさま明らかに。目まぐるしい展開に目が離せない!
冴島香織がなぜ自死するに至ったのか?
その答えを追求するのが、物語の1つのテーマだと思っていたが、理由はあっさり明かされる。
息子の遥人が、冴島家に仕える家政婦との間に子どもを作り、せっかく合格した高校を、香織たちに無断で合格辞退してしまっていたのだった。
遥人が香織に見せるために書いた日記には、『(香織を)母親と思ったことはない。あんな地獄には二度と戻らない』と書かれていた。
「今までやってきたことは何だったのだ…」と、すべてに絶望した香織は自らの死を選んだわけである。
これはなかなか胸糞悪い展開だ。
しかも遥人は、香織を「母親と思ったことはない」という日記を書き残し、「家には戻らずに家政婦との子どもを育てる」と言って香織を突き飛ばしておいて、いざ香織が自死してしまったら、九条に「僕はどうしたらいいんですか…?」と泣きつく始末。
「自分でどうにかしなさい」という、九条の至極真っ当な意見にブ千切れて、九条を殺そうと切りかかる遥人。
欲しいものは何でも与えられ、甘やかされて育つということは、なかなかに危険なのかもしれない。
実は『泉』が、一番恐ろしい人間なのでは?
紗英の長女・瑠璃と学校内でトップ争いをする秀才・南沢青葉の母親である泉。
彼女は自分で野菜やハーブを育てる自然派志向。さらに息子の青葉には塾などに通わせず、させたいようにさせているという。
服装や髪型も、他のセレブママたちとは異なりだいぶ庶民的である。
一見すると金・権力などに執着がなく、見栄を張ることのない良い性格の人に映る。
しかし、紗英がママ友の杏子と美咲と共にいるところで、泉はこんな爆弾発言をする。
泉「ねぇ覚えてないかな?私『若菜園』の久保田泉です。あなた、馬場洋子さんじゃない?幼い頃、一緒に『若菜園』で過ごした」
ドラマの終盤で、紗英の昔の名前は『馬場洋子』であることが判明する。そして泉の思い出通り、二人は児童養護施設の『若菜園』で一緒に過ごしていたのでった。
しかしである。もしも普通の良心を持つ人間だとしたら、紗英のことを「この人…もしかして洋子ちゃんじゃない?」と思ったとしても、わざわざ他の人がいる前で「あなた『若菜園』の馬場洋子さんじゃない?」などと尋ねることはないだろう。
「センシティブな部分だから二人の時に尋ねよう」と思うのが一般的ではないだろうか?
また、杏子と美咲の前で『わかな園』の話を持ち出したのだから、当然、後日「そういえば、この前言ってた『若菜園』って何?」という話題が振られる。
そこで泉は正直にこう答える。
泉「私は『若菜園』という児童養護施設で育ったんです」
杏子「じゃぁ早くにご両親を?」
泉「あ、いえ。私の親は施設を運営している側で」
美咲「ますます珍しい経歴ね」
泉「仕事に余裕がある時は、私も手伝いに行ってます」
『自分は孤児ではない。だから『若菜園』で育ったと言うことに後ろめたさなんて一切ない』という心理が透けて見える。
そして泉は、自分が実は小説家であることを3人に打ち明け、こんな話をし出す。
泉「ここに越してきて刺激を受けたから、新しい作品に取り組もうと考えていて」
紗英「刺激…?」
泉「子どもが難関校に合格した幸福の絶頂で謎の死を遂げた人の家に、私が越して来た。何かの運命のような気がして」
紗英「まさか、香織さんのことを小説に?」
泉「そういう悲劇が繰り返されないためにも、私なりに取り組んでみたくて。彼女が手に入れたのは本物の幸福だったのか、それともスカイキャッスルという成功者の街で装い続けた、偽りの幸福だったのか。みなさんにも話をお聞きしたいと思っています」
紗英「あなたみたいな偽善者が、私は一番嫌い」
「正義」「正直」は必ずしも人を救うとは限らない。
泉の「正義感」は、スカイキャッスルに住む人々の生活を崩壊させる爆弾になりそうな予感がする。
そして実は、紗英が泉に向かって「あなたみたいな偽善者が、私は一番嫌い」と言い放ったのは2度目である。
それは幼き頃、紗英がまだ馬場洋子だった『若菜園』時代。
学校の友人らに児童養護施設で生活していることを隠すため、「親がアメリカで医者をしてる」と嘘をついていた紗英。しかし、友人たちに実は『若菜園』で暮らしていることがバレてしまい、「嘘つき」と言われイジメを受けることになってしまう。
そんな紗英を哀れんだ泉は、こんなことをクラスメイトたちの前で言い出す。
友人ら「だって洋子は私たちをだましてたんだよ?」
泉「仕方ないじゃない。お父さんが捕まったのに、一人で頑張ってるんだよ」
クラスメイトたち「捕まった?まさか犯罪者?犯罪者?」
泉「洋子ちゃん、今日はもう私と帰ろう」
子ども時代といい大人になってからといい、泉は『可哀想な人』を勝手に作り上げ、頼まれてもいないのに、その人を「助けてあげたい」という欲求で突き動いてしまう、正真正銘の偽善者なのではないだろうか。
そう考えると、実は泉が一番恐ろしい人間なのでは?と思えてならない。
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(3話)
意外な人物がフューチャーされた3話
3話はとにかく話題が盛り込まれすぎていたので、展開が目まぐるしい。
まず衝撃的なのが山田未久の存在だ。
未久は、紗英の娘・瑠璃の同級生であり、泉の息子・青葉と仲良くしている女子生徒。
2話までは瑠璃の恋敵としか描かれていなかったが、3話にして話題の中心人物になってきた。
とくにストーリーを搔き乱しそうなのが未久の母・希美の存在。
希美は、かつて帝都病院の看護師をしていた。そして16年前、紗英の夫・英世と交際していたのである。
しかしそこに、当時記者をしていた紗英が現れ、英世の母の差し金もあって希美と英世は破局。
ここで気になるのが、
・未久には父親がいないということ。
・希美と英世は16年前に破局したということ。
・現在希美は、帝都病院に何かしらの病で入院中。おそらく生活に困り、16年ぶりに英世に「ご迷惑かと思ったのですが…。頼れる人はあなたしかいないの…」と電話したこと。
・未久は14歳であること。
これらの描き方から、未久の父親は英世ではないか?と暗にほのめかしているが、時系列的にはおかしい。
しかし何らかの関係があると思われる。
そしてさらに、未久は母・希美の入院費などをまかなうために、クラスメイトである加藤優馬の提出課題を代理で行い、優馬の母親から謝礼を貰っていたのだった。
しかし貰った謝礼だけでは足らず、優馬の母親をゆすったところ、その場面を紗英に見られてしまった…という衝撃的な展開だった。
未久の父親は英世なのか?
紗英は未久の秘密を利用して何をするのか?
どんどん面白くなっていきそうだ。
モラハラ夫との対立
そしてもう一つの衝撃は、二階堂杏子のモラハラ夫への反撃である。
2話までは、モラハラ夫・亘の言いなりでしかなかった杏子。
ところが、受験コーディネーターの九条が二階堂家を訪れた際、窓のない子供部屋を見た九条が「旦那さんは教育ではなく飼育をなさいましたね」と言い放ったことで杏子の心は変わった。
「このままでは息子の翔がおかしくなる」と、モラハラ夫から息子を守ることを決意。
そして夫の留守中にリフォーム業者を呼び、壁をたたき割り、息子の部屋に窓を作ったのだった…!というスカッと展開!
その後、帰宅した亘は激怒。すぐさま窓をなくすよう要求する。
しかし杏子はひるまず、「窓を元に戻すのは待ってください。翔が次の中間テストで10位以内に入れれば、窓はそのままにしてください」と懇願。
亘はしぶしぶそれを聞き入れることにした。
そして、中間テストで翔が念願の10位以内になる。
しかしいざ翔が中間テストで10位以内に入ると、「窓はそのままにしていいなんて約束はしていない。成績が上がった今こそ勉強に集中すべきだ!窓は元に戻す」と言い出した。
さすがモラハラ夫。
一瞬ヒヤっとしたものの、杏子はしっかりと約束した際の音声を録音していた。
そしてその録音を亘に聞かせ、「ご自分の発言には責任を持ってください」と一喝。
もうモラハラ夫にひるむことのない杏子なのだった。
この展開にはスカッとしまくり!
子供の心を守ることに全力の杏子さんが、ママ友の中で一番まともに思える。
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スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(4話)
後ろめたい秘密を握り合う
未久が同級生の加藤優馬の提出課題を代行していた秘密を握った紗英。
さっそく未久を学校から連れ出し、生徒会長選挙の立候補を辞退するよう未久を恐喝&買収。
中学生相手とは思えないほど冷徹な笑顔で恐喝する松下奈緒が怖すぎる!
急に未久が生徒会長選挙の立候補を取り下げたことを知った泉。
息子・青葉から「未久は立候補を辞退する前に、瑠璃のお母さん(紗英)と会ってたみたい」という事情を聞いていた泉は、未久は紗英に脅されて立候補を辞退したのではとにらんでいた。
そして泉は、紗英らによる忠告を無視してスカイキャッスルで起きた悲劇を題材にした小説を執筆し続けていた。そんな泉を制裁するため、紗英は「娘の瑠璃が生徒会長になることを祝って~」などと言って、泉と泉の旦那をパーティーに招待。
そのパーティーで紗英夫妻、美咲夫妻、杏子の旦那が、小説を書き続ける泉に対して「スカイキャッスルを題材に小説を書くな!」と猛批判する。
批判から逃れるために帰ろうとする泉を引き留め「逃げるの?」と挑発する紗英。
それに対して「これ以上小説の邪魔すると、私も何するか分かんないよ」と紗英にカウンターパンチを食らわせる泉。
泉の、紗英を見る死んだような目が怖い!
それぞれの秘密を握り合い、駆け引きするさまが傍から見ると面白い。
未久の本当の父親
3話で未久の父親が、紗英の旦那・英世なのではと匂わせていた。
未久の母・希美が亡くなり、希美の遺品から希美と英世のツーショット写真を見つける未久。
「もしかして英世が自分の父親なのかもしれない…」と勘繰った未久。
親戚もいない未久の面倒をみようとする泉に対して、
「でも男女で同じ家に住んでたら変な誤解をさせちゃうかもしれない。それは青葉に悪いし…」と言って断る。これは暗に女の子(瑠璃の)家なら問題ないんだけど…ということをほのめかしている。やはり未久はなかなか狡猾だ。
結果的に未久の思惑通り、「じゃあ瑠璃の家なら問題ないだろう!」ということで話はまとまり、瑠璃の家に住むことになった未久。
父かもしれない英世とどんなふうに未久が関わっていくのか見ものだ。
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(5話)
正義中毒の泉によって、紗英の嘘がスカイキャッスルの住人にバレる
再三忠告してるにもかかわらず、スカイキャッスルで起きた悲劇を題材にした小説の執筆を止めようとしない泉。そんな泉の執筆を止めるべく、紗英や美咲それから杏子の旦那・亘が中心となって、「執筆中止」の署名活動を始める。
週末にはスカイキャッスルの住人集会を開催することに。
その集会の場で、住人らが泉に対し、執筆を止めるよう迫るのだが、泉は「親の過度な期待が子どもを苦しめた。それによって悲劇が起こった。そんな悲劇を繰り返してはいけない」というようなことを言い、一歩も引かない。
しびれを切らした紗英がこう言い放つ。
紗英「大きなお世話だわ。子どもの将来のために親が情熱を注ぎ込むことの何がいけないの?母親は子どものことを24時間子どもの事ばかり考えて生きてるの。自分で子どもを産んだこともないあなたが、偉そうに言わないで?」
その言葉に対し泉は「産んでなくても私は母親です!大切な子どももいます!」と感情的になります。
そんな泉に対して紗英が冷静に応戦。
紗英「その子だってこの街で豊かな暮らしを謳歌してるんでしょう?それは、親が努力してこの街にたどり着いたからなの。どうして貧しい人のために批判されなきゃならないの?小説で名を上げるためで弱者の味方だ、いう免罪符を振りかざすのはやめてくれない?」
この言葉で完全にブ千切れた泉は最悪な一言を口走ります。
泉「そんな乱暴な理由で弱い人を切り捨てていいの?私は知ってます。親が運営する「若菜園」という施設の子どもたちがどれだけ大変な境遇か、それは、施設で過ごしたあなたが一番よく分かってるでしょ!!」
スカイキャッスルの住人たちの前で、紗英が施設の出身だということをバラしてしまったわけです。
思わず口走ってしまったとはいえ、やはり泉はなかなかヤバイ奴です。
もう言い訳はできないと思った紗英は、吹っ切れたように自分が今まで嘘をついていたことをすべて告白。
これまで嘘で築き上げてきた紗英の優雅な生活が崩れ始めるのでした…。
また泉は後日、冴島哲人(自殺した冴島香織の旦那)に会いに行き、冴島家で起きた悲劇を小説の題材に使用する許可を貰いに行きます。
そこで哲人から、「私と遥人にもっと責任を負えということですか?小説を世に出されたら私も遥人も満身創痍になります」と言われてしまった泉。
泉の正義中毒は恐ろしい。
真実を公表すれば、同じことを繰り返さない抑止にはなるかもしれない。しかし、真実を公表されて傷つく人たちがいるという想像ができないところが怖すぎる。
九条の狙いは「親」に対する復讐?
紗英の両親はハーバード出身のエリートで、今はアメリカにいると聞かされてきて、それを信じていた瑠璃。
実は紗英の父親が犯罪者であったことを知り、その事実と、今まで嘘をつかれていたことに大きなショックを受けます。
そこから瑠璃との間に溝ができてしまった紗英。
そんな時、九条は悩める瑠璃を思い?自宅マンションに泊めさせることにするのですが、そこで瑠璃にかけた九条の言葉が意味深すぎる…。
九条「私も母親が苦手でした。でも自立すれば自由になれる。これからは母親の言葉に従う必要はありません。親こそが使い捨てにされるべき存在なのです」
もしかして九条は「親」というものに対して何らかの恨みがあり、「親」が悲惨な末路を辿るよう復讐するために、受験コーディネーターになったのでは…?
果たして紗英はどうなってしまうのでしょうか?
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(6話)
九条の狙いは「母親」への復讐?
瑠璃に対して、「自立」を促す九条。
暗闇の密室で座禅をさせ、「母親から自立しなければ、あなたは合格できません。つらい時は母親ではなく私を頼って」などと語りかける姿はまさに”洗脳”。
そんな中、泉が再び冴島哲人のもとへ訪れたとき、九条に関する衝撃的な事実を知る。
なんと5年前にも、九条が受け持っていた受験生の母親が自殺していたのだ。
しかもその子も、九条によって「親からの自立」を洗脳されていた可能性がある。
「親から自立して私に頼って」という言葉を聞いたとき、一瞬、九条は受験コーディネーターという形を通して子どもの「母親」になり代わりたい願望があるのかとも思った。
しかし以前、母親が自殺したショックで「先生、僕はどうすればいいですか?」と言って九条にすがってきた遥人に対して「それはあなたの問題よ。自分で考えなさい」と突き放していた。
それを考慮すると、九条が「私を頼って」と言って頭をなでたり甘やかす素振りを見せるのは、子どもに対する母性からではなく、「母親」から子どもを自立させるための手段でしかないのでは?
九条の真の目的は、母親を地獄に落とすことなのではないだろうか?
心から愛情を注いできた我が子から、いきなり「あんたなんかいらない」と突き放されたら、母親は激しいショックを受ける。それこそ場合によっては5年前のように、または冴島香織のように、自死を選ぶほどの強いショックを。
子どもたちは、「母親」を陥れるためのただの捨て駒としか思ってないから、遥人に対して非情な対応ができるのではないだろうか?
どんどん魔性の女になっていく未久
一方で、浅見家に入り込んだ未久は、「お母さん、わたし幸せになるからね」と言って、やりたい放題しはじめる。
・勝手に家の中を徘徊
・勝手に瑠璃の部屋に侵入
・瑠璃が誕生日プレゼントとして英世から貰った時計を盗む
・未久の母・希美と英世のツーショット写真が挟まれてる絵本がしまってある引き出しに、盗んだ時計を一緒に入れる
紗英は、「瑠璃の時計を盗んだのは未久では?」と思い当たり、時計を探すため、未久の部屋へ侵入。
そこで、引き出しの中から時計とともに件の写真も発見。
驚いた紗英は、すぐさま未久と英世のDNA検査をする。
やがて結果が届き、未久は英世の実の子であることが判明。
紗英の一連の行動は、すべて未久の思惑通り。
まんまと未久の手のひらの上で踊らされていたわけだ。
さらに未久は、瑠璃の部屋に忍び込んだ際、九条が用意したテストの予想問題を発見しスマホで撮影。
それの予想問題をもとに勉強する未久。
後日行われたテストで、500点満点をたたき出す未久。
もちろん瑠璃は、未久が予想問題を盗み見た事実を知らない。
「居候に負けちゃったね♪」って瑠璃に言っちゃうあたり、瑠璃に勝るとも劣らない嫌な奴になっちゃってますよ!未久!
さらに未久は、青葉のことが好きな瑠璃に対して、「青葉のこと好きなの?でも青葉はそうでもないみたいだよ」と報告。
これはもう完全に悪女の所業ですよ。
気に食わない瑠璃の自信を徹底的にへし折ってやろうとする執念。
「英世は自分の父だ」と認めさせ、浅見家の一員になってやろうとする執念。
未久は執念によって、どんどん魔性の女になっていく。
そこにはもう、”どんなに貧しくてもお母さんがいれば幸せだよ”と言っていた、ピュアで心優しい未久はいない。
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(7話)
可哀想なのは未久か?瑠璃か?
大人たちに翻弄される未久と瑠璃。
浅見家に潜入するまでは、貧しいシングルマザー家庭で育ち、父親の存在も知らない未久が圧倒的に可哀想な立場だった。
しかし浅見英世が自分の実の父親と知り、浅見家に潜入してからの未久は、
紗英に対しては「私と瑠璃が異父兄弟とバラされたくなければ、もっと大事にしてよね?さもないと、私何するかわからないよ?」と脅しをかける。
瑠璃に対しては、青葉とキスしている所をわざと見せつけたうえで、「青葉が私の誕生日会を開いてくれるって。瑠璃も来る?」と挑発。さらに「あなたのお父さんが私のお父さんなの」と口を滑らす始末。
未久が異母兄弟という事実は、瑠璃にとっては青天の霹靂。
母・紗英が犯罪者の子どもで施設育ちを隠していただけでなく、父親までもよそに子どもをつくるような男だったと知らされた瑠璃は大きなショックを受ける。
それまでの両親から惜しみない愛を受け、何不自由ない暮らしをしていたのが一変。もはや父も母も信用できなくなってしまった瑠璃の方が、大人たちに翻弄されて可哀想に思えてきた。
しかし最後の最後で未久は地獄に突き落とされる。
何者かによって突き落とされた未久は病院に運ばれ、父である英世が手術をしてくれようとした。しかしその時、病院の不正行為を隠蔽するために便宜をかけてきた東原政務官の息子が交通事故に遭い、帝都病院に運ばれて来る。
英世は迷うことなく、先に来ていた重症の未久を切り捨て、東原政務官の息子の執刀に向かってしまった。
実の父親に見捨てられた未久は不憫でならなかった。
未久を突き落としたのは九条の秘書?
そしてこれは予想だが、
瑠璃の後をつけ九条の事務所に向かった未久は、そこで「予想問題集の不正疑惑」をネタに、九条をゆすったのではないだろうか?
しかし未久が提示した条件を九条が飲まなかったため、自身の誕生日会の場で「瑠璃の受験講師が作る予想問題集。なぜあんなにヤマが当たるのか?そのからくりを発表したいと思います」などと言い出したのではないだろうか?
青葉が「やめとけよ。学校にバレたら大問題になるぞ」と、未久のリークを止めたので、瑠璃たちに真相が伝わることはありませんでした。
しかし未久はなおも瑠璃に対して、「そうよね。勉強だけが取り柄の瑠璃が受験に失敗するとか、あんまりみじめだもんね」と挑発的な言葉を投げかけます。
未久の言動に腹が立った瑠璃は、席を外してすぐさま九条に連絡。
怒りのままに「許されるなら、この手で未久を殺してやりたい」と九条に伝えます。
九条はこの時、自宅で酒を飲みながら瑠璃と電話している様子でした。
ということは九条が未久を突き落とすことは不可能。
未久は突き落とされる直前、相手を見上げるようにしていました。つまり未久よりも背が高い人間。
さらに、未久は相手を見ても驚くことも怖がることもせず、笑顔でした。つまり顔見知りであり、未久のもとに来ても特別違和感のない存在。まあ来るかなと思っていた存在。
九条の秘書を務める男。
未久は「予想問題」について触れ、わざと瑠璃を焚きつけました。
おそらくそれは、九条に対して「私は本気で暴露するぞ」と間接的に伝える未久なりの戦略だったのではないだろうか?
そして、未久のもとに九条もしくは九条の秘書から「会って条件について話したい」などの連絡があり、提示された条件を飲む旨を伝えられると期待していたため、相手が来た時に満面の笑みだった…?とか。
さらにここで疑問なのが、未久が転落したと同時に、東原政務官の息子が交通事故に遭うなんて偶然があるのだろうか?
もしかしたら、それも九条が仕向けたことなのでは?
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(8話)
九条の思惑
英世が出世のために、東原政務官の息子を優先して処置したことで、手術が遅れ未久が亡くなった。
瑠璃は事故があった時間にアリバイがないことなどから、未久を突き落とした嫌疑がかけられる。
紗英は英世に「未久さんはあなたの子どもなのよ」と真実を告白したことで、「どうして黙っていたんだ!君がそうやって隠し事ばかりするからいつも…。真実を知っていれば、未久を見殺しにすることはなかったのに!」と、英世から責任を押し付けられる。
まさに浅見家は崩壊。
そんな中、瑠璃のケアをするという名目で、九条が「瑠璃さんはこちらで預からせていただきます」と、瑠璃を浅見家から引き離す。
両親に対して不信感を募らせている瑠璃に対して九条はこんな言葉をかける。
九条「あなたが自分の人生を生きていきたいのなら、ご両親と決別するしかありません。ご両親に深い絶望を抱かせることが、そのための唯一の方法であり、同時にそれは、子度見深い傷を負わせた彼らへの復讐を果たすことにもなります」
瑠璃「自分はどうすれば?」
九条「まずはあなたが努力して、帝都医大付属へ合格する。彼らに最高の喜びを与えたあと、あなたは入学を辞退し、家を出て自分の人生を始める。ご両親を幸福の絶頂から地獄の底へ突き落すんです」
実は同じ言葉を、冴島遥人もかけられていた。
受験当時の遥人もまた、両親に対して不信感・不満を募らせていたのだった。
しかし、親への不信感・不満を募らせるのは偶然ではなく、九条の策略。
九条は受け持つ子どもたちを、「親はあなたにとって邪魔者でしかない」と洗脳していく。
そうして徐々に親への不信感・不満が溜まった子どもにとって、”九条だけが頼り”の状態になる。
彼らがもはや九条の言葉しか耳に入らなくなった時、”トドメ”として、先の言葉を投げかけるのだろう。
やはり九条の目的は、
自身が果たせなかった”親”への復讐を、同じような境遇の子どもたち(お金持ち&教育熱心な両親を持つ)を通して、代わりに果たさせること」なのではないだろうか?
邪魔者は徹底的に排除
九条が冴島家の悲劇を引き起こした犯人であると確信した泉は、九条に直接「なぜ、家庭を崩壊させるために子どもたちを洗脳しているのか?」ということを問う。
黙ったまま何も答えない九条に向かって泉は、「あなたが答えないなら小説であなたの罪を世に問います」と脅す。
九条にとって邪魔な存在となった泉。
ここからは予想だが、
泉を黙らせるために九条は、買収した”ニセの目撃者(スカイキャッスルの駐在員)”に、「泉の息子・青葉が、未久を突き落とすところを目撃した」などの嘘の目撃情報をでっち上げさせたのではないだろうか?
愛する息子が無実の罪を着せられたとなれば泉は強気ではいられなくなる。
さらに青葉の無実が証明されれば、再び瑠璃に未久を突き落とした嫌疑がかけられる。
それは紗英にとっては好ましくないこと。
泉を排除したうえで紗英に圧力をかける。
まさに一石二鳥。
青葉に罪を着せることになんら躊躇がない九条であれば、予想問題の件で九条を脅しに来たと思われる未久を殺すこともいとわないはず。
やはり未久を突き飛ばしたのは九条の秘書ではないだろうか?
スカイキャッスル ネタバレ!感想レビュー(最終話)
すべての真相
おおかた予想通りだった。
★未久を突き落としたのは、九条の秘書。ただし、故意に突き落としたわけではなく、テスト問題の横流し映像が入っている未久のスマホを奪おうとして、勢い余って突き落としてしまったらしい。
★九条が、親という存在に地獄を味あわせたいと思うようになったのは、九条自身もまた中学生時代、母親に帝都医大付属への進学を強要されていたことへの恨みからだった。
ただし親への復讐ではなく、九条の偏った正義感からやったことだったそう。
親自身の虚栄心を満たす道具として使われている哀れな子どもを救うべく、子どもを自立させ、親を絶望に突き落とす必要があると思っていたそうだ。
見栄や虚栄のために嘘をつくことよりも、大事なのは真実を語ること
紗英は、未久を突き落とした罪が再び瑠璃に向かないよう、証拠となりそうな未久のスマホを壊して捨てたことを隠していた。
瑠璃のためには青葉に無実の罪をかぶってもらうことも仕方ない…とまで考えていたが、その話を聞いていた瑠璃と真珠が「青葉が可哀想。青葉を助けて」と紗英に訴えかける。
そして真珠が未久のスマホを紗英に渡す。
紗英が壊して捨てたはずの未久のスマホ。
実は真珠は、紗英がスマホを壊している場面を目撃していた。
翌日、そのスマホを紗英がゴミ捨て場に捨てるところを確認した真珠は、すきを見て壊されたスマホを持ち帰っていたのだった。
真珠ファインプレイ!
紗英は瑠璃に「未久さんのスマホの中には、予想問題の横流し映像が残されているの。それがバレれば、今まで頑張ってきた瑠璃の努力は水の泡になるかもしれない」というようなことを伝えます。
予想外の事実を知った瑠璃は動揺し、「…それは九条先生に相談してから…」と、九条にすがろうとする。
しかし紗英は逃げようとする瑠璃を掴み、「彼女に頼っちゃダメ!これは自分の意志で決めなくちゃいけないことなの!」と、瑠璃を𠮟りつける。
この時初めて、紗英の母親らしい姿を見たような気がする。
都合の悪いことがあったら嘘をついて逃げるのではなく、苦しいことが待ち受けようとも、真実を語り果敢に立ち向かわなくてはいけない。
そしてそれは、誰かに促されてやるのではなく、自分の意志でやらなければいけない。
紗英が瑠璃に大切なことを教えている姿に感動してしまった。
話数が短いため、人間関係の変化が急に雑に見えた
原作の韓国版は20話あったが、この日本版はたったの9話しかない。
9話の中で物語を完結させなくてはいけないためか、人間関係の変化や、個人の心の変化が急激に雑に描かれているような印象を受けた。
・最終回にして急にセレブ妻たちが和解し合い、協力しはじめる。
・瑠璃が急に物分かりの良い娘になる。
・英世が急に聖人君主になる。
・九条が急にしおらしくなる。
・九条の秘書や、買収したスカイキャッスルの門番があっという間に自首してしまう。
それまで、見栄や虚栄に心を蝕まれていた金持ちたち。
それによって巻き起こる人間関係のドロドロが面白かったが、最終回ではいままでのことが嘘のように、一気に登場人物たちが、物分かりの良い普通の人に変わってしまった。
「そんな簡単に心変わりできるんだ~」という暖簾に腕押し感が否めない。
せめて12話くらいまでにして、もう少し人間関係の変化、心の変化を丁寧に描き込んでくれれば最高のドラマになったのになぁという気持ち。
スカイキャッスル まとめ
親の成長物語なのだと感じた。
見栄や虚栄のために、小さな嘘を重ねたり、自分の気持ちをひた隠していても、それは本当の意味での成功者でも大人でもない。
虚栄はいつか壊れる。
壊れたとき、状況がこれ以上悪くならないようにと、さらに嘘をついてダマしてしまったら最後。もう誰も信頼してくれないし、だれも助けてはくれない。
本当の成功者、大人とは、見栄や虚栄はほどほどに、自分の気持ちを適度にさらけ出し、人間らしく生きていける人のことであると教えてくれるドラマだと思う。
最終回での人間関係や個人の心の変化が雑に描かれすぎて残念だが、8話までは確実に面白いドラマだった。
1 件のコメント
初めまして、こんばんわ、みやちゃん!
只今、「Sky Castle〜上流階級の妻たち〜」の日本・松下 奈緒ちゃん版を観ています。昨日からBS Japanextで韓国・廉 晶雅ちゃん版が始まりましたね。韓国版は他のBSで数年前に観たから、放送局を変えて再放送ですね。CSで「三食ご飯 山村編」も部分的に観ましたよ。
日韓比較をしての色んな意見がある様ですが、合格祝いのパーティーなんかは、どう見ても韓国版のほうがスケールが大きいですね。美女オーケストラがいたり、candleが炊かれていたりと。
日本版って1クール10話程ですよね?韓国は特に時代劇で長い話数になれていますが、韓国版は倍近い話数ですから、日本版は、どうしたって詰め込み型の凝縮版になりますよね。
また、お邪魔させていただきます!