
銀のお母さんは、村の男たちに廻されていた慰め者だった…。銀は「汚れた血が流れている」と、村人たちから酷い扱いを受ける。
そんな壮絶な後藤銀の過去が明らかにされていく『ガンニバル:シーズン2』第5話の、ネタバレあらすじ解説と感想をまとめてみました!
もくじ
『ガンニバル:シーズン2』第5話ネタバレあらすじ解説
後藤家と供花村の住人
1949年。
来乃神神社宮司・神山正宗と、その息子・正宗は後藤家の屋敷にやってきていた。
その年の供花村は不作だったため、村人たちは飢餓に苦しんでいた。ところが、林業で財を成した後藤家は、村が苦しむ中でも悠々自適に暮らしていたのだった。
村人たちは、後藤家に物資を譲ってくれるよう話をつけてくれと吉宗に頼んだ。というのも、吉宗の口利きのおかげで、後藤家は潤ったという経緯があったためである。
後藤家は先代の当主・定が亡くなったあと、横暴な振る舞いをする金次が新しい当主となっていた。
銀の出生、生い立ち
銀の母親は、村の男たちの慰め者だった。そのため、銀の父親は誰なのかわからない。後藤家の先代当主・定の子どもとして後藤家に迎え入れられたため、銀は後藤家の人間の誰とも血の繋がりはない。
銀は、後藤の新しい当主であり、義理の兄・金次から日常的に性的虐待を強いられていた。
また村人たちは銀のことを、”村の慰め者だった母親の血を引く汚れた者”として憎んでいる。そのせいで、後藤家に迎え入れられる前の銀は、村人たちから殴られたり、石を投げられたりしたらしい。
村人たちを心底恨んでいる銀は、何の目的か、宮司・吉宗の子である正宗に近づく。
銀の色恋に、正宗はまんまと虜となってしまう。
銀と正宗
何度もまぐわった正宗と銀。
奉納祭の日、銀は正宗に「子どもができた」と告げる。むろん、後藤家の人間から性的虐待を受けていた銀は、「誰の子かはわからない」と言う。
しかし正宗は「二人で村を変えて新しい世界をつくろう」と言って銀の手を取り、奉納祭を抜け出して山の方へ向かった。
人気のない場所で語り合う二人。
銀いわく、銀のお母さんは来乃神にささげられたらしい。「村で廻していた女に子供ができて邪魔になって殺されたのかも」と正宗に話す。
正宗は「村の人間は卑怯者ばかり。弱いから、日ごろからさげすむ相手を探している」と、村人たちを酷評する。ちなみに後藤金次も供花村の人間は卑怯者ばかりと語っていた。
二人が抜け出すのを見た村人の男(ほっしゃん)が、二人のもとへやって来た。男は、持っていたクワでいきなり銀を殴る。
とっさに止めに入る正宗。揉む合う二人。男が落としたクワを手にした銀は、それを力の限り男に向かって振り落とす。飛び散る血。銀は何度もクワで男の体を刺しえぐる。
人を食う民族「かしはべ」
あとからやって来た村人たちに見つかり、銀は取り押さえられる。
銀は「うちが殺した。あんな気持ち良いことは初めてじゃあ!」と壊れたように笑いだす。村人たちは銀を殴り蹴る。
見かねた吉宗が仲裁に入ると、「殺すんじゃのうて、来乃神に捧げる。この子の母親のように」と言い出す。
銀が言っていたように、銀の母親はその昔、来乃神に捧げられたのだった。
来乃神が現れるという禁断の森の中で、拘束された銀。そこへやって来る謎の集団。
銀は彼らを”かしはべ”と呼んだ。人を喰らうという”かしはべ”とはいったい何者なのだろうか?
『ガンニバル:シーズン2』第5話の感想
後藤銀が供花村を恨むのもわかる気がしてきた
毎年、村の子どもを”あの人”に捧げる。それは、供花村に対する後藤銀なりの復讐なのではないか?来乃神神社の宮司・正宗の話を聞いたらそう思わずにはいられなかった『ガンニバル:シーズン2』第5話。
村の男たちが、慰め者として廻し合っていた女性から生まれたのが銀だったというのも、現代を生きる僕からすると到底信じられない話。村人たちは銀のことを、「汚れている」と殴り蹴り、石を投げつけていたっていうのも衝撃。率直に最低だなと思う。
正宗も「村の人間は卑怯者ばかり。弱いから、日頃から”さげすむ相手”を探してる」と言っていたけど、得てして人間というのは、いつの時代も、自分より格下と思える人間を作りたがるのかもしれない。そのうえ、自分に火の粉が飛んでこないことばかり気にしている。
学校のイジメも、SNSでのリンチも似たような側面があるように思う。酷い場合は、弱い者や異端者は攻撃しても構わない。排除しても構わない。そうなることだってある。
「汚れた血が流れてる」と言われ、村人たちから殴られ蹴られてきた銀がそう。来乃神に捧げるという名のもとに、飲食も与えられず山の中に放置され亡くなった銀のお母さんなんかもそうだろう。
イジメなんかは、攻撃した側はすぐに忘れるものだ。でも攻撃された側は一生忘れない。忘れられない。
だから、供花村の人間が産みだす子どもから毎年一人さらい、”あの人”に捧げるという後藤銀の行為は、村人に対する復讐。自分の憎しみを昇華するためには、そうするしかなかったのではないだろうか。
そう考えると、後藤銀の行いに納得することもできる。もちろんいけないことだけど。
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