「青春18きっぷ」で福島県へ一人旅してきました。その体験レポート後編です。
前編で訪れた「猪苗代」を後にして、「会津若松」「郡山」そして「本宮」へと電車でゆるゆる移動していきます。
この記事を読んで「一人旅って面白そう」と思ってくれたら嬉しいです。
もくじ
「青春18きっぷ」で会津若松へ行く
猪苗代でランチを食べ終えると時刻は13時40分。このあと13時58分に「会津若松ゆき」の電車が来るらしい。「猪苗代」から「会津若松」までおよそ30分ほどか。せっかくだし「会津若松」を目指すことにしよう!
畑の香りが心地よい、のどかな「猪苗代」に後ろ髪を引かれつつ、電車に乗り込みます。
入れ違いで大量のじいちゃんばあちゃんが「猪苗代」で降りていきます。きっと観光バスか何かが待っているんでしょう。後で調べたら「猪苗代」は湖やハーブ園などが有名らしく、リステルホテルという素敵なホテルもあるのだとか。駅前の静かさからは想像できないけど、中高年層には人気のスポットらしいのです。そういえば野口英世のふるさととしても有名みたいです。
猪苗代駅を出た後も、また自然の中を走ります。
観光だけじゃない!子育て支援・就労支援にも果敢に取り組む「会津若松」
会津若松に近づくにつれ、辺りはすっかり「街」の雰囲気になってきました。
会津若松駅に到着。駅では赤べこがお出迎え。
観光地として有名な場所だけあります。観光案内版が設置されていたり、観光地を回るバスが周遊していたりと、旅行者にとっては至れり尽くせり。会津若松駅の駅舎もお城のような外観で、おもわず写真を撮りたくなる風体。
撮っちゃいました。
さて、駅から少し離れてみます。
おー道路がきちんと整備されていて車通りが多い。それに人通りもある。
僕のように観光で来ている人もいますし、下校中の高校生とも良くすれ違います。さきほどの猪苗代ののどかな雰囲気が嘘のようにちゃんと「街」です。それでも、建物の向こうには山々がしっかり見えるから、「田舎街」という感じもする。
まさに「街」と「田舎」のハイブリッド!
じっくり観光したいけど、「会津若松」から「郡山」へ戻るのに1時間以上かかるため、ここで長居するわけにはいかない。もし長居してしまったら、日帰りで東京に帰れない。
ここはさっと駅付近を散策しよう。
大通りから一本入った道には、ずらーっと商店が並んでいます。食事処や喫茶店に観光案内所など、観光客には嬉しいラインナップ。あと、そういうものとは別に、子供の預かり場所らしき施設・スペースもよく見かけました。それと就労支援の施設なんかもありました。
あとで調べて見ると、会津若松は子育て支援に力を入れているみたいです。素敵!
「パーラーキャンドル」のバナナジュースでひと休み
それにしてものどが渇いた。
4月の上旬ともなってくれば気温も20度を超えてくる。歩き回っていたら少々暑くなってきました。喫茶店にでも入ろう。
そんな時に出会ったのが「パーラーキャンドル」さん。
ウルトラマンのような不思議な人形が入口に立っているの特徴です。
お店に入ると、腰のひく~いおっちゃんマスターが「いらっしゃいませ~」とお出迎えしてくれました。
年季の入った店内。なんだか、おじいちゃん家のような匂いがして懐かしい。
ところでこのお店、なんだかとても不思議です。
まず、入り口ドアを開けると、すぐ右手に冷蔵庫が置いてあります。冷蔵庫って普通はキッチンに置いてありそうなものだけど。
それと、カウンター席の背もたれが、”ポール”になっています。昔の喫茶店では普通なのでしょうか?僕は見たことがないので不思議です。
先客1名は、そのポールにもたれて座っていました。
さすがに15時ということもあって先客はその1名のみ。お店の奥には半地下・中二階のフロアがあるけど、この時間は電気が消してあるので、使ってないようです。
メニュー表がずいぶんくたびれています。潔癖症な人はご注意ください。
「のどの渇きを潤したい。できれば喫茶店らしいメニューがいいな。」と思っていたら”バナナジュース”を発見!のどを潤してくれるかは怪しいけど、喫茶店っぽい。これにしよう!
おっちゃんマスターは、バナナを切るところからしっかり手作りしてくれます。(市販のバナナジュースを注ぐだけじゃなくて良かった!)
と、ものの数分で完成。
いただきます。
わー!久しぶりにバナナジュース飲んだけど美味しい。
子供の頃に母や姉と作ったバナナジュースを思い出す。たしかあの時は、バナナの他にヨーグルト、牛乳、砂糖、氷を入れてたっけな。たぶんこのバナナジュースもそういうものが入っているんだろう。絶妙な味のバランスで、すっきりしていて美味しいです。
あっという間に飲み干してお店を後にします。
会津若松の滞在時間はたったの1時間。それでも会津若松の暮らしの様子を見ることができたし、パーラーで懐かしい気分も味わえたのでとっても満足。
来てよかった。
「青春18きっぷ」で行く!本宮駅
「会津若松」から「郡山」に戻ってきました。
時刻は16時30分。
もう少し福島にいても大丈夫そう。どうせなら「会津若松」とは別方面で福島県の奥に行ってみようかな。
調べて見ると、ちょうど「福島駅」方面の電車が出るみたい。ここは乗ってみよう!「青春18きっぷ」はJR線を乗り降りし放題です。こういう時は躊躇せず乗り込む。
「福島駅」まで行こうと思ったら1時間はかかってしまう。さすがにそこまで行ったら東京に帰れなくなってしまうので、途中にある普通の駅で降りてみよう。「猪苗代」のように、観光地や都市とは違った面白さがあるかもしれない。
普通の駅とは言っても、ついつい場所を選んでしまう。
工場が近くにある駅だと、お店もなさそうだし…。ここは住宅街って感じじゃないし…。ここで降りても本当に何もないかも…。と、駅を次々見送ってしまった。さすがに折り返す時間を考えたらいつまでも決めないのはまずい。
えい!もう次の駅で降りる!!
住宅街「本宮駅」で福島の人の暮らしを感じる
降り立ったのは「本宮」という駅だった。
通過してきた駅の中では「駅舎」が大きめ。乗降者数も多い。福島県のベッドタウンといったところだろうか。想像していたような住宅街だったので一安心。
駅改札には、定期券を作るために高校生が数人並んでいました。懐かしい。そういう時期か。
「本宮駅」の周辺が、僕の地元に似ている(埼玉県北東部です)。閑散とした感じに親近感。
とりあえず駅の周辺をぐるっとしよう。
大きいビルも高層マンションもない。一戸建てや築年数30年くらいのアパートが多い。うんうん、やっぱり地元に似てます。こういう街、落ち着くんです。
のんびり歩いていたら、右手の古びたアパートから、髪ぼさぼさで無精ひげのおじさんが勢いよく出てきた。くたびれたTシャツに短パン、サンダルを身にまとい、ボッコボコにへこんだ軽自動車に乗り込む。そして、うしろなんか確認しない勢いでバック。からの急発進。引き殺されそうになった。
落ち着く街並みだけど、けっして穏やかな人ばかりではないのね。
なんとなくぶらついていたら、大きめの通りに出た。
あ、向かいに和菓子屋さんを発見。小腹も空いたし、ちょっと甘い物でも買おう!
「きねや」のいちご大福は小粒で甘酸っぱい!
「菓子処 きねや」さんは、和・洋菓子のお店です。カフェスペースもありました。
色々あって迷います。
ここは「いちご大福」にしようかな。
サクッと買って、食べる場所を探していたら、川が見えてきました。「阿弐隈川(あぶくまがわ)」というらしいです。宮城県まで繋がっていて、東北地方で「北上川」に次ぐ長さの川なんだとか。
ちょっくら座って「いちご大福」を食べよう。
いただきます。
お、いちごが酸っぱい!そして小粒だ。
なるほど。いちごの大きさに合わせてるから、大福が一回り小さいんだ。
白あんの甘さがあるから、いちごの酸っぱさがちょうどいい!
川が流れる向こうには民家が並んで、その奥には山々がある。なんていい景色なんだろう。両脇にある橋の交通量の多さだけが、”のどかさ”をかき消すけど。
地方は車社会だからね。現実はそんなに”のどか”じゃないです。
さーて、夕飯はどうしようかなぁ。あ、そういえば終電って何時だろう…。
え?!次に来る郡山駅ゆきの電車が終電?!
しかもあと5分?!
旅とは案外忙しい。僕は今、本宮の街を駆け抜けている。まさか福島県で走ることになるとは思わなかった。
駅に到着すると、さっきまで2~3人くらいだった定期券を作る高校生の列が、30人くらいの行列になっていた。
嘘だろー!さすがにこんな行列に並んでいたら終電に乗り損ねる!
そんなわけにはいかないので、高校生の脇から改札窓口に向かって「青春18きっぷです!!とーります!!」と声を張り上げた。
恥ずかしい。
「あ、ああ、どうぞー」と駅員さんが、若干引きぎみに通してくれました。
こんな大人が横切ってごめんよ、高校生たち。でもなんとか終電に間に合ったよ。
東京へ帰る電車は、窓の外が真っ暗すぎて景色が全く拝めなかった。なので福島旅の思い出はここまで。
いいだったな。今度は「いわき」の方も行ってみたいな。
「青春18きっぷ」で行く!福島一人旅まとめ
僕のぶらっと一人旅なんてこんなもんです。
「猪苗代」に行ったけど、湖もハーブ園も山登りにも行かず、かつ丼だけ食べて終わったり。
ちょっと時間あるし、と思って会津若松に寄ったけど、観光スポットを一つも見ずに、パーラーでバナナジュースを飲んだだけで帰ったり。
たぶん人から見たら「なーんだ旅ってもこんなもんか~」って思われそうなことばかりです。
でもね、僕にとって旅はそういうのがいいんです。
何か見つけたようで、何も見つけられない。いや、何かは得た気がする。そのくらい気楽で自由で。
今回は福島という地域で暮らす人々の生活を垣間見れたし、過疎化の進む地域の様子と、そんな現実に負けじと踏ん張ってる様を感じられたので大収穫。
(おわり)
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