「青春18きっぷ」で行く一人旅第3弾です。今回は福島県まで行ってきました。
東京から片道4時間30分ほどで行ける福島県。福島県の南側にある都市「郡山」を拠点に、会津若松方面や福島市方面にも足を延ばしてみました!
この記事では、「青春18きっぷ」を使った気ままな一人旅をお話していきます。
もくじ
「青春18きっぷ」で行く、人生初の福島県!
僕は福島県に行ったことがない。
正確に言えば、新幹線で通過したことはあるけど、降り立ったことがない。
東京から普通列車のみで行っても、片道4時間半程度で行ける距離にある福島。これは「青春18きっぷ」を使わない手はない。どうせなら1泊しようかな?
こうして「青春18きっぷ」4回目の行先は、「福島県」以外考えられなくなった。
一人旅は自由気ままで楽ちん!
福島旅当日。朝5時30分。
起きて早々スマホを開く。そして天気予報を確認。今日の夜~明日まで雨予報。く~!90%は確実に降るよなぁ。あーあ。せっかく1泊するのにずっと雨の中散策するのはイヤだな…。
決めた!1泊するのはやめよう!弾丸日帰り旅するぞ!!
と、急遽予定変更。
日帰りで福島ってことは、電車往復12時間の旅…。まあ、あまりにも福島が素敵で泊りたくなったら泊まればいい。福島には、優秀なネットカフェ「快活クラブ」もあるみたいだから、急に泊りたくなっても大丈夫。
一人旅じゃなかったらこんなアバウトな旅できない。
それにしても旅ってやつは人を健康的にしてくれる。だって今5時30分だよ?いつも10時くらいに起きてる僕がこんな早起き。とはいえ夜更かしは相変わらずしているので、睡眠時間は3時間ほどですけどね。正直とっても眠いです。
日帰りにすると決めたし、シャワーは浴びなくていいか。テキトーな服に着替えて、パンを口に放り込み、必要最低限の荷物だけ持って駅へと向かった。
気楽な一人旅なんだから、近所のスーパーに行くような気分でOKなのです!
福島県は「郡山」を目指します。
まずは宇都宮線で「宇都宮」に行きます。
実は僕、実家に帰るとき、この宇都宮線を利用している。そのため、電車に乗ってからしばらくは、見慣れた景色が続く。
いや~それにしても下り電車だから全然人がいなくていいなぁ…暖かいし…あーねむ…ぐぅ…。
電車の心地よさに寝不足が勝てず、ふっと意識が飛んでしまったようです。気づいたときにはもう「宇都宮駅」だった。おお、やってしまった。せっかく宇都宮までやって来たのに、今のところまったく旅って感じがしない。睡眠不足が解消されただけじゃん。
「宇都宮駅」で電車を乗り換え、続いて「黒磯」を目指します。
ここからはしっかり起きて、「旅」を味わうぞ~!!と気合を入れる。
福島を目指す車内は、じいちゃんばあちゃんが多かった
乗り込んだ電車の乗客数が思いのほか多い。栃木だからってなめていた。いつもこんなに混んでいるのかな?と思っていたら、後から乗ってきたOLが「今日は混んでますねぇ」と上司らしきおじさんと話していたので、おそらく今日は特別混んでいる日のようだ。
見たところ旅行者の割合が多そう。なにかあるのかな?
ところでこの電車内、じいちゃんばあちゃん率が異様に高い。ついで中高年層が多くて、20代は数えるほどしかいない。この車両はまさに、現代の少子高齢化社会そのものだ。そして、じいちゃんばあちゃんの香りが車内に立ち込めている。
と、そこに白人のイケメン外国人がひとりで乗り込んできた。
リュックを背負ってるし観光かな?このへんって観光する場所あるの?…って、これから同じ方面に向かう僕が言うのもなんだけど。
じいちゃんばあちゃんで満たされた電車に揺られること十数分。白人イケメンは「矢板駅」というところで降りて行った。
ますます何しに行くのか気になる。「矢板駅」周辺に外国人が目指してしまうスポットなんてあるのか?失礼だが、とてもそうは思えない。
んー気になる。けど僕は栃木県には何度となく来ているわけで、ここで降りるのはちょっと…。
やっぱりここは初めての福島県を優先しよう。
イケメン外国人を見送った後、しばらくして「黒磯駅」に到着。
乗り合わせていた乗客のほぼほぼ全員が、そっくりそのまま別ホームへ移動して、東北本線の「新白河」ゆきに乗り換える。僕もその流れに乗って移動。
「黒磯駅」は那須塩原市。
ここまで来るとだいぶ自然豊かになってくる。やっと旅という雰囲気で気分が上がる。そういえば那須塩原といえば、幼い頃スキーをするためによく車で連れて来られたなぁ。ってことはつまり、ここらへんはスキーができるような標高の高い山がある場所ってことか。そりゃあ自然豊かなわけだ。
「新白河」に向かう電車から見える景色がたまらなく素敵だった。
停まる駅停まる駅、ホームがもの悲しい雰囲気で、まるで秘境駅の風情。それに、山を抜けているのかってくらい視界が雑木林ばかりになってきた。人家もほぼない。曇天のせいで10時なのに薄暗く、なんだか寂しさを感じる。
やっと視界が開けた!と思ったら、小さな街が山々に囲まれている場所に出た。「山」といっても、駆け上ればすぐ頂上に到達できそうな小高い山。そうだな、ちょうど「ドラえもん」に出てくる裏山サイズってイメージ。あ~もしこの街で僕が育ったら、確実に裏山を駆け回って遊んでいただろうなぁ。
いいなぁ那須塩原市。
もうここらで降りちゃおうかな?なんて気持ちがよぎったけど、せっかく時間をかけてここまで来たのだ。もう少し行ったら福島県。とりあえず福島県に降り立とう。
何度となく「降りてしまおうか」という誘惑に打ち勝ち、ようやく福島県に突入!
そのまま「新白河」で乗り換え、「郡山」を目指します。
なんだかこの区間はだいぶ「街」の雰囲気。栃木県を横断していた時の方がずっとローカル感が満載だったな。「新白河」からは、わりとあっさり「郡山」に到着。
”街”の雰囲気に相反して、閑散としている「郡山」
うーむ。「福島県に行く」という一大目的はすでに達成されてしまった。
正直、その目的以外行きたいところや、やりたいことを持ち合わせていない…。
ん~、これからどうしよう。
それに、郡山駅周辺はだいぶ「街」という風情で、「福島県に来たぞー!」という感じがしない。僕の中の「福島県」のイメージはもっとローカルっぽい感じなのだ。
まぁでもとりあえず、駅前にある商店街なんかをぶらついてみようかな。
閑散としている…。
時刻は11時50分。平日の昼間…。
商店街に全く人が歩いてないってことあるのか。
それにしても曇天のせいでアーケード下が薄暗くてやや怖い。飲食店も大かたシャッターが閉まっている。それになんだか空テナントが目立つ気がする。
夜になればもう少しにぎやかになるのかしら?
それにしたって人がいない。寂しさを感じる。
もともと「商店なんかがない住宅街」に人が歩いてないのは寂しく感じない。
でも、こうして「商店が立ち並ぶ駅前」なのに歩いてる人が少ないのは…なんだか寂しさを感じてしまう。
これが過疎化の進む、地方都市の現状なのかも。
青春18きっぷで「猪苗代」(いなわしろ)に出会う
「郡山」で福島旅を終えるのはなんだかもったいない気がする。どうせなら、ちょっくら電車に乗って福島県のもう少し奥まで行こう!
ちょうど磐越西線の「会津若松ゆき」が出発する頃だったので、急遽「会津若松」を目指すことにした。
なかなか味のある2両編成の車両。可愛い。
1つ駅を過ぎ、2つ駅を過ぎ、「磐梯熱海」という温泉スポットの駅を過ぎたあたりから、窓の外がものすごく山深い雰囲気になってきた。そして途中にある駅を次々とすっ飛ばしていく。
あれ?この電車、もしや急行?
急遽乗ったので気づかなかったけど、僕はどうやら急行列車に乗っていたらしい。
山なのか森なのか林なのか、とにかく周りに自然しかないような駅たちを、どんどんすっ飛ばしすっ飛ばしすっ飛ばし、すっ飛ばした先に高原が広がっていた。そして高原の向こうに、雪をかぶった山々がそびえている…!
なんだ?なんなんだ、この山の偉大さは!!
なぜか鳥肌が立った。そして泣きそうになった。え?なにこの感情。やばい、情緒が不安定!!怖い!
家がぽつぽつと現れはじめたので、そろそろどこかの駅に停まりそうな予感。依然として圧倒してくる山々。僕の心はもう決まっていた。
次に停まる駅で降りる…!
「猪苗代」の”のどかさ”に感動!
「猪苗代」という駅に到着。意外とちらほら降りていく人がいる。
観光客らしき人に混じって、女子高生も降りていく。ここで生活しているのかな?いいなぁ、こんな山に囲まれた場所で生活できて。
駅で軽く写真を撮ったりして、一緒に電車を降りた人たちから遅れて改札を抜ける。
改札を出ると、「JKしようね!!」と爽やかに言い放って駆け出す女子高生。駆け出した子とは違う制服を着た女子高生が、彼女を見送っていた。
なんて青春なんだ!!
きっと中学が同じだった子と電車に乗り合わせたんだろうね。そして高校は別々で、お互いに郡山かどっかまで通ってるわけかぁ。「JKしようね!」って素敵な響きだな。
さて、これからどうするか。
駅の周りには、さきほど一緒に降りたはずの人たちは誰もいない。みんなどこに消えたの??
女子高生も帰路についたようで、駅前にいるのは僕とタクシーのおじさん数人だけ。
とりあえず歩き出してみよう。
「猪苗代」の駅から伸びる通りを歩く。人っ子ひとりいない。
そしてどの建物もシャッターが閉まっている。かつてはお店をやっていたのだろうか?
駅前に喫茶店はあったけど、店休日なのか閉まっていたし、その隣の食堂はやっているようだったけど、店員と思しきじいちゃんばあちゃん集団がテーブルを囲んで談笑していたので、とても割って入れる雰囲気ではなかった。
とぼとぼ無人の街をさまよう。
こんなに人も車もいないって、ずいぶん気持ち良いな。東京のゴミゴミした世界から解放された気分。そして、すぐ目の前には山々が厳かにそびえたっている。なんと壮観な景色。
あ~こういう普通の街を散策するのって楽しい!
観光地ではないだろうから、おしゃれな飲食店もカフェも土産屋も雑貨屋も服屋もない。ただただ誰かの家や、家なのか家じゃないのか分からない建物が立ち並んでいるのみ。たまに家の庭で何やら作業しているおばちゃんがいたり。
「のどか」とはこのことか。
粉々にぶっ壊れたカラーコーン。色あせ斜線が引かれた看板。目に入るものすべてに、この街の歴史を感じる。
「お食事処 喜源」さんの「かつ丼」はおふくろの味
ん~、にしてもお腹が減った。もう13時過ぎか。どこか飲食店ないかなぁ。
駅前のじいちゃんばあちゃんが談笑していた定食屋以来、飲食店に遭遇していない。
うろうろ探していたらやっと発見!
「お食事処 喜源」さん。
もう飲食店はないんじゃないか?と諦めていたところにあったお店。まさに「喜び」の「源」だ!
お店に入ると男女のカップルがすでにいた。
他に客はいないだろうと思っていたからビックリ!
お店に入ると、とつとつと喋る息子さん?が「どうぞ」と声をかけてくれた。その息子さんの奥で、無言で一生懸命調理しているお母さん?がいらっしゃる。
たぶん親子で営業しているっぽいです。違ったらごめんなさい。
福島県の名物はよく分からなかったので、とりあえず無難に「かつ丼」を注文。
美味しそう!
いただきます。
うん!美味しい。おふくろの味って感じ。味付けが優しくて懐かしい。
あ~染みる。結局ご当地めしよりも、こういう普通のごはんの方が僕は好きかも。
あっという間に完食!ごちそうさまでした。
ちなみにテーブル席に座っていた男女二人の話をちらっと聞いたら、カップルじゃなくて親子だったみたい!お母さん若い!とんだ勘違い。
親子は「○○さんとこの娘さん、就職で東京に行ったみたいよ」とか「同じクラスだった○○覚えてる?○○大学行ってさ、テニスサークル入ったっぽいんだよね」など、ずーっとご近所や同級生のうわさ話をしていた。
田舎は「うわさが広がるのが早い」とはよく聞くけど、こうして近所の飲食店で大胆にうわさ話をしていたら、そりゃあすぐ広まるわけだ。
(後編へ続く)
今まで行った青春18きっぷ旅
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