2022年に放送された「おいハンサム!!」の続編、「おいハンサム!!2」。伊藤理佐さんの漫画「おいピータン」と原作のコメディーホームドラマ。主演は吉田鋼太郎さん。
2024年4月6日(土)~放送スタート。
このドラマの見どころは、淡々としたコメディーと、随所に詰め込まれた「あるある」。個人的に、ちょっと「ブラッシュアップライフ」と近いコメディー&あるあるテイストだと感じます。木南晴夏さんも出てるしね!
この記事では、各話のネタバレを含む感想レビューを更新していきます。
もくじ
おいハンサム‼!2 1話~3話感想レビュー&ネタバレ
第1話の感想レビュー
おいハンサム‼は、毎話ごとにテーマがある。
第1話のテーマはずばり、見かけに騙されるな!ということ。
それにしても、新シーズンも「あるある」「わかるわかる」をぶちかましてくれる。
まず最初に登場する30代くらいのカップル。ある場面から見ると「付き合いたてのバカップル」。でも違う場面でら見たら、実は女性側が既婚者の「不倫ドロドロカップル」。また別の場面から見ると、別れが名残惜しくて今にも路上でキスしそうな「迷惑カップル」。
全部同じカップルなんだけど、見る場面や、観る側のその時の心情によって、カップルの見え方がまるで違う。ということを暗示してるわけだ。
でもさ、見た目に引きずられちゃうよね。分かります。
地味な格好をした、実家暮らしの独身50代女性を見て「ああなったらおしまいだ」と思ってしまう長女の気持ちも分かる。でも、一見つまらない人生を送ってそうな人でも、ちゃんと話してみると、実は自分なりの人生の楽しみ方を持っていたりする。結婚・子育て・マイホームを持つ・華やかな服を着飾ることばかりが、幸せなわけじゃないんですよね。
ドリンクの新商品を見つけたら、思わず買っちゃう次女の気持ちも分かる。でも実際買って見ると、なんか飲んだことある味。しかも微妙。そんなこともしょっちゅうだ。
他社のプレゼン内容が完璧!と思ったら、全部AIが作ったものだったってオチは、実際あるのかな?そういう仕事をしていないから僕には分からないけど、今のサラリーマンあるあるなのかな?
第2話の感想&レビュー
第2話のテーマはずばり、知らぬが仏ってことあるよね!です。
ゲストに高橋克典さんが登場するんですが、ダンディーな彼がパティシエに扮しています。その渋い風貌と経歴から「ムッシュ」と呼ばれている。(町のみんなが呼んでいるかは不明。)
そんなダンディーなムッシュが、レストラン?で「バキューンですよ!」と言っている姿を目撃してしまい、その古いワードと言い方に「あ~知らなきゃよかった~」となるわけです。たしかに、高橋克典さんが「バキューンですよ!」と言ってるシーンは、ギャップありすぎて、見ている側が恥ずかしくなる…!すごい演技力!
そのほかにも、長女が、昔フラれた男から、「俺の彼女とごはんしようよ」と誘われ、しぶしぶ行くんですが、これがなかなかの地獄。「えーおいしすぎる~」「うれしすぎる~」という「すぎる」女とイチャつく、昔好きだった男。そのあまりのバカップルぶりに、ただただ愛想笑いするしかない長女…。いや、もし自分が長女だったら、水ぶっかけて帰るわ!
あと、お父さんの職場で働く「掃除のおじさん」が、「自分は人間じゃなくて、ロボットか何かだと思われている」っていうシーン。これまたオフィスで働いた経験がないので分からないのですが、そんなもんなんですかね?オフィスで働いてる人たちは「掃除スタッフさん」がいても、気にしないものなのかな?
一番そんなことある?って思ったのは、エレベーターで「掃除のおじさん」と乗り合わせたカップル社員が、「他に誰もいないからキスしよう」っていうシーン。さすがにそれはなくない?!掃除用具を持った人間に気づかないってある?!(笑)さすがにそれは「あるある」とはならなかった…。
第3話の感想&レビュー
第3話のテーマは、ちゃんと食べなさい。
うん、とってもシンプル。でも一番大事なこと。
今回の話の中で一番印象的だったのは、年下男子からの「お腹いっぱいになった?」という言葉に、思わず涙しちゃう長女。
そもそも長女は、「もう付き合うのとか面倒なんだよな」「美味しいところだけつまんでいる方が楽だし」「不倫くらいが楽かも」と、恋愛に対して開き直ろうとしていた。そんな矢先、取引先の年下男子に食事に誘われ、大量の「やきそば」を注文される。「こんなに食べられない。お腹いっぱいになるより、美味しいところをちょっとずつ食べるので十分なの」と言う長女に構わず、「やきそば」をどんどん食わせようとする年下男子。
そこで放たれたのが「お腹いっぱいになった?」だ。
ご飯も恋愛も、美味しいところだけをつまむだけじゃなくて、たいして美味しくないところも食べて、お腹いっぱいになりたかったんだーって気づいたんですね。
それと、「気にさわる」とか「癪にさわる」とかをひっくるめて「さわる」っていうの良い。今度から使おうかな。「ムカつく」ほどではないけど、むしゃくしゃする出来事があったとき、「さわられた」って言ってみよう。
とにかく、イライラいていたり余裕がない時こそしっかり食べる。腹が減っては戦はできぬとはよく言ったものですね。
おいハンサム‼!2 4話~6話感想レビュー&ネタバレ
第4話の感想&レビュー
第4話のテーマは、先入観にとらわれるな!です。
例えば、仕事の取引先と会った時、中年男性・30代男性・30代女性がいたら、なんとなく中年男性が3人中で一番偉い存在だと思ってしまったり。
「いらっしゃいませ~!」と腰をくねらせながら接客する可愛い店員がいると聞いたら、思わず女性を想像してしまうとか。
昔食べた思い出の味。あの美味しさが忘れられない!と思って久しぶりに食べたら、特別美味しくもなんともなくて、思い出補正がかかってた~とか。
長年愛用していた化粧品じゃなきゃ自分はダメ!と思っていたのに、いざ違う製品を使ってみたら「こっちでも全然良いじゃん!」ってこともある。
娘の日記帳を見つけてしまい、見たいけど見てはいけない!と何日も葛藤しまくったのに、結局その日記帳には「1月1日と2日に何を食べたか」しか書いてなかったり。
こういうもんだろうという先入観に振り回されないように気を付けよう!という回でした。
第5話感想&レビュー
5話のテーマは、だいぶ大雑把にまとめると「ちゃんと考えて生きなさい」。
たとえば、「これでいいや~」ってことあるよね?っていう話。
「ちゃんとした紅茶を飲んでたけど、結局そこらのスーパーで買える紅茶の方が手軽で安くて、まあ美味しいからこれでいいや~」とか、「こだわってお皿を買ってたけど、結局100円ショップのお皿の方が気軽に使えるから、普段使いするならこっちのお皿でいいや~」ってなっちゃう、あれです。
それから「はんぶんこ」問題。
たい焼きを「はんぶんこ」する時、ちゃんと「はんぶんこ」ってできないですよね?そんなときも「まあこれでいいか~」ってなってしまう。
そんな時、次女といい雰囲気になりつつある藤原竜也が言うんですよ。「じゃんけんをして勝った方が、たい焼きを半分にする。それで負けた方が好きな方を選ぶ。たい焼きって、どうしたってちゃんと半分にできないけど、勝った方はちゃんと半分になるように分けようとするし、負けた方は好きな方を選べる。みんながそうやって考えられたら平和な世の中になるのに…」と。
1つの物体を半分にすることだけが「はんぶんこ」ではないんですよね。
あとあれ、「食べログ」で調べて、とりあえず安パイな店を選んじゃうのも、「これでいいか~」の象徴ですよ。ドラマの中では、いつも騒騒しい近所のおばさんが「ムッシュ(3話に出てくる)のお店に悪口の書き込みして!!ムッシュが私に構ってくれないのがムカつくから!!」なんて言ってるシーンがありました。
でもこれてって実際あります。「私のお気持ちが満たされないから」って、ボロカスにレビューを書く人っていっぱいいるんですよね。だから、食べログだのに選択権を持たちゃうのは良くないんですよ、本当は。
そして「フードロス問題」。
ドラマの中では、資産家のボンボンが「経済がウンタラ」を理由に、レストランで毎回食べきれないだろう量を注文しては、ちょっとずつ食べて後は残すという行為を平気でするんです。飲食店でバイトしていた経験あるので分かるのですが、実際こういう客います。日本人は稀ですけど、中国人なんかは必ず大量に注文して大量に残して帰ってました。(そういう文化らしいですけど…)
しかし、食べ残し行為がどんなに「もったいない」と思っていても、ボンボンの発した「どうせ店側も必要以上に食材を調達していて、余れば全部廃棄するんだから。だったら調理したものを残して捨てる方が経済的でしょ」という正論?に歯向かうことができません…。(僕もできないと思う。)つまり仕方ないか…。と考えることを放棄しちゃうんですよね。
そこでお父さんのお言葉。
「必要以上、身の丈以上の贅沢は慎むべき。」「大量消費、大量廃棄を前提としたシステムの恩恵を受けてヌクヌクと生きている。大切なのはこれからだ。お前たちがどう考え、どう生きるかだ。」
「ちゃんと考える」ってしなくても、なんとなく生きていける現代日本。でも、それで本当にいいの?なんとなく~で流されて生きちゃって、あなたは幸せなの?という釘を刺しに来る回でしたね。
6話感想レビュー
第6話のテーマは「ものは考えよう」だということです。
「ガブ」とは酒をがぶ飲みすること。「ペーイチ」とは酒を一杯で済ませること。
6話においてこの「ガブ」と「ペーイチ」がちょこちょこ出てきます。
羽振りの良かったお父さんの友人。彼は金を気にせず、酒をがぶ飲みすることを楽しんでいました。しかし、時を経て彼の会社が借金を抱えて倒産。負債を背負った彼は貧乏に…。そんな彼から連絡をもらい、久々に一緒に飲むことにしたお父さん。
それまでは色んな酒を「がぶ飲み」することを楽しんでいたお父さんの友人だったが、お金を失くした今は「ペーイチ」でじっくり一つの酒を楽しんでいたのでした。ようは「ものは考えよう」ですね。
三女は、残業の末一緒にホットドッグを買いに走った後輩男子との「ドキドキ」を恋愛感情なのかも…と錯覚しますが、「やっぱり違った。心理的な「あれ」だった」と悟ります。これもまた「ものは考えよう」です。
それから印象的だったのが、三女の同僚女性が言っていた「腹筋運動はね、50回やろうと思ったら、40回まではちゃんと数えて、41回目からは数をリセットしてまた1から数え始めるんです。そうすると、あら不思議。40回から50回があっという間に終わるんです!」って言葉。これこそまさに「ものは考えよう」ですよ。
おいハンサム 7話~8話感想レビュー
7話感想レビュー
7話のテーマは、ずばり「日常を大切に」だろう。
風邪を引いた母。それだけでも日常が日常じゃなくなる。
仕事が終わってご飯が用意されていること。毎朝ごはんを作って送り出してくれること。そんな当たり前になっている日常は、ひょんなことからあっさり崩れ去ってしまうもの。だから当たり前の日常を積み重ねていくことを大事にしようね、というのが今回の話の本筋。
他はストーリーがあった。
成功者の書いた自己啓発本に触発されて、「時間を有効活用することが成功する秘訣なんだ」と昼食をゼリーで済ませてしまう、お父さんの部下。
そんな部下に対してお父さんが、「この本と同じことをやって、一体どれだけの人が成功したのだろうか。たとえば1000人がやったとして999人が失敗しているとしたら、その999人のことは忘れてしまっていいのだろうか。」「自分と他人は違う。成功した他人と同じことをするのではなく、自分で考えて日常に立ち向かいなさい。」「自分の日常を疎かにした先に成功なんてない」というようなことを言っていたが、まさにその通り!
日常の積み重ねが大事だということを実感する回でした。
8話(最終回)感想レビュー
第8話は「とりあえず選びなさい!そして選んだ道を正解にしなさい!」だろう。
今回は心理学でいうあれ、「ジャムの法則(決定回避の法則)」をひたすら散りばめる回でした。
※「ジャムの法則」とは、人間は選択肢が多いほど、逆に1つのモノを選べなくなってしまうという心理のこと。
★お父さんが働く会社で、社内起業した女性。彼女はオフィスや家庭のインテリアコンサルタントをしているそう。新商品として「選べるカラー冷蔵庫」を企画。50色の中から好きなカラーの冷蔵庫を選べるというコンセプトのもと販売してみたものの、全く売れずに終わってしまった。
(いやいや。社内ベンチャーとはいえ経営者なのだろう。しかもインテリアのコンサルタントをしているというのに、カラーバリエーションを増やすことが購買意欲を下げるということを知らないっておかしいだろっ!というツッコミは置いておく。)
これぞまさに選択肢が多くて逆に1つに選べない「ジャムの法則」。
★長女は3人の男性からクリスマスディナーに誘われますが、迷った末結局誰も選ばず1人で居酒屋へ。その居酒屋で因縁の元カレ”オオモリ”と遭遇。容姿が微妙で性格もひねくれているオオモリ。なんだかんだずーっと縁があって、会えば結局素直に色々喋ってしまう。「ありえない。私の1番がオオモリなんて…!」と葛藤するのでした。
★次女は、既婚者である藤原竜也とこれ以上の仲を求めてはいけない…と思うものの、やっぱり藤原竜也に惹かれてしまう。「私は不倫をしてしまうのか…?」とモヤモヤ悩みまくって終わります。
★三女は、彼氏が女とホテルへ行ったことを許すべきか許さないか、ずっと悩み続けます。
そんな娘たちに対してお父さんがピシャリ。
「選択肢は多いからといって必ずしもいいことじゃない」
「選択肢は一旦置いといて。自分に必要なのは何なのか、幸せとは何なのか、素直になって考えてみるといい」「完璧な選択なんてない。だからとりあえず選ぶ、とりあえず選ばない。それでいいんじゃないか」
自分の気持ちに素直になって選んでみなさい!と言います。
そして話は続きます。
「選ぶことは大切だ。しかし正解を求めすぎるな。自分の選んだ道を正解と思えること、正解にしていくこと、それが大切なんじゃないか?」
「自分で選択した責任は自分でとること!」
そう言って締めくくるのでした。
うまく行く道を選ぼうとしたって、そんなの土台無理な話ですからね。どんな道に進んだって困難は必ずあります。「そもそも人生に正解なんてない」という心構えでいる方が、柔軟に選択できるし行動できるってもんです。