「青春18きっぷ」で行く東京→名古屋のひとり旅2日目。名古屋と言えばモーニング。欲張って2つのお店をはしご。名古屋城、味噌カツと名古屋の定番も楽しんで、おまけに岐阜県にまで行ったり…。
ゆるゆるひとり旅体験談の最終回です。
この記事では、
- 初めてなのに常連感覚でゆっくりできる「COFFEE 眞梨珈」さんでシンプルなモーニングを楽しむ。
- 外国人も続々訪れるレトロ喫茶「珈琲 にしき」さんの、絶品フワフワ小倉トースト。
- 桜が綺麗な名古屋城
- 結局駅ナカが一番名古屋めしを楽しめる?名古屋コーチンの手羽先が最高「キッチンなごや」さん。
- 滞在時間は15分。岐阜駅は山に囲まれたのどかな場所だった。
もくじ
「青春18きっぷ」で名古屋のモーニングをはしご!
ネットカフェ快活CULBで迎えた名古屋2日目。耳栓のおかげでとってもよく眠れた。鍵付き個室の中は、となりの音は聞こえないんですが、扉の開閉音の音は聞こえるんですよね。でも、格安ビジネスホテルより断然良い!
時刻は早朝5時50分。
名古屋といえばやっぱりモーニングでしょ。喫茶店でモーニングを食べることも名古屋に来たらやりたいことの1つ。
とはいえ、こんな早朝に営業してる喫茶店はあるのだろうか?
検索してみたら、そう遠くない場所に1つだけあった!
早くても7時オープンのお店が多い中、6時から営業してくれているなんて。とてもありがたいなぁ。よし!さっそく向かってみよう。
マップを頼りに、栄駅近くの「快活CULB」から名古屋城方面へ向かって行く。朝から疲れたくないのでカンには頼りません。
いや~早朝の名古屋を散歩するのは気持ちがいいなぁ。昨日の疲れもすっかり回復した気がするし、今日は幸先良いぞ!
渋い喫茶店「COFFEE 眞梨珈」でシンプルなモーニングを食べる
そして到着。本日最初の目的地、「COFFEE 眞梨珈」さん。
読み方は「まりこ」なのかな?それとも「まりか」なのかな?まあいいか。お~!ちゃんとやってるやってる~!普段だったら入ることを怖がってしまいそうな渋い外観。でも今は他に行く当てがない。躊躇なんてしていられない。すぐさまお店に入ります。
「眞梨珈」さんの店内は、「レトロ」というよりは「渋い」という言葉が似合う。丁寧に丁寧に時間をかけて使い古してきたことを物語っているソファやテーブル。決して汚くないです。とっても素敵。
キッチンから「あ、おはよう。好きなとこ座ってー」とお母さん。
まるでいつも来ている常連かのように声をかけてくれるじゃないか。なんか嬉しい。とりあえず入り口近くのソファに腰かけるとしようかな。
お母さん「コーヒーは?ホット?アイス?」
僕「あ、ホットで」
お母さん「で、モーニング」
僕「あ、はい」
お母さん「はいはい」
ソファに腰かけたと思ったら、すぐさまキッチンからの問いかけ。めちゃくちゃスピーディーな注文。いいねぇ、このフランクさ。本当に常連になった気分だなぁ。
店内には昭和歌謡曲が流れてる。うん、この店にピッタリ。あ!昔のピンク電話がある。今も現役で使ってるのかしら?なんだか物珍しくて、ついついお店をキョロキョロ見てしまう。
先客は2組いました。新聞を読んでるいかにも常連のおじいちゃんと、おそらく旅行で来ている20代くらいの男性2人組。
注文してからものの3分くらいで「モーニング」が到着。めちゃくちゃ早いな。
「眞梨珈」さんのモーニングは「コーヒー」「バターを塗った食パン」「ゆでたまご」の3つ。うん、とってもシンプル。そして食パンにつけるジャム3連結。
こういう入れ物が売ってるんだ。初めて見た。いちいち3つの瓶をそれぞれ用意するより効率的。
さあ、さっそくいただこう。
やっぱり最初は「あんこ」だな。たっぷりつけちゃう。うんうん。間違いない美味しさ。
コーヒーは「一杯一杯豆を挽いて~」なんていう時間のかかることはしないのが「眞梨珈」さん流。そりゃあ朝の慌ただしい時間だしね。早く出てくるに越したことはない。作り置いてあるコーヒーを注いでくれるだけで十分。
う~ん、苦み強め酸味少なめのコーヒー。あま~い「あんバタートースト」とよく合う。
ゆでたまごの皮をむきむき。塩をふって食べれば、それだけで立派な朝食。シンプルな朝ごはんとコーヒーを喫茶店でサクッといただくのが「名古屋のモーニング」なんだろうな。
お、流れる曲が、昭和歌謡から平成ソングになった。と思ったらまた昭和曲。なんだか時代が進んだり巻き戻ったりして面白い。
このあと仕事なわけでもない僕は、急いで食べ進めることもない。音楽やお店の雰囲気を楽しみながら、ゆっくりゆっくり食べる。
途中、観光客らしきご夫婦や、これまた観光客らしき男性ひとり客が入店。みんな朝早く起きたものの、開いてる店がなくて「眞梨珈」に流れ着いてくるのだろう。天下の「コメダ珈琲店」だって7時オープンだからね。7時よりも前から店を開けてくれているのは本当にありがたいことだ。
コーヒーを飲みつつ本を読んで時間を費やす。ああ、なんて贅沢なんだろう。
本を読む横で、常連のおじいさんとお母さんがなにやら話している。「わかっとる」とか「~やろ」とか名古屋弁が二人とも出まくり!思わず本そっちのけで聞いてしまう。そういえば名古屋に来てちゃんと名古屋弁を聞いたのはこれが初めてかもしれない。嬉しい。
そろそろ行くか。お会計の時に分かったのですが、モーニングは400円でした。安い!おそるべし名古屋のモーニング。「COFFEE 眞梨珈」さんありがとうございました。
7時も過ぎたし、そろそろ他のお店もオープンしているはず。マップでやってそうな店を調べると、名古屋駅の方に何件かありそう。少し歩くけど…行くか。
だいたいにして僕はアホだ。朝から疲れたくないと思いながら、欲に負けるとしっかり歩いてしまう。朝7時にして、もうくたびれた…。でも!どうしても他の店のモーニングも堪能したいんだ!
外国人観光客も訪れる「珈琲 にしき」で優雅なモーニング
次のお店は、堀川にかかる錦橋のそばにある喫茶店「珈琲 にしき」さん。看板の絵が可愛いです。
このお店はけっこう人気っぽいなぁ。すでにそこそこお客さんが入ってる。お、でも一番手前の席は空いてそう。よし、入ってみよう。
「いらっしゃいませ~。どうぞ」と愛想の良いお母さんが迎えてくれました。キッチンでは、寡黙そうなお父さんが調理をされている。夫婦で経営されている喫茶店のようだ。
う~ん!店内にはコーヒーとトーストの良い香りが漂っている。「にしき」さんの店内は「昭和レトロ」という雰囲気。ソファやテーブルにどこか上質な古さを感じる。
店内には4組。朝7時にしては盛況。ひとり旅風の女性が煙草をふかしている。その奥にスーツ姿のサラリーマンおひとり。さらに奥には常連らしきおじいさんおひとり。その横にはアジア系の外国人夫婦。外国人もこういう喫茶店でモーニングを食べるのね。
メニューには単品で「たまごサンド」などもあったけど、ここはやはりせっかく用意されている「モーニングセット」を頼まなくては。
モーニングセットB(小倉トースト&コーヒー)を注文。またもや「あんこ」を選んでしまった。
「にしき」さんも注文してすぐコーヒーとトーストが出てきました。コーヒーは、先ほどの「眞梨珈」さん同様、作り置きを注ぐスタイル。食パンはなかなかの分厚さ。そこのスーパーで売ってる食パンではなさそうだ。
さっそくいただきます。
パンがフワフワ。パン屋さんの食パンを使っているのだろうか。とっても美味しい。あんこの甘さも程よい。苦み強め酸味少なめのコーヒーと相性抜群。
先客が続々と退店し、入れ替わるように新規客が入店してくる。「にしき」さんは本当に人気のお店のようだ。
せわしなく入ってきたスーツ姿のサラリーマン。「いつもの」とお母さんに声をかけてたので常連らしい。すぐさまアイスコーヒーが出てくる。新聞を読みながら、どんどんアイスコーヒーを飲み進める。ちょうど顔を向かい合わせる形で座ってるので、なんとなくサラリーマンを見てしまう。
すると、サラリーマンは半分くらいになったコーヒーに、手元の水をどぷどぷ入れてかさ増し。それを事も無げに飲む。
えー?味薄まらない?まあ、アメリカンと思えばアリか?
さらに残りの水もぶち込み、もはやアイスコーヒーだかなんだか分からない「それ」を飲み干すと、サラリーマンはさっさとお店を出て行ってしまった。実にせわしない。
コーヒーを飲むだけなら自販機で缶コーヒーを買ったり、コンビニでカップのコーヒーを買えばいい話じゃないの?味にこだわりがないならなおさらだ。
でもたぶんそういうことじゃないんだろうな。「馴染の店に立ち寄って、コーヒーを飲む」ということに意味があるのだ、きっと。そういえばどこかで、名古屋の人は「見栄っ張り」だと聞いたことがある。たとえどんなに時間がなくても、そこらのベンチで缶コーヒーより、喫茶店でコーヒーなのかもしれない。いや、見栄っ張りとは関係ないか?
それにしても、昨日の味噌煮込みうどんといい、今日のほぼ水のコーヒーといい…名古屋の人は味に頓着がないのかもしれない。
慌ただしく出ていったサラリーマンと入れ違うようにして、白人系の外国人夫婦が入ってきた。どうやら日本語が話せないっぽい。お母さん大丈夫かしら?
見守っていると、外国人さんが手元のメニューを指さしながら、手で「1」をつくり注文をする。うんうん、それなら確実だ。
お母さんは「オーケー、コレね。ワン。ワン。」としっかり英語で返事をしていらっしゃる。お~!外国人観光客の対応に慣れてるのかー!すごい!
サンドイッチを全部で3つ注文したらしい外国人さん。すると、その様子をずっと見ていたお父さんが「2人なのに3つでいいのか?確認して」とお母さんに声をかける。これはなかなか難題だぞ。お母さん大丈夫か?
お母さんは「あー、ワンとワン」と言って、外国人夫婦二人をそれぞれ指さす。そのあと、「メニュー、ワン、ワン、ワン。ミッツデオッケー?」と、商品名をそれぞれ指さし確認。なるほど。これなら「2人だけど3つ、いいの?」ということになる。うん。たとえ「スリー」を「ミッツ」と言ってたって問題ないだろう。
外国人が「OKOK」とにこやかに返すと、お母さんも「オーケー、ミッツねミッツ」と嬉しそう。お父さんに「ミッツ、ミッツ!」と伝えているのも可愛い。もう「スリー」はこれから「ミッツ」でいいよ!
なんだかほっこりする時間だったなぁ。
「青春18きっぷ」桜×名古屋城のベストショット
「珈琲 にしき」を出ると9時を過ぎていた。あとは昼に味噌カツを食べるという予定しか残っていない。しかし、正直言って観光スポットに興味はない。でも、さすがにランチタイムが始まる11時過ぎまで何もしないっていうのも、なんかもったいない。
ここはせっかくだし「名古屋城」でも見ておくか。
名古屋城側にある「眞梨珈」さんから名古屋駅側にある「にしき」さんに来たが、再び名古屋城へと戻る。ソロ旅じゃなかったら絶対こんな非合理的な歩き方できない。ひとりだから誰にも文句を言われない。
堀川沿いに歩いて大通りを右に曲がると、「名古屋城」っぽい石垣を発見!え、もうそこ?なーんだ案外近いじゃ~ん!
意気揚々と坂道を上って行くと、城がない。そこは図書館だった。くっそ!紛らわしい!
名古屋城はさらにその先、「丸の内中学校」を通り過ぎ、「能楽堂」も越したところにあった。これは名古屋駅から歩いてきたらなかなかいい運動だ。
名古屋城では「桜まつり」を開催していた。「西之丸」という広場には、美味しそうな出店が並んでいたけど普段はないのかな?ちょっとその辺は分かりません。美味しそうな匂いが漂ってくる…。しかし、僕はこのあと味噌カツを食べるのだ!ここは我慢。
「金のしゃちほこ」で有名な名古屋城の天守閣。たしかに、あの輝く「しゃち」は、金を持ってる象徴だ。天守閣をバックに記念撮影&撮った写真を無料でプレゼントしてくれるらしい。行列になっているが、さすがに1人で撮ってもらってる人はいないな…。こんな時、他人の目など気にせず並べる、強靭なメンタルが欲しい。
ま、今は並びたくないから、天守閣だけパシャパシャ撮っておこう。
個人的に好きな桜と城の写真はこちら。みんなが記念撮影をする方を正面だとすると、「御深井丸」というところから、ぐるっと後ろに回り込んだ城の裏側から撮った1枚。
画質が悪いのは置いといて、なかなか素敵じゃないですか?
ベストショットも撮れたし大満足。
「青春18きっぷ」名古屋めしを食べる
味噌カツを食べたいのに、街にはカツカレーとかばっかり
名古屋城をサクッとまわると、そろそろランチの始まる11時ごろ。
さあ、味噌カツをたべるぞ~!
とりあえず名古屋駅に戻れば確実に味噌カツはある。だけど欲を言えば、街の定食屋さんの味噌カツを食べてみたい。時間はまだあるし、すこしお店を探索しながら名古屋駅の方へ戻ろう。
そんなことを思っていたら、商店街らしき通りを発見。「円頓寺商店街」というらしいです。昨日行った「大須通り」とは違い、洋品店や定食屋など、地元の中高年向け商店街っぽい。昼時だというのに、ずいぶん閑散としている。このくらい静かな通りの方が好きだなぁ。
う~ん…。なぜだ。歩けど歩けど「味噌カツ」がない。食堂や定食屋、喫茶店、レストランと飲食店はあるのに味噌カツがない。かろうじて「味噌煮込みうどん」はときどき見かける。「生姜焼き」「野菜炒め」など、わりと普通のメニューが多い。「とんかつ」や「カツカレー」はあるのに「味噌カツ」がない。僕の探し方が悪いのか?カツカレーを用意するなら味噌カツもあれよー!
しかし結局駅に着くまで「味噌カツ」と巡り合うことはなかった…。
超個人的な見解なんですが、もしかして名古屋の人って「名古屋めし」を日頃から食べてるわけではないのでは?どちらかというと観光客向けで、だから駅に「名古屋めし」を集結させていたりするのかな?と。あ、でも「ひつまぶし」や「うな重」は、けっこういたるところに個人店があったな、そういえば。
どうにか辿り着いた「キッチンなごや」さんで念願の味噌カツを食らう
駅の「うまいもん通り」で味噌カツ発見!
「キッチンなごや」さん。
本当にこの通りは観光客やビジネスマンに「名古屋めし」を気軽に提供してくれるオアシスだよ…!ありがとう。とりあえず「名古屋めし」が食べたかったらヘタにどこか行こうとするな!駅でよい!
なんだかんだ、まだ11時30分だったので待ち客は1組。ラッキー!すぐに席へ案内されました。
サクッと注文し、すぐ出てきました!
よくばりなので、「味噌カツ」の他に、「名古屋コーチンの手羽先」と「どて煮」もついてる【名古屋ぜいたく定食】を注文。
待ちに待った「味噌カツ」。いただきます。う~ん、しっかりした歯ごたえのお肉。衣に甘い味噌がしみしみ。これぞB級グルメ。普通に美味しい。お弁当に入っていた冷凍食品を思い出す…!初めて食べると思いきや、食べ慣れた味でした。
そうか、僕って味噌カツ食べたことあったんだ。
続いて「どて煮」。口に入れた瞬間、しょっぱ!!味噌煮込みうどんの再来だ。ひたすらにしょっぱい。余計な調味料や具材を入れず、味噌一本で勝負するのが名古屋なんだろう…。
最後に「名古屋コーチンの手羽先」にかぶりつく。え…?うまっ!!なにこのあっさりした味付け!本当に君は名古屋の食べ物なのかい?脂身たっぷりで、ぷりぷりの肉が最高。名古屋にきて一番の衝撃。普通に美味しいじゃないかー!!
名古屋の食事は色んな意味で衝撃の連続だったなぁ。
「青春18きっぷ」で名古屋から岐阜へ!
滞在時間は15分?!行くことに意味がある岐阜駅
昨日、「豊橋駅」から「名古屋駅」に向かう時、僕は見逃さなかった。乗った電車の終点が「岐阜駅」だったことを…!そう、「岐阜駅」すなわち岐阜県なのだ!調べてみたら、名古屋からものの20分程度で行けてしまうらしい。
僕には密かな目標がある。それは47都道府県に降り立ちたいということ!その中で「岐阜県」はまだ降り立ったことがない県だ。これは行くっきゃない!
「名古屋駅」から「岐阜駅」に向かいます。
あっという間に「岐阜駅」到着。
…しかし、特別やりたいことも行きたいところもない。ただただ岐阜県に降り立ったという事実が欲しかっただけなのだ。
岐阜駅の写真も撮ったし…次の電車で東京に帰るか。
滞在時間およそ15分。
どもこれでいい。スタンプラリーのごとく47都道府県に降り立つためには、中には15分で済ませる県があったっていいんだ。
「機会があったらまた来るからね」と、車窓から見える山々に囲まれたのどかな街並みに向かって、心の中で別れを告げた。
東京への帰りは、ほぼ寝ていたので記憶がない。あ!そういえば浜松から沼津に向かう途中で「富士川駅」~「富士駅」から富士山が見えた!名古屋へ行く時は、ちょうど寝てしまっていて見逃していたらしい。帰りはばっちり富士山を見ることができた。降りてもっと富士山を楽しもうかと思ったが、電車から降りるのも気だるくて断念。またいつか来て降りようと思う。
(おわり)
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