群馬県が誇る温泉「四万温泉」。その中でもひときわ人気の湯宿が「積善館」である。江戸時代に建てられた木造湯宿は日本一古いとも言われている。
この記事ではそんな「積善館」の魅力をご紹介!
「積善館」とは、
- 日本一古い木造建築の湯宿
- 映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった湯宿
- 日帰りで入浴できる「元禄の湯」は、床に5つの穴が開いたような作りが特徴
もくじ
日本一古い?木造の湯宿「積善館」
さて、積善館とは1691年(元禄4年)の江戸時代に建築された日本で最も古い木造の湯宿と言われている。
積善館を宿泊する場合はいくつかの心得が必要だ。まず宿泊部屋にトイレはない。出てくる食事は弁当。そして布団の上げ下ろしはセルフサービス。その様はまさに古来の湯宿そのもの。レトロな雰囲気や、昔ながらの湯宿を体験したい人にはうってつけ。ただ、現代のホテル・旅館のような手厚いサービスを期待したいのであれば、宿泊は別のホテル・旅館をおすすめする。
そんな前置きをしたら行くことをためらいそうだが、ご安心ください。「積善館」は日帰り温泉のみの利用ができる。そう、宿泊をせずとも、古き良き温泉を堪能することができるのだ。
「積善館」日帰り入浴の料金
大人 | 1,500円(税込)フェイスタオル&歯ブラシ付 |
子供(3歳~12歳まで) | 1,100円(税込)フェイスタオル付 |
2歳以下 | 無料 |
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった「積善館」
さっそく「積善館」に到着すると、赤い欄干が印象的な橋が架かっている。こんな感じの橋どっかで見たことある気が…。
そう、実は「積善館」はジブリ映画「千と千尋の神隠し」の中に出てくる湯宿のイメージモデルの一つなのだ。
そしてこの赤い欄干の橋は、主人公・千尋が働くことになる湯宿「油屋」の橋と似ていると言われている。もしかしたら、この積善館の橋から色んな着想を得たのかもしれない…と思うと、なんだかすごい気がする。
そういえば、「千と千尋の神隠し」の舞台がまたやるらしい。今回は千尋役が4人とか。あの豪華絢爛な湯宿がどんなふうに表現されているのか観てみたい。ただ、人気すぎてチケットがなかなか取れないらしい。
話が脱線したが、そんな橋を渡って、いざ「積善館」の中へ。
昔ながらの引き戸をカラカラと開ける。段差を土足で上がったところすぐに券売機があった。こういうところは現代的なんだなと思いつつ、さっそくチケットを購入。
あれ?受付にスタッフがいない…。となりの食事処には配膳スタッフがいるみたいだけど、きっと温泉の受付とは関係ないのだろうし。そうするか。チンと鳴らすベルもないし。
あ、もうこのまま行っていいのかな?いや、でもそれがまかり通ったら、無銭入湯できちゃうじゃん。監視カメラでもついてんのかな?それで確認してるとか?
…よくわからないけど、チケットはちゃんと買ったわけだし、無銭入湯ではない。とりあえず、温泉がありそうな方へ進んでみるとするか。
いつもこんな調子なのが僕という人間。とにかく人に訊くということが億劫で仕方がないから、まず動いてしまう。
温泉のありそうな方の扉を開けると、さっそく廊下の先にお風呂の暖簾を発見。
それにしても古い木造家屋のような柱・床板・ふすまが風情があっていい。昭和レトロな感じがたまらない。
おっ、廊下の右手に飲泉があった。
これは飲まないわけにはいかない。そういえば券売機の横に紙コップがあったな。取りに戻ろう。
さてさて、持ってきた紙コップに湧き出ている温泉を入れてみるとしよう。
コップを持った感じ、けっこう熱そう。息をふきかけながら、ゆっくりと飲んでみる。うーん、なかなかしょっぱい。けどまずくはない。わりとグビグビいけるもんだな~ともう一杯おかわり。
どうにもこういう時、せっかく無料なのだからと、たくさん飲んでおきたくなる。僕は根っからの貧乏性なのだ。※あまり飲みすぎるとお腹を下すらしいのでご注意ください。
飲泉した紙コップを捨てるため、また券売機の所へ戻る。なんだかずっと行ったり来たり、うろうろしている気がする(笑)
あれ、そういえば券売機の発券ボタンに、”フェイスタオル・歯ブラシ付”と書いてある。…はて。どのタイミングでタオルや歯ブラシをもらうのだろうか?
またうろうろしてしまう。ん?受付奥の棚にタオルとかが入ってそうな手提げ袋が積んである。あそこから取る…わけないか。さすがに勝手に取るわけにはいかないな。
人に訊くことを億劫がっていては、らちが明かない。仕方ない。
廊下が繋がっている先の食事処にいたスタッフに尋ねてみた。すると「温泉のご利用ですか?」と確認され、そのスタッフが風呂の受付からタオルを出して渡してくれた。
最初か声をかけていればよかった。風呂に入るまでにどんだけ時間をかけているんだ。まあでも、こういう無駄な時間って悪くない。と思うようにしている。
さてさて、気を取り直して温泉だ!
さっそく暖簾をくぐって扉を開ける。するとすぐに、湯船に浸かった全裸の男性が目に飛び込んできたので驚いた。
あれ?すぐ風呂場なんだ。
無知とは怖いものである。僕は「元禄の湯」の構造を全く理解していなかった。
「元禄の湯」は脱衣場と湯船が一体となった昔ながらの様式。荷物を置く棚やかごはあるが、鍵付きのロッカーはない。
荷物どうするか。
脱衣場と浴室を隔てるものがない。荷物は目に入るので、きっと盗難の心配はほぼない。…がしかし、僕は極度の心配性である。
「もし風呂に入ってる時パッと荷物を取られて、そのまま裸で追いかけたら恥ずかしすぎる!」などという99%起きないだろう妄想をしてしまった。分かってる。そんなことは起きっこない。でも一度考えてしまったら、もう不安で仕方がない。やむを得ない。コインロッカーを探すか。
一度浴室を出て建物の奥へと進むと、足湯と水車を発見。「積善館」ではこの水車を「湯車」と呼ぶらしい。何のためにあるのかは…調べてみたがよくわからなかった。
足湯と湯車の左手には休憩スペースがあった。温泉からあがった後、ここでゆっくりできそうだ。さらに休憩スペースの先にコインロッカーを発見。ついでにトイレも。ここで諸々のことを済ませてから温泉に入ろう。
「積善館」の古き良き浴場『元禄の湯』
準備を整え、いざ入湯!
「元禄の湯」は5つの石造りの浴槽が特徴。その様はまるで床に穴が5つ開いているかのよう。
それぞれの湯船の底から温泉が湧き出ている。
5つの湯船は温度が若干ずつ違った。僕はぬるい方から順に入っていき、5つ入った中で一番適温の湯船に長く浸かって楽しんだ。
また、温泉のルーツと言われる「蒸し風呂」も2つあったので入ってみた。蒸し風呂には小窓がついていて、一つは締め切っていたので、けっこう蒸し暑く、もう一つは少し開いていたので、心地よい暑さだった。
僕が入ったとき、先客は二人だけだった。
都心の温泉だと平日の昼間でも客が多いのだが、ここは人が少なくてとても静か。ゆっくりのんびり浸かっていられる。なんという贅沢。
レトロな内装もしっかり堪能。あ~、このままいつまででも入っていられる~。
シャワーはひとつだけなので、他の利用客と鉢合わせた際は譲り合いが大事。シャンプー、リンス、ボディーソープは一通り置いてあるのがありがたい。
風呂から出たあとは休憩処でごろりとするも良し、となりの食事処で食事を楽しむも良し。なんとも良い時間を過ごすことができた。
千と千尋の神隠しのモデルとなった湯宿?「積善館」まとめ
群馬県の名湯「四万温泉」。四万温泉の中でも有名な「積善館」は、昔ながらの木造建築でレトロな雰囲気満載。ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった言われる湯宿を一目見るのも悪くないですよ♪
他の宿に泊まる予定の方も、近くまで来たらせっかくなので「積善館」の日帰り入浴を利用してみてはいかがだろうか。
「積善館」店舗情報
住所 | 〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉 4236 |
営業時間 | 10時~17時30分(最終入浴受付17時) |
定休日 | なし |
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