
【脚本】橋部敦子
【演出】三宅喜重 ほか
【キャスト】趣里、ジェシー、YOU、古田新太 ほか
女優・趣里にとって、NHK朝ドラ「ブギウギ」以降初の民放ゴールデン帯主演作品。
リーガルドラマは一定の人気がありますが、はたして『モンスター』はどんなドラマなのでしょうか?
1話から順に、各話あらすじと感想レビューをしていきます。
もくじ
モンスター ドラマあらすじ&ネタバレ感想レビュー(1話)
1話あらすじ
神波亮子(趣里)は大草圭子(YOU)が所長を務める「大草圭子法律事務所」に現れ、「弁護士をやってみることにした」と言い出す。
素性もわからない亮子に、若手弁護士・杉浦義弘(ジェシー)は戸惑いを隠せない中、大草はあっさりと受け入れてしまう。
さらに亮子は自殺教唆の罪で起訴された塩屋遼(萩原利久)の弁護に立候補。彼は自殺未遂の過去がある交際相手の川野紗江(藤吉夏鈴)に「死ね」とメッセージを送ったという。
杉浦は新人には無理だと進言するが、大草から命じられ亮子をサポートすることに。
接見した塩屋は、自殺した紗江への謝罪を口にし、むしろ自分が死にたいと思っていたと話す。
亮子は紗江の周囲に話を聞きに行くが、被告の弁護人である亮子に耳を傾けるはずもなく、八方塞がりになった亮子は思いもよらぬ行動に出る。
引用元:Tver
1話ネタバレ感想レビュー
正直ナメてました。「あまり面白くなさそう…」と。
しかし、SNSで評判が良かったので観てみたらけっこう面白い!
神波亮子の飄々としたキャラクターが、趣里にバチっと合っていて良い。
杉浦を演じるジェシーとのバディーもいい感じ。
なんといっても脚本が僕の好み。
人間ドラマとして面白い!
前置きしておくと、僕はドラマの中に「ストーリー」が観たいわけではなく、「人間性」を観たい派です。
(「ストーリー重視派」の人には理解されないかもしれません)
裁判系のドラマだとよく「どんでん返しストーリー」に重きが置かれます。
そういうドラマを観ているといつも思うのです。「ああ、ストーリーを成立させるために、人間(キャラクター)が動かされているなぁ」と。
本来は「罪を犯すに至る動機」があるはずです。
そして、その犯した罪がバレないように皆それぞれ工作する。
その嘘が徐々に暴かれていき、結果、どんでん返しになるわけです。
ところが「どんでん返しすること」に注力している脚本は、本来、一番大事であるはずの「罪に至る動機」や「罪を隠す」といった人間の心理描写がおろそかになりがちなのです。
そこが一番面白いのに!
今作『モンスター』では、その【一番面白い部分】を大切にしながら、話をひっくり返しているので見事なのです。
脚本を描かれている橋部敦子さんは、「僕の生きる道」シリーズなどのヒューマンドラマを手掛けてきた方。
人の心理・行動の描写が巧みなのにも納得。
暴けない闇
今回、川野紗江を自殺に追いやったのは会社の上司によるパワハラ・セクハラでした。
しかし、紗江に「自殺」の引き金を引いたのは、紗江が通っていた「心理カウンセラーの女」の言葉。
仕事で追い詰められていた紗江は、電話口でカウンセラーに「もう無理」と伝えます。
しかしカウンセラーは言うのです。
「頑張って。紗江さんならまだ大丈夫。ねぇ、頑張ってよ」
追い詰められている人間に「頑張って」と言う。それもわざと。
「言葉で人を操れるかしら?」と心理実験したかったのか?
「私が昔そうだったように、こいつも死ぬギリギリまで追い詰めてやろうか」という道連れの気持ちだったのか?
カウンセラーの心の真相はわかりません。
しかし、カウンセラーの「頑張って」を聞いた紗英がトラックにはねられ、その衝撃音を電話越しに聞いたカウンセラーの女はニヤリ笑うのです。
しかし、カウンセラーの言葉が引き金になったという証拠はありません。
司法では裁かれない。
スッキリしない終わり方というのもいい。
モンスター ドラマあらすじ&ネタバレ感想レビュー(2話)
2話あらすじ
女性アイドルグループ『ハッピー☆ラビット』の古参ファンだという寺田晃司(本多力)が事務所を訪れ、ライブ会場を出禁になったと杉浦(ジェシー)に泣きつく。
その直後、寺田の推しであるシホ(なえなの)が手がけた新曲の歌詞が、すでに発表されている楽曲に酷似していると指摘され、事務所社長の益岡伸也(津村知与支)が亮子(趣里)に助けを求め、やってくる。
盗作被害を訴えたのは、シホの元所属事務所社長の黒川正博(山中聡)。
実際、2つの曲の歌詞はそっくりだがシホは盗作はしていないという。
しかし、黒川は本人と所属事務所を著作権侵害で提訴するとマスコミに発表する。
批判的なコメントも次々と寄せられ、絶体絶命のピンチに追い込まれるシホ。
一方で亮子は寺田の元を訪ね、勝利のピースを掴み取るため“誠意を見せる”ことに…。
引用元:Tver
2話ネタバレ感想レビュー
表向きの問題は「盗作」でしたが、根本の問題は「美醜」についてでした。
ちゃんみなの歌がバチっとハマる
今回、「ブス」と言われることが耐えられなくて整形をしたシホ。
醜い過去を消し去りたいと願うシホだが、「ブス」とののしられた経験があったから書けた歌詞でもある。
「過去の自分を捨てて逃げても何も解決しない。いずれバレる。先送りにすればするほど自分を追い詰める」
神波のそのようなセリフと共に流れる、ちゃんみなが歌う主題歌。
「ブス」と批判されても、その悔しさを歌詞にしたため、「美人じゃないし、表に立つのは向いてないよ」とレッスンの先生に言われても歌い続ける。
その生生しい歌詞と、強さと、歌声で世間の声をひっくり返した【ちゃんみな】。
まさに今回の話しとバチっと合っていて、「ああ、このためにちゃんみなの曲が主題歌になったのか」と思うくらいだった。
モンスター ドラマあらすじ&ネタバレ感想レビュー(3話)
3話あらすじ
日本有数の企業の跡取り息子・五条和彦(渋谷謙人)が、妻の亜佐美(佐津川愛美)を連れてやってくる。
和彦が無精子症であることから、和彦と同じ東大卒の男から精子提供を受けて妊娠。
しかし、その男の経歴はでたらめで、精子提供を受けた別の女性が訴えを起こしたのだ。
事実を知られたくない和彦は自らの情報が出ないよう、亮子(趣里)にその男を弁護し示談でおさめてしてほしいと依頼する。
亮子から一任された杉浦(ジェシー)は、問題の男・斉藤文哉(佐藤寛太)に示談を持ちかけるが、斉藤は拒否。聞けば、原告の長岡茉由(吉本実憂)は、斉藤の経歴詐称に気づいていたという。
茉由の言動に違和感を覚え調べると、意外な素顔が明らかになる。
一方、和彦の身勝手な決断で中絶を迫られるが、どうしても産みたい亜佐美はある秘密を打ち明けて…。
引用元:Tver
3話ネタバレ感想レビュー
神波の毒全開!
五条亜佐美や、長岡茉由に投げつける神波の毒がグサグサ刺さりました。
五条亜佐美のお腹の中の子が、亡くなった亜佐美の元カレが、生前保存していた精子でできた子だとわかったとき
神波「わかるとしたらあなたの未来です」
亜佐美「なにがわかるんですか?」
神波「好きな人ができたけど、収入がないから結婚できない、こんなはずじゃなかった。家柄のいい人と結婚したけど、子どもができない、こんなはずじゃなかった。子どもが生まれたらまた思うんですよ。思ったように育たない、こんなはずじゃなかった、って」
亜佐美「…」
神波「でも、いいじゃないですか!五条さん夫婦はとってもお似合いの夫婦なんで!」
亜佐美「お似合い…?」
神波「はい。売れない画家とは結婚できないとか、子供は産まないといけないとか、夫の言う通りにしないといけないとか、五条家の人間はどうたらこうたらとか、お二人とも誰が決めたかよくわからない常識に従うことがお好きなようなので!」
「原告・長岡茉由には、被告・斎藤文哉に対する好意があったのでは?」と追求するシーン
神波「あなたはピルを使って排卵を止めていたのではないですか?妊娠しないように。被告との関係を続けるために。夫婦関係で欠けた穴を埋めるために」
茉由「…」
神波「夫に、被告との関係を疑われて咄嗟に嘘でもついたんじゃないですか?被告を悪者にして、夫婦関係を丸く収めようとしたんじゃないですか?」
茉由「…」
「さぞかし守る価値のある夫婦関係なんでしょうね。いや、その夫婦関係に価値はあるんですか?あるのは一生食うには困らないだろうというふんわりした安心だけなんじゃないですか?」
ふわりとした安定を守るため、自分の生活の安全を守るために嘘をつく。
誰もがやってしまうことだけど、こう突きつけられると痛い…。
モンスター あらすじ&ネタバレ感想レビュー(4話)
4話あらすじ
名門大学のサッカー部で体罰が横行していると週刊誌に掲載され、それが、部員Aと名乗る人物による告発とあって部内は騒然。
杉浦(ジェシー)の元同級生でサッカー部コーチの甘利弘樹(佐野岳)が、亮子(趣里)に相談したいとやって来る。
時を同じくして部員たちが、厳しい練習の数々は体罰だったとし、大学を提訴するという動画を配信。
理事長は亮子に、体罰がなかったことの証明と部員Aの特定を依頼する。
集団訴訟を起こしたのは神宮寺和也(夏生大湖)たち3年生の部員だったが、スポーツ特待生の武田大樹(本田響矢)だけは参加していなかった。
サッカー部の実態を知りたい亮子は杉浦を連れてなぜか街コンへ潜入。
さらに、高校時代に武田と神宮寺のチームメイトだった古賀勇作(大知)から2人の過去の因縁に関して話を聞き出す。
引用元:Tver
4話ネタバレ感想レビュー
優しい嘘
結果的に、「同級生をかばうための優しい嘘」と「教え子をかばうための優しい嘘」が引き起こした騒動だった。
スポーツ特待生として、入学金や学費を免除してもらって入学している武田。
彼は膝をけがしていた。
しかし、毎年スポーツ特待生の査定があるため、けがを理由に休むことができなかった。
その事実に気づいたコーチの甘利は、武田が怪我を悪化させ選手生命を絶たれないよう、「体罰」のでっち上げを週刊誌にリーク。(ただし告発者の部員Aが甘利であることは言及されておらず、神波が目で「お前だろ?」と訴えるだけだった)
一方、「体罰」のリークをしたのが武田だと思いこんだ神宮寺。
「部員Aは武田である」という疑惑の目を周囲から向けられないよう、神宮寺が先導をきって大学側を相手に集団訴訟を起こしたのだった。
どちらも武田を守るための優しい嘘。
その結果、事態が大事になってしまったのだった。
モンスター あらすじ&感想レビュー(5話)
5話あらすじ
LAの資産家の娘が来日。
がんの父に効果のない高額医療を受けさせ、死に追いやった日本の病院を提訴したいという。
亮子(趣里)は杉浦(ジェシー)と病院潜入を試みるが… アメリカの有名な資産家の娘・サトウエマ(秋元才加)が、日本の病院を提訴したいと神波亮子(趣里)を頼って来日する。
エマの亡き父・マサル(石橋凌)はアメリカでがんを患い、現地で抗がん剤治療を受けていたが、その合間に、日本のあるクリニックが海外の富裕層向けに作った医療ツアーに参加したという。
しかし、高額な費用をかけて臨んだ治療に効果はなく、それどころか、帰国したマサルは絶望のあまり、すべての治療を拒否するようになり、呆気なく亡くなってしまった。
エマは、クリニックがインチキな治療をしたことで父を死に追いやったことを証明してほしいと亮子に依頼する。
亮子の調査によると、マサルが治療を受けた岡本プレミアクリニックは、もともと地域に根差した総合病院だったが、経営難を理由に前院長の息子・岡本久嗣(阿南健治)が富裕層向けの病院に改革。
結果的に大成功を収めたのだという。
亮子が何とか実態を探ろうとクリニックの前で考えあぐねていると、突然、杉浦義弘(ジェシー)が極度の腹痛を訴え、2人は思わぬ形で敵陣への潜入に成功する。
やがて、亮子は、エマ同席のもと、クリニックの顧問弁護士と対峙。
終始優勢で話し合いを進めるが、亮子は相手方の弁護士の態度にどこか違和感を覚える。
数日後、事務所にやってきた相手方の弁護士は…亮子の父親で12年間失踪中の粒来春明(古田新太)だった!?
引用元:Tver
5話感想レビュー
親子バトル
ついに出てきた古田新太さん!
どういう存在なのだろう…?と思っていましたが、まさか父親とは。
5話と次週6話は「対立する親子」がテーマですね。
・弁護士の神波亮子と父・春明
・依頼人のサイトウエマと父・マサル
・岡本クリニック院長の岡本久嗣とその父
共通するのは、「父親の働く背中を見て、同じ道に進んだ子ども」であることだろうか。
分かり合えない「父親」と「子ども」の対立に注目です!
モンスター あらすじ&感想レビュー(6話)
6話 あらすじ
12年ぶりに再会を果たすと同時に法廷で争うことになった亮子(趣里)と粒来(古田新太)。
複雑な親子関係の2人の対決に不安を覚える杉浦(ジェシー)に対し、亮子は楽しみにしている様子。
相手は百戦錬磨の最強弁護士。
亮子は、治療が適切だったかを証明するのは難しいと考え、看護師の梶田素子(島田桃依)がマサル(石橋凌)をたぶらかして多額の遺産をだまし取ったことを証明しようとする。
唯一、素子の世話になった杉浦だけはその方針に難色を示すが、前院長によれば、過去にも患者とお金にまつわるトラブルがあったという。
杉浦は素子が悪女だとは思えず、真実を見極めようと再びクリニックに入院するが…。
一方、亮子はマサルが密かに遺言書を書き換えていたことが気になり、遺言書を作成者した人物の捜索を城野(中川翼)に依頼する。
引用元:Tver
6話感想レビュー
スッキリしない終わり方
これまでの回も、結局スッキリしないで終わっていたように思う。
今回も同じくスッキリしない箇所がいくつかあった。
まず、「認知に異変を感じていたマサルさんの指示で記録を残していました。マサルさんの意思がわかる映像です」と、マサルが病室で自身の考えについて語る映像が流される。
その中には、
私が築いてきた考え方や財産を娘に引き渡すことがベストだと考えてきたが、やはり違う。この世に渡しのコピーなど必要ないのだ。
そんな未来のために、私の財産をこのクリニックに投資する。
といった、家族が知っておくべきであろう事業の引継ぎや財産分与についても語られていた。
そもそもこんな重要な証言が記録されている大切な映像を、いったい誰が持っていたのだろうか?
それに素子に3億円寄付した件に関しては、映像内では何も触れられていないわけだが…それはいいのか?
神波が、父・粒来に負けるシーンを書きたかっただけでは?
神波の証拠集めも今回の件はずいぶん雑だったし、
粒来の逆転証拠も「いや、それ持ってるのズルくない?」というものだったし、
なんだか
≪父親と対立して敗北する神波≫という筋書きが描きたかっただけのような気がしてならない。
モンスター あらすじ&ネタバレ感想レビュー(7話)
7話 あらすじ
人気ドラマのロケ地の住民が、聖地巡礼に訪れたファンの迷惑行為に耐えかねて相談にやって来る。
大勢の人が押し寄せゴミが散乱。
饅頭屋『みやこし』にはコラボ饅頭を求めて連日行列ができているという。
そんななか、ドラマのプロデューサー・坂口(林泰文)がロケ地でトークショーを行い、サプライズで主演俳優も登場するのではないかと、予想を超えるファンが集まる。
会場でコラボ饅頭を販売していた『みやこし』の従業員・前園里佳子(堀未央奈)が倒れ、その拍子に機材の配線で感電し意識不明になりイベントは中止に。
九死に一生を得た里佳子が事務所を訪ねてきて、役所とテレビ局、過重労働を強いた『みやこし』の店主を提訴したいと言い出す。
指名を受けた杉浦(ジェシー)は調査を開始。一方、亮子の前には父・粒来(古田新太)が現れ…。
引用元:Tver
7話 感想レビュー
「自分さえよければ」という人間の醜さ
7話は「自分さえよければそれでいい」の連鎖だったな。
・ドラマの人気を利用して荒稼ぎしたいテレビ局のプロデューサー
→プロデューサーに媚びを売りたいディレクターは安請け合いをする
→人気ドラマの「聖地巡礼」を財源の一部として確保したい役所はテレビ局の言いなり
→廃業寸前だった和菓子屋を立て直したい「みやこし」の店主はコラボ饅頭制作の申し入れを受け入れる
・大好きなドラマの続編をテレビ局に作らせたくない前園里佳子
・聖地巡礼先を荒らしたりゴミを持ち帰らないファン
やっぱり橋部敦子さんの書く脚本は、人間のイヤ~な部分にスポットを当ててくるので面白い!
今回の「自分さえよければそれでいい」という部分なんてまさに”人間の愛すべき醜い部分”!
あとどうでもいいんですけど、ドラマを観ていていつも思うことがあります。
ドラマの中でやっている「ドラマ」ってたいていクッソつまらなそうなんだよな~。(笑)
でもドラマの中では「国民的大ヒットドラマ」っていう設定なんだよな~。(笑)
本当にどうでもいいんですけどね。
ドラマ本編が面白ければそれでいいんです。
モンスター あらすじ&感想レビュー(8話)
8話 あらすじ
少年4人が強盗致傷の罪で逮捕される。
4人は一人暮らしの橘清美(石野真子)の留守を狙って家に侵入したが、思いがけず本人が帰宅。
焦った谷口(林裕太)が清美を殴り怪我を負わせたのだ。
逮捕後、3人は栗本(坂元愛登)の指示で犯行に及んだと自供。
検察は栗本と闇バイト組織との関連を疑うが栗本はそれを否定、計画したのも谷口だと話す。
亮子(趣里)に弁護を依頼しにやってきた栗本の両親は我が子の犯行が信じられず、素行の悪い友達にだまされたと信じ込んでいたが…。
一方、栗本は亮子との接見の際、清美についてのある情報を聞き動揺を見せる。
その様子が引っかかった亮子はある行動に出る。
その頃、粒来(古田新太)はなぜか、今回の事件を担当する検察の藤吉伸(近江谷太朗)と密会していた。さらに、裁判の傍聴席にも姿を見せて…。
引用元:Tver
8話 感想レビュー
やっていないことをやったとでっちあげられる
今回の話しで一番「怖いな」と思ったのは、検察の都合で事実を捻じ曲げられてしまう可能性があるということです。
今回の件で言えば、
検事は、「闇バイト」の指示役を検挙するために、「闇バイトごっこ」で連行された高校生たちを利用しようと企みます。
「闇バイトなんてやってない」と言っても、「指示役と連絡を取っていた証拠がある」と言って、虚偽の証拠を提出する始末。
「政治家に対して検察は忖度している」などと言われて久しい昨今。
もしかしたら脚本家の方は、そういった”検察の不信感”をドラマを通して表現しているのでは?とも取れるのです。
深読みのしすぎでしょうか。
年齢差別によって働きたくても働けない問題
今回はまた別の問題も取り上げていました。
それが「年齢差別」。
「30歳を過ぎれば正社員として採用されることは難しくなる」と言われ、「50代になると、アルバイトですら採用されるのは難しい」という話を聞いたことがあります。
はたして実際はどうなのかはわかりませんが、今回はそんな問題も絡んできていました。
以下、「戸籍偽装」をした経緯を語る橘清美の証言です。
橘「私は、妹の佐和子を戸籍上に作り、この世に存在しない人物として生活していました」
神波「戸籍を偽造したということですか?」
橘「はい」
神波「戸籍を偽造したのはなぜですか?」
橘「60歳を過ぎた時から、思うように職につけなくなりました。
求人には年齢制限が書かれていないのに、年齢ではじかれていることは明らかでした」
神波「年齢差別があったということですか?」
橘「はい。私はまだ社会の一員としてできることがあって、ちゃんと役に立てることがあるのに。
それが、私の生きていく励みになっていたのに。
年齢で線を引かれてしまうことに納得がいきませんでした。
生きているのに生きられない。
そう思うようになった」
年齢フィルターをかけられてしまい、思うように働けなくなり、仕方なく戸籍を偽装…。
悲しい話です。
求人広告には、採用条件に特定の「年齢」「性別」を書いてはいけないという決まりがあります。
とはいえ実際の求人広告を見てみると、「主婦さん活躍」「学生さん活躍中」など、欲しい人材の「年齢」や「性別」を暗に示すものが多いです。
見れば、脚本家の橋部敦子さんも御年58歳。
実際橋部さんの身の回りにも、今回の橘清美のように、年齢フィルターをかけられて働きたくても働けない思いをしている人がいるのではないでしょうか?
謎に差し込まれるパロディ
8話ではなぜか、主演の趣里さんにちなんだパロディーが差し込まれている。
26分56秒頃
ティーポットを高く上げて、ティーカップに紅茶を注ぐ神波。
神波の謎の行動を見て、杉浦が「なになに、どうしたの?」と神波に質問する。
すると、「昨日ドラマで見た」と答える神波。
「もしかしてバディーもの?」と問う杉浦に笑顔で返す神波。
確実に趣里の父・水谷豊が主演を務めるドラマ『相棒』ですよね!
27分44秒頃
スーパーで働く女性が、「そこがごっちゃになりまして♪わてほんまよう言わんわ~♪」と、ブギの女王・笠置シヅ子の『買い物ブギー』を歌っているシーンがあります。
そこへ、昭和チックな格好をしてパーマをかけた神波が登場します。しかもなぜか関西弁。
趣里さんは過去に、笠置シヅ子さんをモデルにしたNHKの朝ドラ『ブギウギ』にて主演を務めています。
なぜ8話でこんなに色々差し込まれているのか謎です。(笑)
モンスター あらすじ&感想レビュー(9話)
9話 あらすじ
逮捕された闇バイト組織のキングと粒来(古田新太)の接点が気になる亮子(趣里)はある美術館へ向かう。
そこには、かつて世間を騒がせた「呪いの絵」が展示されており、絵画の前には一人の男(近藤芳正)がいた。
男によると絵画は、ゴッホの『ひまわり』の連作として見つかり世紀の大発見だと騒がれ、当時IT長者だった成沢(渡邊圭祐)が画商の岡村(松田陸)から過去最高額で買ったという。
しかし、贋作を疑う声が沸き起こり不信感を抱いた成沢は訴えを起こす。
一方、杉浦(ジェシー)は亮子のデスクにあった事件ファイルを読んでいた。
そこには亮子が美術館で聞いた話が記されていて、圭子(YOU)によると、圭子は岡村に弁護を依頼されたが、それを粒来に託したのだという。
粒来と岡村が初めて顔を合わせた日、当時7歳だった亮子もいて…。
引用元:Tver
9話 感想レビュー
9話の話はなかなか複雑だったので整理したい。
主な登場人物
岡村洋一郎 → 画商
成沢大輔 → IT企業の社長。絵画Xを140億円で購入
市原詩織 → 修復師。画家・重光の妻で、過去には永山に言い寄られた過去がある。
市原重光 → 故人。画家。詩織の夫。
永山淳之介 → 美術大学の教授。絵画の真偽や人気を決める際に大きな権力を持つ人物。
画商の岡村は、修復師の詩織に呼び出される。
詩織は、亡き夫・重光の遺品を整理している時に、世界的名画ゴッホの「ひまわり」の連作と思しき絵画Xがあったと岡村に見せる。
岡村はその絵画Xを詩織から100億円で購入する。
岡村は、絵画Xを持って国立文化美術館を訪問。
美術館では、当初海外から取り寄せて公開する予定だった絵が急遽キャンセルとなってしまい、展示する作品に困っていた。
その美術館のピンチを岡村は利用。
美術館は、通常だったらありえなほど簡易的な鑑定のみで絵画Xを「ゴッホの作品」と鑑定。
後日、「ゴッホ回顧展」で絵画Xをゴッホ作「ひまわり」の連作として展示することになった。
絵画Xは瞬く間に「価値のある作品」となった。
物の価値は状況によってコロコロ変わる
岡村は、「価値のある作品」となった絵画Xを、時の億万長者・成沢に140億円で売却。
ところがその直後、世界中から「贋作ではないか?」と疑惑の目を向けられることになる。
絵画界の権力者である美術大学教授・永山も「絵画Xは贋作である」と発言。
その結果、絵画Xはあっという間に「価値のない作品」となってしまった。
当然、「価値のない作品」を140億円でを購入した成沢は、岡村を訴えることに。
そして、訴えられた岡村の弁護をすることになったのが粒来だった。
粒来は裁判で争うことになれば、岡村が負けてしまう恐れがあることを危惧し、。裁判で争わないで済む別の作戦にでた。
その作戦とは、「メディアを利用して、絵画Xに特別な価値をつける」というもの。
粒来はまず、永山に「これからしようとしていること」を成沢に話して抱き込みます。
策略を聞いた成沢は、「永山から絵画に関する情報を得るため、多額の金銭を渡していたこと」を世間の公表。
その結果、永山の権威は失墜。
その後、粒来は絵画Xを街中に展示します。
さらに、テレビで「突如街中に現れた絵画」の特集を放送。
『街中に現れた一つの絵画。あなたはこの作品にどんなラベルを貼りますか?』というインパクトのある宣伝をすることで、「作品の価値を決めるのは観ているあなた」というような印象を植え付けます。
そして粒来は、成沢と並ぶほど億万長者の起業家に、「この絵ほしいんだけど、成沢君200億円で売ってくれないかな」というようなことをテレビで発言してくれるよう依頼。
その結果、絵画Xは「価値がない絵画」から「200億円の価値ある絵画」になったのでした。
それぞれの思惑
そもそも岡村は、最初から絵画Xがゴッホの作品ではなく、市原重光の描いたもので、妻の詩織が修復したものであることをわかっていました。
全てわかったうえで、二人の作品を世に出したかったのです。
さらに、ここからは神波の憶測ですが、
詩織は、絵画Xが「ゴッホの絵を真似た夫の作品」であることを知っていながらあえて修復しました。
そして岡村を呼び出し、鑑定してもらいます。
詩織は、岡村は絵画Xを見て、「ゴッホの絵ではない」とすぐ気づくとわかっていました。
しかし同時にこう確信していました。
「自分に好意を寄せている岡村だったら、ゴッホの絵として高値で買ってくれるだろう」と。
今回もしっかり、いい人そうに見える人間の「嫌な部分」を描いてくれてて最高でした!
モンスター あらすじ&感想レビュー(10話)
10話 あらすじ
粒来(古田新太)がかつて群馬での案件に関わっていたことを聞いた亮子(趣里)。
さらに群馬から横沢さくら(前田敦子)が自分を訪ねてきたこと、逮捕された闇バイト組織の指示役が群馬出身であることから、12年前に粒来が家を出た理由は群馬にあるのではないかと考える。
15年ぶりに群馬県山遥村に帰省したというさくらは、草木が枯れ村人たちの具合も悪そうで、その原因がサカミクリーンという産廃処理場にあるのではないかと話す。
しかし、役場に訴えても取り合ってもらえず、サカミクリーンを訴えようとするも近隣市の弁護士に相手にされなかったという。
杉浦(ジェシー)もいつも以上に難色を示すが、亮子は群馬というキーワードがどうしても引っ掛かる。すると案の定、サカミクリーンの顧問弁護士が粒来であることが判明する。
引用元:Tver
10話 感想レビュー
「反社会的勢力が悪い」というバイアス
神波は当初、村の環境汚染の問題を生み出しているのは、反社会的勢力のフロント企業・産廃処理会社の『サカミクリーン』だと考えていた。
そしてその『サカミクリーン』の顧問弁護士を務めるのが神波の父・粒来だった。
「村の環境汚染に関する訴え」において、本来敵対するはずの二人。
ところが、粒来は神波に「環境汚染に関するヒント」を小出ししてくる。
調べて行くと意外な事実が明らかになる。
実は、『サカミクリーン』が問題の根源ではなく、
問題の根源は、『サカミクリーン』に謎のゴミを処理させていた大企業の『帝東電気』だったのだ。
正直なところ『サカミクリーン』は、『帝東電気』から依頼されるごみの処理を請け負いたくはないのだが、
『サカミクリーン』が『帝東電気』を相手に裁判を起こすのは容易ではなかったようだ。
大草圭子法律事務所での村尾と杉浦の会話がそれを物語っていた。
村尾「サカミクリーンは帝東電気を訴えたくても出来なかった。反社が大企業を訴えたところで、不利に動く可能性が高いから」
杉浦「勝つ可能性を高めるために、うちに帝東電気を告発させるのが、粒来先生の本当の目的だったというわけです」
『反社会的勢力のフロント企業』とわかった瞬間、
「反社関連の企業なんだから悪いことをやっているに違いない」
「村の住人は、反社からの反撃が怖くて口をつぐんでいたんだ」などという目線で見てしまった。
バイアス(思い込み)でものを見てしまっている証拠だ。
今回は、そういった多くの人が持っている「バイアス」を逆手に取った内容になっていて面白かったです。
最終回は、神波親子vs大企業の対決!
はたしてどんなラストが待ち受けているのでしょか?
モンスター あらすじ&感想レビュー(最終話)
最終話 あらすじ
サカミクリーンを調べるうち、帝東電機の産廃物を扱う従業員に健康被害が出ていることを突き止めた亮子(趣里)は、サカミクリーンの代理人である粒来(古田新太)と帝東電機に対して損害賠償請求を行う計画を立てる。
しかし、身体に不調をきたしていた粒来は入院することとなり…。
損害賠償請求には、サカミクリーンの従業員だけでなく山遥村の村人たちの健康データも必要だったが、村人たちは帝東電機の非を信じようとせず、非協力的。
すると亮子は、さくら(前田敦子)と拓未(前原滉)にある作戦への協力を依頼する。
裁判で帝東電機の従業員にも健康被害が出ている可能性を指摘するが、健康データに問題は見当たらない。
亮子は突破口を見出し、“モンスター”を白日の下に晒すことはできるのか。
亮子と粒来のいびつな親子関係の結末は…。
引用元:Tver
最終話 感想レビュー
結局「モンスター」とは人の欲望のことなのか?
帝東電気の牙城を崩すことができ、最終的にサカミクリーンと山遥村の住人に対する損害賠償を支払うことで決着した。
ところが、帝東電気の説明会の場において、村人とサカミクリーンの従業員が「今の説明じゃ納得できない!反省していない!」などといちゃもんをつけ始める。
それに対して神波は、
「世間が大騒ぎしたからもっとお金が取れるんじゃないか?そういうことですか?」
と問うた。
帝東電気が強気でいた頃は、村人もサカミクリーンも弱腰でいた。
なんなら、村人たちは帝東電気の肩を持ってすらいた。
ところが、帝東電気が世間の厳しい目にさらされると態度は一変。
今度は弱い者いじめのごとく帝東電気から金を巻き上げてやろうという強気に出る。
その時の状況に右往左往して自分たちの信念がない。
信念がない人間は簡単に意見を変える。
そして気づかないうちに「モンスター」となってしまうのだろうか。
1 件のコメント
正直、モンスターの第四話は三話までと違い、モヤモヤが残り、イマイチと感じたのは私だけでしょうか。
主人公の心理をあらゆる方向から一つ一つ回収しながら真実を突き詰めていき、最終的に明確になっていくスタイルがなく、スッキリ感があまりありませんでした。次回以降期待しています。