
原作 | 浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』 |
脚本 | 金沢知樹 |
警察監修 | 志保澤利一郎 |
法律監修 | 市川 寛 |
演出 | 田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義 |
キャスト | 広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン 成田凌、磯村勇人、リリーフランキー ほか |
あらすじ | クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、 遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。 |
放送局 | TBS |
放送開始日 | 2025年1月24日(金) |
放送時間 | 22時~ |
注目ポイント①
原作は、月間漫画雑誌『Kss』にて連載中の浅見理都さんの作品『クジャクのダンス、誰が見た?』だ。
同作は「このマンガがすごい!2024」オンナ編第4位にランクインした人気作品。
浅見さんの作品が映像化されるのは、『イチケイのカラス』(フジテレビ系)以来2作目。
また、脚本を務めるのは、元お笑い芸人という経歴をもつ作家・金沢知樹さん。
金沢さんは過去作品に『からかい上手の高木さん』(TBS系)や『そんな家族なら捨てちゃえば?』(フジテレビ系)など、漫画原作の脚本を手掛けている。
はたして、人気漫画をどのように面白く魅せてくれるのでしょうか?
注目ポイント②
主演を務めるのは広瀬すずさん。
広瀬さんがTBSドラマの主演を務めるのは、『夕暮れに、手をつなぐ』以来2年ぶり。
共演には、松山ケンイチさん、森崎ウィンさん、成田凌さん、リリーフランキーさん、磯村勇人さんなど実力派俳優が勢ぞろい!
本格サスペンスドラマをどのように演じ魅せていくのか注目です!
この記事では、金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の各話あらすじの紹介と、ネタバレを含む感想レビューをしていきます!
もくじ
クジャクのダンス、誰が見た? あらすじ&ネタバレ考察(1話)
1話あらすじ
カップルや家族連れが行き交い、街が華やぐあるクリスマスイブの夜。大学生の山下心麦(広瀬すず)は2人きりの家族である父・春生(リリー・フランキー)と、なじみの屋台で肩を並べてラーメンを食べていた。
「クリスマスなのに付き合ってくれてありがとう」とうれしそうな春生を前に、気恥ずかしいながらもささやかな幸せを噛み締める心麦。
しかしその夜、春生と別れてサークルの飲み会から帰宅した心麦を待ち受けていたのは、燃え盛る我が家と春生の訃報だった。
最愛の父を失い茫然自失の心麦だったが、春生の殺害犯は早々に逮捕される。
その人物は、春生が22年前に逮捕した資産家一家惨殺事件の犯人・遠藤力郎(酒向芳)の息子だという。
春生がその事件を担当していたことを初めて知った心麦は、突然の事態の進展に実感が湧かないまま、いつものラーメン店を訪れ、店主の染田進(酒井敏也)から春生が遺した1通の手紙を受け取る。
そこに書かれていたのは、力郎の息子を含む複数の人物の名前と、その者たちに容疑がかかった場合、それは「冤罪」だとする記述で…。
引用元:Tver
1話 ネタバレ考察
初っ端から「死亡フラグ」
エンタメ作品には「死亡フラグ」というものが存在する。「死亡フラグ」とは、亡くなってしまう悲劇性を際立てる前準備として行われる描写や演出のことだ。
今作冒頭シーンには「死亡フラグ」がビンビンに立っていた。
「クリスマスイブに仲良く屋台のラーメンを食べる親子」「クリスマスプレゼントには、日々の感謝の言葉がほしいと父にせがむ娘」「サークルの飲み会が終わったら迎えに行くという父」
事前にあらすじを観ていなかったけど、諸々の演出を観て直感的に「ねぇ、これ父親死んじゃうやつじゃん…」と感じましたわ。
そしてその予想は的中。のっけから悲しいスタートになりました。
父の手紙
父・春夫を殺害したとして捕まったのは、無職の男・遠藤友哉。
遠藤友哉は、22年前に起きた一家6人殺害事件(東賀山事件)で、死刑判決を受けた遠藤力郎死刑囚の息子である。
そして、かつてその東賀山事件の捜査をしていた一人が、父・春夫だった。
「父親の一件で警察を恨んでいたとされる遠藤友哉が春夫を殺害した」それで事件は解決したと思われていたのだが、春夫からの手紙を受け取った心麦は、その内容を読んで困惑する。
手紙には、「…私が誰かに殺されたとして、いかに挙げる人物が逮捕されたとしたら、(三木田辰雄)(津寺井幸太)(遠藤友哉)その人は冤罪です」と書かれていたのだ。
遠藤友哉は春夫を殺害した犯人ではない…?!では一体誰が春夫を殺害したのでしょうか?
春夫の衝撃的な遺書にトリハダ。一気にドラマにのめり込んでいきました。
心麦は東賀山事件の被害者?
東賀山事件の被害者・林川家には、生後半年の次女がいた。
事件当時、次女だけが別の部屋にいたため殺害されずに済んだといういきさつがある。
22年前の事件…。生後半年の次女…。現在21歳の心麦…。関係がないわけがない。
しかもドラマのラストで、心麦は雑誌『週刊ジダイ』の記者・神井孝から「あなた、山下さんの本当の娘じゃないですよね?」と言われるし。
これは99%、心麦は林川家の次女だと思うのです!
クジャクのダンス、誰が見た? あらすじ&ネタバレ考察(2話)
2話 あらすじ
最愛の父を殺された心麦(広瀬すず)は父の遺した手紙に名前のあった弁護士・松風義輝(松山ケンイチ)と一緒に事件の真相を追うことに。
そんな2人の前に週刊誌記者・神井孝(磯村勇斗)が現れ、“心麦は春生(リリー・フランキー)の娘ではないのでは?”と衝撃の一言を突きつけるー。
一方、春生殺害の容疑者・遠藤友哉(成田凌)は松風にあるノートを渡す。そこには事件に繋がる鍵が…。死刑囚の息子でもある友哉の脳裏には壮絶な過去が蘇りー。
引用元:Tver
2話 ネタバレ考察
「良く夢を見る。暗い森の中に俺はいる。何も見えない。暗い森の中を歩く俺の一生はたぶんこの中で終わる。光を探したい。でも俺はこれからも永遠に死刑を待つ男の子どもだ」
春生を殺害した犯人として拘留されている、遠藤友哉の心の声からスタートした『クジャクのダンス、誰が見た?』第2話。
そこで描かれていたのは、暗闇の中で微かな光を掴もうとすることに疲れ果てた友哉の姿だった。
犯罪者の子どもという十字架を背負わされた友哉の壮絶な人生
友哉が幼いころに母親は出ていってしまって以来、植木職人で父の遠藤力郎(酒向芳)と慎ましく暮らしていた。ところが、力郎が東賀山事件の第一発見者となったことで、その暮らしは一変する。
事件の情報を得ようと力郎の家まで詰めかける報道記者たち。力郎は記者に事件の情報を話すのだが、後に発売された雑誌には、力郎が話していないデタラメな内容が書かれていた。
そして力郎は東賀山事件の犯人として逮捕されてしまう。
友哉は犯罪者の息子として児童養護施設内でいじめにあう。
さらに、母親の知人を装った記者から「お母さんからよ」と言って手紙を渡される。友哉はそれが母親の手紙と信じ込んだが、後にすべて嘘だったことが判明する。
友哉は、偽の「母親からの手紙」を空き家の裏で燃やすのだが、それが家屋に引火してしまうのだった…。
友哉は大人になり、倉庫で働きだすものの「死刑囚の息子」ということでクビを切られてしまう。「僕じゃないです。やったのは僕じゃないです」と友哉は力なく訴えるが、上司は「同じことだよ」と言うのだった。
職場の上司を恨んだ友哉は、上司の家に火をつけてしまう。
逮捕された友哉は上司の家に火をつけたことを認めたが、警察はさらに「事件の3日前、近くの倉庫を燃やしたのもお前だな」と言う。友哉は倉庫のことは身に覚えがなく否定するのだが、警察は高圧的な態度で友哉に自供させようとする。
そのとき友哉は気づいた。
「親父はきっと罪を犯していない。ただ、疲れたんだ。親父、悔しかったよなぁ」と。
警察も優しくしてくる人間も、友だちも会社の上司も、母親も、誰も友哉を救ってくれはしなかったんですよね。
成田凌さんの虚無の表情が、暗闇の中を一人でさ迷い続け、疲れ切ってしまった友哉の心情をうまく表現されていて引き込まれました…。
心麦は東賀山事件の被害者
ドラマのラスト。神井はDNA鑑定の結果を心麦に見せる。するとそこには、叔母の木村夏美(原日出子)と心麦の血が繋がってないことが記されていた。
神井は「やっぱりあなたはお父様の子どもではない」と言う。さらに神井は、心麦が東賀山事件の唯一の生き残りである、次女・林川うたではないか?と言い出すのだった。
やっぱりそうなりますよね!…となる時になるのは、なぜ春生が林川うたを引き取ったのか?ということ。まだまだ謎があります。
クジャクのダンス、誰が見た? あらすじ&ネタバレ考察(3話)
3話 あらすじ
神井(磯村勇斗)に“伯母の夏美(原日出子)と血が繋がっていない”とDNA鑑定書を突きつけられた心麦(広瀬すず)ー。そこには、神井に協力した裏切り者の存在が…。 その後、松風(松山ケンイチ)は友哉(成田凌)のノートにあった“あの資料”を神井から手に入れる。その音声データには友哉の声と驚くべき人物の声が記録されていた。 一方、赤沢正(藤本隆宏)たち警察は前科のあるラーメン屋台店主・染田進(酒井敏也)をマークし始め…。
引用元:Tver
3話 ネタバレ考察
みんな怪しく思えてくる…
春生を殺めた犯人は誰なのか?春生が書いたという手紙は何者かが偽造したものなのか?そして心麦は春生の実の娘ではないのか?
3話はさまざまな謎が錯綜する。
中でも心麦は、神井からDNA鑑定の結果を見せられてからというもの、「春生が自分の実の父親なのか?」「自分は東賀山事件の生き残りである林川歌なのか?」という疑惑に気持ちが持っていかれてしまう。
そりゃあそうだ。今まで自分の実の父親だと思っていた春生が、実は血のつながらない赤の他人だなんて言われたら他のことなんて考えられなくなるのも無理はない。
それに伯母の夏美も酷い。
春生とは血のつながりがないからって、春生の遺産を独り占めしようとする根性。しかも神井と裏で連絡を取り合い、情報提供の報酬までもらっちゃって…。
あれだけ金に執着しているところを見ると、もしかして伯母も春生の事件に一枚かんでるのでは?と思えてくる。
ラーメン屋の店主・染田も、任意同行される前に誰かに電話をかけていて怪しい。しかも事情聴取中、たまたま扉の向こうを歩く遠藤友哉と目が合った染田は急に、春生の手紙を偽造したのは自分だと自供しだした。
誰かに指示されていることは明白。あの謎のリュックサックの男だろうか?
春生は東賀山事件の秘密を知って口封じのために殺害された?
松風は友哉のノートにあった“あの資料”を神井から受け取る。その音声データには、東賀山事件について友哉に詫びる春生の声が残されていた。
このことから春生は東賀山事件を起こした真犯人を突き止め、遠藤力郎が冤罪であったことを友哉に伝え謝ったことがわかる。
つまり東賀山事件の犯人は別にいた。しかしそんな事実は警察の威信ににかけて公にすることは許されない。
春生は口封じのために殺害されることを予期していたのではないか?
もしかしたら警察内部の人間による犯行の可能性もある。
今回登場した女検事は、友哉を犯人に仕立て上げようと躍起立っていた。しかも彼女は、検察官になりたてであろう頃の自信の写真を憂い顔で見ていた。まるで、これから自分が組織の歯車に乗って隠蔽工作に加担することを嘆くかのように。
おそらく友哉が春生殺害の犯人ではないことを彼女は知っている。
何にしても一番怪しいのはリュックサックの男だ。
まだまだ真相は闇の中。
クジャクのダンス、誰が見た? あらすじ&ネタバレ考察(4話)
4話 あらすじ
“春生(リリー・フランキー)の手紙を偽造した”と供述したラーメン屋台店主の染田(酒井敏也)。
一方、松風(松山ケンイチ)は友哉(成田凌)の弁護人となり、神井(磯村勇斗)から春生と友哉の動画を手に入れる。
そこには、事件を覆す衝撃的な春生の告白が記録されていたー。
何も知らない心麦(広瀬すず)は染田のラーメンを食べに行くも、そこには憔悴した染田がいて…。
そんな染田の脳裏には今までの人生が後悔とともに蘇りー。
引用元:Tver
4話 ネタバレ考察
染田の過去と手紙の真相
4話はラーメン屋の店主・染田の回想シーンからスタート。
経営していた畳屋で2度目の不渡りを出したことで会社は倒産。一家は離散。絶望の末、染田は薬物に手を染めてしまう。警察に逮捕された染田は、そこで春生と出会う。
春生の助けも借り、なんとか薬物依存から抜け出してラーメン屋をやり始めたのだった。
染田は春生から実際に手紙を受け取っていた。
しかし春生の亡き後にやってきた謎のリュックの男が、手紙は偽造したものであると証言するよう迫る。指示に従わなければ心麦の身に危険があることをほのめかされ、染田は泣く泣くリュック男に従い、嘘の証言をしたのだった。
罪悪感に苛まれた染田は、詳しい事情は伏せつつも心麦に本当のことを告白。
手紙が春生からのものだったとわかった心麦は、染田を連れて松風の事務所に向かう。しかしその途中で染田が失踪。その後、川を流れる染田の姿が発見される。
搬送された病院で染田は息を引き取ってしまうのだった。
染田の死はリュック男によるものなのか?リュック男の正体は何者なのか?
4話ラストでは、リュック男が件の女性検事が運転する車に乗り込むシーンが映しだされた。
やはりリュック男は検察か警察の人間の可能性が高い。
春生は東賀山事件の真相を突き止め、口封じのために殺害された説が濃厚
神井が持っていた、春生と遠藤友哉が話している映像。そこには、春生が「力郎さんは東賀山事件の犯人ではない」と証言し、友哉に謝罪している姿があった。
やはり東賀山事件の真犯人は力郎ではないことがわかった。少なくとも春生はそう確信していた。
警察関係者や検察関係者らによって、東賀山事件の犯人は隠蔽されようとしていることは確か。
春生は口封じのために殺害されたとみてまず間違いないだろう。問題は警察や検察が何を恐れているかだ。
冤罪を生み出してしまったと世間にバレることを恐れているのか。
それとも真犯人が、隠しておかなくてはいけないほど重要な人間、たとえば警察関係者や官僚の身内といった人なのか。
東賀山事件の真犯人も、春生や染田を殺害した犯人もおそらく今いる登場人物の中にいるはずである。
一番怪しいのはもちろんリュック男だが、そんな分かりやすい展開はきっとありえない。
怪しくなさそうな人間が犯人であるというのがサスペンスドラマのセオリーである。
とすると、警察関係者の誰かが怪しい…?