脚本 | 橋本夏、小柳啓伍 |
演出 | 森田成満 ほか |
キャスト | 清野菜名、瀬戸康史、見上愛、一ノ瀬颯、中村ゆり、佐藤浩市 ほか |
注目ポイント | 今作で主演を務めるのは清野菜名さん。 清野さんがゴールデン帯連ドラで主演を務めるのは、2023年4月期・テレビ朝日系『日曜の夜ぐらいは…』以来およそ2年ぶり。 月9の主演は今回が初めてのことです。 今作で清野さんは、銀行員から司令官制員に転職した、新人管制員・柏原雪を演じます。 |
放送局 | フジテレビ |
放送開始日 | 2025年1月13日(月) |
放送時間 | 21時~ |
新進の脚本家が手掛ける!
メインで脚本を務めるのは橋本夏さん。
橋本さんが担当した過去作品を調べてみると、ゴールデン帯連ドラでは、2023年『私のお嫁くん』、2024年『降り積もれ孤独な死よ』の脚本をメインで務めていました。
なお、どちらも原作ありの作品です。橋本さんが担当した完全オリジナル作品を見てみると、脚本クレジットが2番目以降の作品は過去にも複数ありました。
しかし、脚本クレジット1番目の作品は見当たらなかったため、ゴールデン帯連ドラの完全オリジナル作品をメインで担当するのは今作が初のようです。
物語の舞台が異例
今作の舞台となるのが、119番通報を受ける指令管制員室。
これまでたくさんの国内ドラマを観てきましたが、指令管制員たちを取り上げたドラマを観るのは初めて。
消防署でもなく、病院でもなく、その手前の119番通報を受ける指令管制員たち。
テレビでもなかなかフューチャーされることのない職業ですし、身の回りにも指令管制をしている人はいないので、彼らが一体どんな仕事をしていて、どんなことに悩み、葛藤するのか知れる機会なので楽しみですね!
この記事では、そんな『119エマージェンシーコール』の各話あらすじと、感想レビューをしていきます!
もくじ
『119エマージェンシーコール』 あらすじ&感想レビュー(1話)
1話 あらすじ
「119番消防です。火事ですか、救急ですか」
横浜市消防局司令課3係で通話を受けた粕原雪(清野菜名)。雪の隣には、教育係として兼下睦夫(瀬戸康史)が指導にあたっている。
緊急性のない119番通報に対しては厳しい態度をとる兼下の様子を、係長の高千穂一葉(中村ゆり)は苦笑いで見ていた。
休憩時間になると同僚の与呉心之介(一ノ瀬颯)や箕輪健介(前原滉)は、兼下の指導は無愛想だがもうすぐ終わるから辛抱するようにと雪を励ます。
だが、当の雪は気にしていない様子。
同じく同僚の新島紗良(見上愛)はみんなの話には加わらずにいた。
高千穂は自分のデスクに兼下を呼び、雪への指導に愛がないのではと注意する。
兼下は最初から自分は指導係に向いていないと断ったと反論し、異動時期ではないのになぜ雪が来たのかと不満を漏らす。
高千穂は銀行を退職してまで指令管制員になるために消防局に入った雪は大事に育てなければいけないと諭した。
さらに、高千穂は、雪はずば抜けた能力を持っていると教える。
それは、雪が一度聞いた声や音を忘れないでいることだった。
その夜、司令センターに現れた堂島信一(佐藤浩市)を雪はあこがれの眼差しで見ている。
それには、ある理由があった。
そんな時、雪が受けたネットカフェの男性客からの119番通報を皮切りに、管制員たちは次々に通報を受ける。
引用元:フジテレビ公式YouTube概要欄
1話 感想レビュー
王道ドラマ!
指令管制員という、ドラマでフューチャーされる機会の少ない職種が取り上げられているものの、主人公の行動が本来の指令管制員の仕事の域を超えてしまっているため、現場のリアルを描くドラマという感じではなかった。
ドラマとしての構成もわりとベタで、
過去月9ドラマ作品の『監察医朝顔』や『イチケイのカラス』を思い出した。
どちらのドラマもともに、
”本来、事故や事故の現場へ実際に足を踏み入れる必要はない職業の主人公。(監察医朝顔は法医学者、イチケイのカラスは裁判官)
だけど、あえて事件現場を訪れる主人公。
事件当時の様子を想像して個人的に調べてみると、現場に行かなければわからなかったことが見つかって…”
という構成。
今回の主人公もまた、119コールを受けた際、「上手く対応できなかったとき」や「通報内容に疑問を感じたとき」に、自ら通報現場に足を運び、当時の様子を想像する。
そして「あの時にこう対応しておけた」「こう言えば良かったのかもしれない」と、逐一反省する主人公。
仕事熱心なあまり空回りしたり、度々指導官に注意されたり、でも信念を曲げず、上司に歯向かったり。
一生懸命な新人の成長物語として見てもベタな展開だ。
正直、ドラマとしては特異な職業を取り上げるわりには目新しさを感じられなかったという印象。
ただし!
王道ベタな展開ドラマとして観れば十分面白いドラマ。
安心して2話以降も観られそうだ。
『119エマージェンシーコール』 あらすじ&感想レビュー(2話)
2話 あらすじ
粕原雪(清野菜名)は指導期間を終了し、指導係であった兼下睦夫(瀬戸康史)から独り立ちすることに。
しかし、同じ司令課で勤務する同僚であることに変わりはなく、その日も司令台につく雪を、兼下が副台でサポートしていた。
すると、雪がある通報を受ける。
通報して来たのは金属加工工場「佐久山工業」の女性。
そこで働く男性がある事故にあってしまったという内容の通報だった。
雪は救急隊を向かわせるため事故現場の詳細を通報者に求めるが、なかなか要領を得ない。
そんな様子を見かねた兼下は、要救護者への応急処置を優先するよう雪を促し――。
その後、オフィスに戻った雪と兼下は、あることを巡って口論。
そんな二人を見ていた与呉心之介(一ノ瀬颯)と箕輪健介(前原滉)は指導期間が終わってからの方が仲が悪くなったのではないかと評す。
新島紗良(見上愛)から救急隊の活動報告が上がっていると聞いた雪は、高千穂一葉(中村ゆり)と堂島信一(佐藤浩市)が仲良さそうに話しているところを目にする。
その関係性をうらやましく思う雪に、高千穂はあるアドバイスを送る。
雪は早速、そのアドバイスを実践し、仕事終わりの兼下に「佐久山工業」がどういった現場なのかを実際に見に行こうと提案し…。
引用元:Tver
2話 感想レビュー
自分の仕事に誇りをもつ大切さ
自分の仕事に誇りを持っているかと聞かれて、迷うことなく「イエス!」と言える人間がどれくらいいるだろう?
ちなみに僕は「ノー」だ。
消防隊として活躍していた自分に誇りを持っている兼下睦夫もまた、”指令課”という今の仕事に誇りを持っていなかった。その証拠に「怪我のため指令課に異動して働いている」ということを、息子にはずっとひた隠しにしていたわけだし。
しかも息子から「指令課の仕事が好きなの?」と聞かれた兼下は、思わず言葉に詰まってしまったわけで。
兼下にとっては誇りを持てない仕事を、粕原は全力で向き合っている。
粕原の言う、「私たちにとっては何万件の中の一つの通報でも、その人にとっては人生で一度あるかないかのこと。それで人生が変わることだってある。だからひとつひとつ全力でやりたい」という想いは、きっと働くうえでとても大事なこと。
でも実際には、働く多くの人は兼下のように「情熱とか誇りとかどうでもいい」という感覚で働いてしまっている。少なくとも僕は。
だからこそ粕原の熱い想いが刺さる。
粕原の真っすぐ仕事をしている姿を見ていると、「ああ、忘れてはいけないことだよな」という気持ちになれる。