119エマージェンシーコール あらすじ&ネタバレ感想レビュー

脚本橋本夏、小柳啓伍
演出森田成満 ほか
キャスト清野菜名、瀬戸康史、見上愛、一ノ瀬颯、中村ゆり、佐藤浩市 ほか
注目ポイント  今作で主演を務めるのは清野菜名さん。
清野さんがゴールデン帯連ドラで主演を務めるのは、2023年4月期・テレビ朝日系『日曜の夜ぐらいは…』以来およそ2年ぶり。
月9の主演は今回が初めてのことです。
今作で清野さんは、銀行員から司令官制員に転職した、新人管制員・柏原雪を演じます。
放送局フジテレビ
放送開始日2025年1月13日(月)
放送時間21時~

メインで脚本を務めるのは橋本夏さん。
橋本さんが担当した過去作品を調べてみると、ゴールデン帯連ドラでは、2023年『私のお嫁くん』、2024年『降り積もれ孤独な死よ』の脚本をメインで務めていました。
なお、どちらも原作ありの作品です。橋本さんが担当した完全オリジナル作品を見てみると、脚本クレジットが2番目以降の作品は過去にも複数ありました。
しかし、脚本クレジット1番目の作品は見当たらなかったため、ゴールデン帯連ドラの完全オリジナル作品をメインで担当するのは今作が初のようです。

今作の舞台となるのが、119番通報を受ける指令管制員室。
これまでたくさんの国内ドラマを観てきましたが、指令管制員たちを取り上げたドラマを観るのは初めて。
消防署でもなく、病院でもなく、その手前の119番通報を受ける指令管制員たち。
テレビでもなかなかフューチャーされることのない職業ですし、身の回りにも指令管制をしている人はいないので、彼らが一体どんな仕事をしていて、どんなことに悩み、葛藤するのか知れる機会なので楽しみですね!

この記事では、そんな『119エマージェンシーコール』の各話あらすじと、感想レビューをしていきます!

『119エマージェンシーコール』 あらすじ&感想レビュー(1話)

1話 あらすじ

「119番消防です。火事ですか、救急ですか」
横浜市消防局司令課3係で通話を受けた粕原雪(清野菜名)。雪の隣には、教育係として兼下睦夫(瀬戸康史)が指導にあたっている。
緊急性のない119番通報に対しては厳しい態度をとる兼下の様子を、係長の高千穂一葉(中村ゆり)は苦笑いで見ていた。

休憩時間になると同僚の与呉心之介(一ノ瀬颯)や箕輪健介(前原滉)は、兼下の指導は無愛想だがもうすぐ終わるから辛抱するようにと雪を励ます。
だが、当の雪は気にしていない様子。

同じく同僚の新島紗良(見上愛)はみんなの話には加わらずにいた。
高千穂は自分のデスクに兼下を呼び、雪への指導に愛がないのではと注意する。
兼下は最初から自分は指導係に向いていないと断ったと反論し、異動時期ではないのになぜ雪が来たのかと不満を漏らす。

高千穂は銀行を退職してまで指令管制員になるために消防局に入った雪は大事に育てなければいけないと諭した。
さらに、高千穂は、雪はずば抜けた能力を持っていると教える。
それは、雪が一度聞いた声や音を忘れないでいることだった。

その夜、司令センターに現れた堂島信一(佐藤浩市)を雪はあこがれの眼差しで見ている。
それには、ある理由があった。

そんな時、雪が受けたネットカフェの男性客からの119番通報を皮切りに、管制員たちは次々に通報を受ける。

引用元:フジテレビ公式YouTube概要欄

1話 感想レビュー

王道ドラマ

指令管制員という、ドラマでフューチャーされる機会の少ない職種が取り上げられているものの、主人公の行動が本来の指令管制員の仕事の域を超えてしまっているため、現場のリアルを描くドラマという感じではなかった。

ドラマとしての構成もわりとベタで、
過去月9ドラマ作品の『監察医朝顔』や『イチケイのカラス』を思い出した。

どちらのドラマもともに、
”本来、事故や事故の現場へ実際に足を踏み入れる必要はない職業の主人公。(監察医朝顔は法医学者、イチケイのカラスは裁判官)
だけど、あえて事件現場を訪れる主人公。
事件当時の様子を想像して個人的に調べてみると、現場に行かなければわからなかったことが見つかって…”

という構成。

今回の主人公もまた、119コールを受けた際、「上手く対応できなかったとき」や「通報内容に疑問を感じたとき」に、自ら通報現場に足を運び、当時の様子を想像する。
そして「あの時にこう対応しておけた」「こう言えば良かったのかもしれない」と、逐一反省する主人公。

仕事熱心なあまり空回りしたり、度々指導官に注意されたり、でも信念を曲げず、上司に歯向かったり。
一生懸命な新人の成長物語として見てもベタな展開だ。

正直、ドラマとしては特異な職業を取り上げるわりには目新しさを感じられなかったという印象。

ただし!
王道ベタな展開ドラマとして観れば十分面白いドラマ。
安心して2話以降も観られそうだ。

『119エマージェンシーコール』 あらすじ&感想レビュー(2話)

2話 あらすじ

粕原雪(清野菜名)は指導期間を終了し、指導係であった兼下睦夫(瀬戸康史)から独り立ちすることに。
しかし、同じ司令課で勤務する同僚であることに変わりはなく、その日も司令台につく雪を、兼下が副台でサポートしていた。
すると、雪がある通報を受ける。
通報して来たのは金属加工工場「佐久山工業」の女性。
そこで働く男性がある事故にあってしまったという内容の通報だった。
雪は救急隊を向かわせるため事故現場の詳細を通報者に求めるが、なかなか要領を得ない。
そんな様子を見かねた兼下は、要救護者への応急処置を優先するよう雪を促し――。

その後、オフィスに戻った雪と兼下は、あることを巡って口論。
そんな二人を見ていた与呉心之介(一ノ瀬颯)と箕輪健介(前原滉)は指導期間が終わってからの方が仲が悪くなったのではないかと評す。

新島紗良(見上愛)から救急隊の活動報告が上がっていると聞いた雪は、高千穂一葉(中村ゆり)と堂島信一(佐藤浩市)が仲良さそうに話しているところを目にする。
その関係性をうらやましく思う雪に、高千穂はあるアドバイスを送る。
雪は早速、そのアドバイスを実践し、仕事終わりの兼下に「佐久山工業」がどういった現場なのかを実際に見に行こうと提案し…。

引用元:Tver

2話 感想レビュー

自分の仕事に誇りをもつ大切さ

自分の仕事に誇りを持っているかと聞かれて、迷うことなく「イエス!」と言える人間がどれくらいいるだろう?
ちなみに僕は「ノー」だ。
消防隊として活躍していた自分に誇りを持っている兼下睦夫もまた、”指令課”という今の仕事に誇りを持っていなかった。その証拠に「怪我のため指令課に異動して働いている」ということを、息子にはずっとひた隠しにしていたわけだし。
しかも息子から「指令課の仕事が好きなの?」と聞かれた兼下は、思わず言葉に詰まってしまったわけで。

兼下にとっては誇りを持てない仕事を、粕原は全力で向き合っている。
粕原の言う、「私たちにとっては何万件の中の一つの通報でも、その人にとっては人生で一度あるかないかのこと。それで人生が変わることだってある。だからひとつひとつ全力でやりたい」という想いは、きっと働くうえでとても大事なこと。

でも実際には、働く多くの人は兼下のように「情熱とか誇りとかどうでもいい」という感覚で働いてしまっている。少なくとも僕は。
だからこそ粕原の熱い想いが刺さる。
粕原の真っすぐ仕事をしている姿を見ていると、「ああ、忘れてはいけないことだよな」という気持ちになれる。

『119エマージェンシーコール』 あらすじ&感想レビュー(3話)

※第3話は1月27日に放送予定だったが、フジテレビの記者会見放送のために休止に。そのため『119エマージェンシーコール』第3話の放送は2月3日に延期されました。

3話 あらすじ

粕原雪(清野菜名)の同僚、新島紗良(見上愛)は職場では自身のことを語らない。
そんな紗良には、大学時代から交際している恋人がいた。大学の同期たちとの飲み会で、紗良は恋人に海外転勤の話があることを知る。
また、紗良は恋人から「今の仕事を続けたいか?」と問われる。紗良もかつては海外で働きたいと語っていたからだ。

紗良が出勤すると、雪が分譲住宅のチラシを見ている。与呉心之介(一ノ瀬颯)や箕輪健介(前原滉)は家を買うのかと驚くが雪は否定。外観が同じような家が並ぶ住宅地からの通報で、住所以外に場所を特定する方法を考えていたのだ。
休みの時間まで仕事のことを考えている雪をもてはやす同僚たちに、紗良は引っかかるものを感じる。

中国人男性の通報を受けた雪は、電話通訳センターを介して状況を尋ねる。妊娠中の妻が動けないとの救急車要請だが場所が特定できない。すると、隣で聞いていた紗良が通訳の翻訳以外に男性が発した言葉に意味があることを指摘し…。

休憩時に雪は紗良に礼を言い、外国語の勉強法を聞く。しかし、紗良は通訳サービスを使用した上で、聴取の精度とスピードを上げる訓練をした方がいいと素っ気ない。
仕事後、雪は中国人男性が通報してきた中華街を見に行くことに。すると、高千穂一葉(中村ゆり)が行きつけの店へ一緒に行こうと提案。与呉や箕輪、兼下睦夫(瀬戸康史)も行くことになるが、紗良は誘いを断り――。

引用元:Tver

3話 感想レビュー

職場の人と関わる必要性

「よくわかんないんです。仕事で色んな通報者と話して心がすり減るのに、他の時間までわざわざ誰かと話す意味が」

新島(見上愛)のこの言葉。20代の頃の自分だったら共感してただろうな。
何のために同僚と馬鹿話をしなければいけないのか。何のために仕事が終わってから一緒に飲みに行くのか。そういうの全然わからなかった。

新島の疑問に堂島(佐藤浩市)は答える。
「聞くばっかりっていうのは、やっぱりキツイだろ。…通報者の話に耳を傾ける正しい存在じゃなきゃいけない。だから、それ以外の時間はさぁ、くだらないバカ話でガス抜かなきゃいつか体潰れちますよ。図々しくても助けてって声を出せる奴らが結果、タフなんだよな」

なるほど。

これはどんな仕事にも言えることですね。たしかにお客様やクライアントの前ではきちんとしなければいけない。ずっとそれでは息がつまる。だから息抜きのために馬鹿話をする。そうすることで心身を保つ。

振り返ってみれば、同僚と馬鹿話できている人ほど仕事も長く続いているかもしれない。

堂島の言葉に背中を押された新島は、その後の仕事で同僚に助けを求め、仕事終わりの一杯にも付き合っていた。堂島の言葉の威力恐るべし。

同僚とあえて関わることにした新島に早くも変化が現れた。
それまでのキリキリッとした雰囲気が、ほのかに柔らかくなり笑顔も出てきたのだ。

うん。やっぱり同僚と関わることって大事なんだなぁ。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(4話)

4話 あらすじ

消防司令センターでは、粕原雪(清野菜名)、新島紗良(見上愛)、与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)らが指令台で通報の対応に追われていた。
インフルエンザによる救急車要請の多さを懸念する高千穂一葉(中村ゆり)に、堂島信一(佐藤浩市)は「このくらい序の口だ」と、さらに増加することを予測。
そんな中、通報者に怪我人の救急処置を頼む与呉。しかし、処置を渋る通報者に与呉は声を荒らげてしまい、クレームが入ってしまう。

また、高千穂は指導医の峰元英隆(マキタスポーツ)が司令センターに入ることを管制員たちに報告。
患者の症状に緊急性があるかどうかの判断がつかないときは、峰元に相談するよう促した。

兼下睦夫(瀬戸康史)は火災通報に対処。峰元は管制員たちの対応に的確なアドバイスを加える。
雪は高齢女性から夫の様子がおかしいと通報を受け、救急車を向かわせようとするが、断られてしまう。通話を終えた雪に、峰元は夫の容態は悪いのではないかと指摘し…。すると、先ほどの高齢女性から再度通報が。雪は、「絶対に助ける!」と口走ってしまい、その言葉に与呉が固まる。
実は、3年前まで救急救命士として現場で活動していた与呉は同じ言葉を口にしたことがあり…。

引用元:Tver

4話 感想レビュー

「絶対助けたいって思ったら言葉にすりゃあいいんだよ」

医師や救急隊は「絶対助ける」という言葉を使わない方がいい。これはよく言われることだ。今回のテーマもそこに尽きる。

粕原は通報者に「絶対助ける」と言ってしまう。しかし結果的には通報者の命を助けられなかった。
救えなかったショックに加え、与呉から「絶対」という言葉の重さについて説教されたことで粕原は思い悩んでしまう。
そんな彼女に堂島「絶対助けたいって思ったら言葉にすりゃあいいんだよ。そりゃあ誰にも止められやしないんだよ」と助言する。

佐藤浩市さん演じる堂島の言葉は説得力が素晴らしい。

そうですよね。「絶対助けたいって」言ってもいいですよね。だってそう思ったんだから。

臨場感に感動

今回は救急活動の臨場感が伝わってきてちょっと泣いてしまった。

与呉が受けたコール。受話器の向こうでは「義父が倒れた」と慌てる男性と赤ちゃんの泣き声。その後やってきた娘は事態を理解し、与呉の指示のもと心臓マッサージを開始。その間に旦那がAEDを持って来る。
娘が必死に心臓マッサージをしていることが受話器越しにも伝わってくる。与呉の掛け声にも熱が入る。

緊迫の一部始終から目が離せなかった。あの与呉が、思わず「絶対助けますから!」と口走ってしまった気持ちがわかる。
諦めてほしくなかったら言うしかない。与呉は、希望を与える言葉で心臓マッサージをやり続けてほしいと無意識に思ってしまったんだろう。

たとえそれで助からなかったとしても、絶対助けたいと思ったら「絶対助けます」と言ってしまっていい。だてそう思ったんだから。まさに粕原に送った堂島の言葉そのものじゃないか。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(5話)

5話 あらすじ

その日も、司令センターには多くの通報が寄せられていた。
粕原雪(清野菜名)はため息をつく箕輪健介(前原滉)に気付く。兼下睦夫(瀬戸康史)も救急車を向かわせたことを後悔するような通報を受けたという。
新島紗良(見上愛)が救急隊員たちの徒労を気遣うと、与呉心之介(一ノ瀬颯)もSNSでは救急車を必要なく出場させ、揶揄するような投稿も多いと話す。
そんな管制員たちを、高千穂一葉(中村ゆり)は「100回出場させて100回無駄だったとしても、101回目も出場させるしかない」と諭した。

司令台に戻った雪は男性からの通報を受ける。男性は会う予定だった女性が倒れてしまったと救急車を要請。雪は男性が告げた女性の住所と“フルカワジュンコ”という名をもとに、救急車を向かわせた。
兼下はドアが施錠されている場合に備え、消防車も出場させる許可を高千穂から得る。
その後、消防救助隊長の飯田慎吾(谷恭輔)から現場に着いたと報告が入る。だが、男性から通報のあった女性宅に要救助者の姿はなかった。
高千穂は雪に通報者への連絡、紗良には“フルカワ”本人に電話をかけるよう指示。

そんな中、箕輪が別の男性から救急車要請の通報を受ける。その通報は、現在“フルカワ”という女性を探しているマンションからで…。

引用元:Tver

5話 感想レビュー

「100回出場させて100回無駄だったとしても、101回目も出場させるしかない」

残念ながらモラルがない人間というのは一定数存在する。
救急車をタクシー代わりに呼ぶ。イタズラで救急車を呼ぶなど。でも指令管制員ないし救急隊や消防士たちは通報を信じて向かうほかない。

今回はそういったイタズラや不要な連絡にどう対処していくかといったことにフォーカスが当てた回だった。
これはきっと、フジテレビに撮影協力をしている横浜消防に対して、「嫌がらせ、クレームなどで不要な連絡はしないでください」という制作サイドからのメッセージでもあるのではないだろうか?

ドラマ内ではイタズラ通報に加え、そのイタズラ通報を優先して本当の病人を後回しにされたというSNS投稿が拡散されてしまう。
さらに粕原が現場に出向いてしまったことで事態はさらに大事に発展。

消防局は急遽記者会見をすることに。
イタズラ通報に気づけなかった指令管制員の能力不足では?との問いに、「その通りです」と首肯する上層部たち。
会見はこれにて終了と思いきや、普段から指令管制員たちと密に関わっている総務課の田中が、上司たちの姿を見て思わず自分の気持ちを話してしまう。

「司令管制員たちは日々、助けを求める声に真摯に向き合っています。たとえどんな通報でも、1%でも命の危険があるなら助けに向かう。オオカミ少年を見限った村人とは違って、何回嘘をつかれても、司令管制員は通報者を信じ続けるしかないんです。誰かの命に代えられるものはないから。ですからどうか、どうかそんな職員たちの想いを踏みにじるような通報はやめてください。119番の適正な利用にご協力お願いします」

本当にその通りだ。

イタズラに気づけない指令管制員が悪いのではなく、不正な連絡をしてくる通報者に問題がある。
さらに、インプレッション稼ぎのためにここぞとばかりに救急隊たちの対応の揚げ足を取る投稿。その投稿に便乗するものたち。広まった情報を見て、当事者でもないのに消防局にクレームの連絡をする者たち。

消防局や指令管制員の人たちが本来相手にすべきはそんな人たちじゃない。
命の危険にさらされている人たちだ。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(6話)

6話 あらすじ

5年前、粕原雪(清野菜名)は姉の小夏(蓮佛美沙子)に消防士の採用試験を受けて指令管制員を目指すことを話した。
幼い頃に実家が火事になった際、通報を受けてくれた管制員にあこがれていたと続ける雪だが、話を聞いていた小夏の様子がおかしく…。

定期的に部署や業務を異動するジョブ・ローテーションで、与呉心之介(一ノ瀬颯)と同期の上杉昴(酒井大成)が司令課に来ることに。高千穂一葉(中村ゆり)は教育係として箕輪健介(前原滉)をつける。

司令台についた上杉は、天ぷら火災の通報を見事にこなす。
上杉の対応に感心する雪に、兼下睦夫(瀬戸康史)は「あれ見てそう思った?お前もまだまだだな」と告げる。雪には兼下の真意が分からず…。

そんな折、上杉は消防マニアからの通報を自ら切ってしまう。毎日のように不要な通報を受けるという箕輪に、上杉は「気楽でいいですね」と返す。新島紗良(見上愛)が受けた頻回要請者へ救急車を出場させる対応にも上杉は疑問を持つ。
そんな時、雪は女子高生からの救急車要請を受けた。通話を聞いていた兼下は、ある危機的状況に気付き…。

引用元:Tver

6話 感想レビュー

仕事に慣れてきて調子に乗った経験がある人なら、確実に刺さる堂島のセリフ

「社長が胸を刺された」

緊急を要する通報を受けた上杉は、「場所はどこですか?住所は?会社名は?」と続けざまに質問をしてしまう。教育係の箕輪は慌てて「今言えない状況なのかも…」と止めるのだが上杉は箕輪を無視。しつこく通報者に質問を繰り返してしまう。

見かねた堂島は、「あとは俺が対応する」と言って上杉からコールを取り上げる。
堂島は機転を利かせて通報者の状況を確認。すると、社長を刺した犯人が近くにいるため、余計なことが言えない状況にあることが判明する。

あとで堂島に謝りに行った上杉は、堂島からお𠮟りの言葉をもらう。

堂島「上杉、お前あれだな。人間舐め過ぎだな。100の通報があれば100通りの通報があるんだ。それを、たかだか20数年生きただけのお前に完璧な対応ができるわけないだろう。60年ちょい生きた俺でも、たまに驚かされることがあんだからよ」

上杉「じゃあどうすれば…」

堂島「ひたすら聞くんだよ。通報者の声を、音を。そのうえで想像力を使って言葉を選ぶ。それが正しいことを祈りながらな。それを繰り返して繰り返して対応力を培うんだ」

堂島のこのセリフ刺さりました。

消防士になって2年目の上杉。上杉に限らず2年目って調子に乗ってきちゃうものじゃないかなぁ。ひと通り仕事内容を覚えたことで全部わかった気になっちゃうんですよね。
まわりの先輩や上司のやり方に「そのやり方古くないっすか?考え方変えた方がいいっすよ」と生意気なこと言いがち。僕は言ってました。

上杉みたいなキャラを見ていると、社会人2年目頃の自分を思い出すと同時に、こっ恥ずかしくなるんですよね。

だから堂島のセリフが響いたんだと思います。かつて上杉のように仕事も人間も舐めていた頃の自分に言われたようで。

現場が見えないからこそ、想像力が掻き立てられて感動する

高速道路を走行中のタクシーの中で、妊娠中の妻が破水してしまった。

そんな通報が突如舞い込む。

陣痛もきてしまった。高速道路は渋滞し始めた。すぐには降りられそうにない。赤ちゃんの頭が出てきてしまった。もう車内で産むしかない。

こういう緊迫した通報のシーンになるといつも集中して見過ぎて、気づいたら息を詰めて見入ってしまいます。
ホッとした瞬間にやっと息が大きく吸えて、「あ、また息を詰めて見てたわ」ってなっている自分がいる。

現場の映像はないのに、どうしてそんなに集中して見ちゃうのかな?と考えてみました。

現場の状況が見えない。
だからこそ集中して通報者の話を聞いて状況を理解しようと思うのかもしれません。
さらに現場が見えないからこそ、想像力が掻き立てられて、実際の現場以上に緊迫した様子を頭の中で描いているのかも。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(7話)

7話 あらすじ

粕原雪(清野菜名)が受けたのは、吐き気で苦しむ女性からの通報。女性は名前や居場所を伝えたあと、言葉を発せなくなってしまう。
雪は副台の箕輪健介(前原滉)のアドバイスのもと救急車を出場させる。

その後、雪が先程の通報の報告書を読んでいると、女性は救急隊が到着してからも声を出せず、筆談で対応したと記されていた。
報告書を見た箕輪が女性の症状を考えていると、雪は即座に失声症だと告げる。
そして、雪は姉の小夏(蓮佛美沙子)が5年前頃から失声症になったことを話した。
話を聞いていた新島紗良(見上愛)は、雪が消防に転職した時期なので、それが関係あるのではないかと問いかけ…。

上杉昴(酒井大成)が声で通報出来ない人への対応はどうするのかと言い出すと、高千穂一葉(中村ゆり)が田中悠(三浦獠太)と現れる。
研修で教えたはずだと言う高千穂に、兼下睦夫(瀬戸康史)も「聞いてなかったんだろ?」と手厳しい。
高千穂は音声通話が難しい方への啓発チラシを作ったと改めて説明。しかし、システム利用のためには事前登録が必要だという。

司令センターに戻った兼下は、女子中学生から妹を突き飛ばしてけがをさせたとの通報を受ける。
動揺する女子中学生を落ち着かせようとする兼下。そんな時、雪が受けた通報は姉妹を目撃した男性からで…。

引用元:Tver

7話 感想レビュー

お姉ちゃんの声を出させたいのは分かるけど…

声を出せない要救助者の場合どういった対応をするのか?ということがわかる回だった7話。
失声症を患う粕原のお姉さんが、林の中で足をけがして動けなくなっている男の子を発見し、横浜消防に連絡。その通報を受けたのが粕原だった。

姉の電話番号を覚えていた粕原は、即座に姉からの通報だと察知。
声を出せな救助者の対応を行っていく。

しかし途中からちょっと脚本が怪しくなってくる。

消防隊が近くまで来ていて声も聞こえるのだが、声を出せない姉は消防隊に助けを求められない。
粕原は姉の代わりに「ここにいまーす!」と電話越しに叫ぶのだが、当然全く聞こえない。

救急隊が傍まで来ていて音を出せばいいだけならアラーム音でも鳴らせばいいのでは?
そもそも横浜消防に司令管の誰かが「要救助者は斜面から滑り落ちた模様。要救助者の電話口から消防隊の声が聞こえるので近くにいます」など、直接連絡を取ればいいだけでは?

緊迫していることは十分伝わるのだけど、姉が声を出すのを待つよりも他にできることが色々あるよね…?という思考が邪魔をしてきて話に集中できなかった。

お姉ちゃんの声が出るようになった!という感動が描きたいのは分かる。だけどちょっと話のもっていき方が無理やりすぎたと思う。
SNSを覗いてみたら、同じような意見が並んでいたので、みんな思うことは一緒だったみたいです。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(8話)

8話 あらすじ 

粕原雪(清野菜名)は姉・小夏(蓮佛美沙子)の搬送先の病院に駆けつける。
雪、春香(堀内敬子)、銀(遠山俊也)たち家族に、小夏は25年前の自宅火災の原因は自分だったと告白する。

一方、司令課ではGPSの不具合が発生していた。箕輪健介(前原滉)が太陽フレアの影響ではないかと口にしたことを皮切りに、新島紗良(見上愛)、与呉心之介(一ノ瀬颯)、上杉昴(酒井大成)らも指令システムへの影響を懸念する。
しかし、高千穂一葉(中村ゆり)は断定を危険視し、通報者本人から場所を聴取するという基本を徹底するよう要請。
また、雪はこの日から初めて副台につくことに。

高千穂が雪の指導に堂島信一(佐藤浩市)を指名したことで、雪は喜びを隠せない。 早速、堂島の指導のもと、副台の雪は男性の通報を受けている兼下睦夫(瀬戸康史)をフォロー。
しかし、兼下の受け答えは迅速的確で、雪が補助する間もなかった。

しばらく後、現場に向かった救助隊長から連絡が入る。「やっぱりな」とうなずく堂島は、雪のみならず兼下さえも感心する内容を救急隊長に告げた。その後、雪は堂島が“レジェンド”と呼ばれる理由を知り…。

引用元:Tver

8話 感想レビュー

システムダウンした時の臨場感

太陽フレアの影響により、指令センターから各消防署への指令システムがダウンしてしまう緊急事態が発生。

ただちにホワイトボードと事案用紙の用意がされ、司令管たちは通報を受けつつ手書きで事案を記入。さらに無線を使って指令を出すことに。

指令を各消防局へアナウンスすることになったのはレジェンド・堂島だ。

まだ無線による指令アナウンスだった時代、堂島のアナウンスは声の調子でその緊急性がわかると言われていたらしい。

そんなレジェンドのアナウンスがこの度復活。
各消防局に堂島のアナウンスが響き渡るのだった。

指令センター内はシステムがダウンしても誰一人混乱することなく、いつも通り通報を受け、各消防局に出場要請を出していく。

粛々と自分の責務を全うする指令管制員たちの姿は最高にかっこよかった。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(9話)

9話 あらすじ

粕原雪(清野菜名)が勤務する消防局の司令課3係。
朝のミーテイングで高千穂一葉(中村ゆり)が堂島信一(佐藤浩市)の手術が本日行われると報告すると、指令管制員たちに緊張が走る。
だが、高千穂から『見舞いは禁止。仕事しろ』という堂島らしい伝言が告げられると、雪たちの緊張は解けるが手術の無事を祈る事は変わらない。

また、高千穂は総務課の田中悠(三浦りょう太)に促され、兼下睦夫(瀬戸康史)に昇任試験を受けてみないかと尋ねる。昇任したらゆくゆくはSR(特別高度救助部隊)に来ないかという話が来ているというのだ。
新島紗良(見上愛)、与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)、上杉昴(酒井大成)は、SRは全消防隊員のあこがれの部署だと驚く。
しかし、雪は兼下の様子がどこかおかしいことに気付き…。

ある日、兼下は用水路に落ちた男性からの通報を受ける。休憩時間になると、副台から助言してくれた雪に礼を述べる兼下。
初めて感謝されたと言う雪は、気になっていたことを兼下に尋ね…。

そんな折、土砂崩れで家が半壊したという男性から通報が入る。その場所は、兼下の妻・栞(高田里穂)の実家の近くで…。

引用元:Tver

9話 感想レビュー

やりたい仕事か家族か…

救助隊への異動を打診された兼下。
兼下の妻は、救助隊で働くことになれば命の危機が伴うことから、「できれば指令センターで働いていてほしい」旨を話す。一方で兼下としては、現場で救助活動をしたいという想いを捨てきれない。

自分がやりたい仕事を取るか?家族の望みを取るか?この問題は非常に難しいなぁ。

そんな折、金下の妻と子どもが土砂災害に巻き込まれてしまう。

今すぐ現場に駆けつけたい。だけど自分が言ったところで何もできないという兼下の歯がゆさが、視聴者にも痛いほど伝わってきます。

結局兼下は、家族の救助は救助隊に任せて自身は仕事に戻り、通報者の対応を続けるのです。

言葉にはしなかったものの、兼下の心の中は「もしも自分が救助隊だったら現場に駆け付けられたかもしれない。指令センターでは無事を祈ることしかできない」というものだったのでは…?と想像してしまいました。

119エマージェンシーコール あらすじ&感想レビュー(10話)

10話 あらすじ

粕原雪(清野菜名)が勤務する司令課3係の朝のミーティングで、高千穂一葉(中村ゆり)は、本日付けで上杉昴(酒井大成)が司令課でのジョブ・ローテーションを終え、消防救助隊に戻ることを話す。
新島紗良(見上愛)についても、4月から試験導入される『外国語対応救急隊』の立ち上げメンバーへの参加が報告された。

兼下睦夫(瀬戸康史)もSRに異動したら3係のメンバーが結構変わってしまうという与呉心之介(一ノ瀬颯)の発言に対し、兼下の反応が薄いことが気になる雪。また、高千穂は先日発生したボヤ火災について放火の可能性が高いので、通報に不審な点があったら教えてほしいと警察から頼まれていると雪たちに伝えた。

上杉は低周波騒音に悩む女性の通報を受ける。丁寧に対応した上杉だが、通報者から冷たい言葉を浴びせられ、副台の箕輪健介(前原滉)に励まされる。
兼下は空き家の前にあるゴミ袋が燃えていると言う男性からの火事通報に対応。場所や火災の状況などを詳細に伝える男性だが、兼下が初期消火を頼むと通話が切られてしまい…。
同じ火災を目撃した主婦からの通報で消火されるが、警察は空き家を狙った連続放火の可能性を疑って捜査を始める。

雪は兼下とともに火災が起きた空き家へ。すると、男性の後に同じ火災を通報してきた主婦と出会う。
主婦は火事を発見する前に、足を引きずった男性を目撃したという。
男性通報者は火事に慣れている人ではないかと疑う雪。一方、兼下には思い当たる人物がいて…。

引用元:Tver

10話 感想レビュー

粕原の正義感が兼下に伝播

放火の可能性があると思しき地区で待機していた兼下。
これまでの兼下だったら絶対にそんなことはしないけれど、できることなら火事が起こらないようにしたいと考える粕原と接するうち、思わず足が向かってしまったのでしょうね。
それと、元部下が放火の犯人かもしれないという疑いも、兼下の背中を押したのでしょう。

いずれにしても、粕原の正義感が兼下に伝播した結果、放火犯を確保することができたわけですから、結果オーライ!
指令センターの人間の仕事からだいぶ逸脱しているけど、ドラマとしては最高でしたね!


みや

みや

新しい体験をするのが好きです。
エンタメも好きです。特にドラマは好きなので感想レビューをどんどん書いてます。
自身のコミュニケーション下手を克服すべく、日々コミュニケーションや人間関係に関する勉強をしています。
内向型のアドバイザーとしても活動中です。 

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です