
江戸時代に起きた飢饉のとき。飢えをしのぐために、来乃神に捧げられた子どもの遺体を食っていた”かしはべ”一族。そのことが村人に知られた彼らは、村から爪はじきにされた。
1952年。供花村を恨む後藤銀と”かしはべ”一族は、新たな後藤家になり代わり村を支配することになったのだったーー。
そんな衝撃の事実が明らかになった『ガンニバル:シーズン2』第6話。ネタバレあらすじ解説と感想考察をまとめてみました!
もくじ
『ガンニバル:シーズン2』第6話ネタバレあらすじ解説
飢えに苦しむ村人たち。その怒りの矛先は後藤家に向く
1952年。後藤銀を来乃神に捧げてから数年が経った。供花村では不作が続き、村人たちは常に飢えていた。それでもなんとか食えるものはないかと、雪山を歩く2人の村人。ふと彼らの前に、見知らぬ男児が現れた。
1人の村人が逃げる男児を追いかける。村人の呼びかけに振り向いた男児の口から、人間の指がのぞいていた。驚く村人。すると頭上から、来乃神に捧げられ死んだはずの後藤銀が、カマを片手に降ってきた。
なんとか逃げ切った村人の1人は、他の村人たちが集まっている来乃神神社に駆け込む。「銀にやられた!」と告げると、村人たちはみな同様。
飢えに苦しんでいた村人たちは心身ともに追い詰められていたこともあり、怒りの矛先を、死に損なった後藤銀に向ける。
村人たちは銀を殺すため、躍起になって山の中を探し回る。ところがいくら探し回っても、銀の姿はどこにも見当たらなかった。
そうこうしている間にも、村人たちの飢えは深刻になるばかり。体の弱い老人や赤ん坊が次々と衰弱死していく。もはや銀を探している暇などない。
村人たちの怒りの矛先は、村外から買いつけた食料を、一切村人たちに分け与えようとしない後藤家の一族へと向けられた。
彼らを潰して食料を強奪しようと、村人たちの気持ちは躍起立つ。
村人と後藤家、そして”かしはべ”一族の因縁
村人と後藤家の橋渡し的な役割を担う来乃神神社の宮司・吉宗。彼は、村人が暴動を起こさないよう、後藤家に話をつけに向かう。
村人たちが躍起立っていること。村人たちの怒りを抑えるためには、蓄えた食料を分配すべきだということを、後藤家当主・金次に伝える吉宗。しかし、金次はまったく聞く耳をもたない。
金次は”かしはべ”の話を切り出す。
江戸時代に起きた飢饉のとき、来乃神に捧げられた子どもを食っていた一族”かしはべ”。やがて”かしはべ”たちの中で狂い病が流行りだす。人食いの事実を知った村人たちは”かしはべ”を村から追い出した。
後藤家は哀れな”かしはべ”一族をかばった。しかしそのせいで後藤家は、その後何代にもわたって村人たちから差別され、田畑を取り上げられ、荒れ地へと追いやられることとなったのだった。
村人に対して一切の同情も見せない金次。吉宗はなすすべなく、ただ後藤家の屋敷をあとにするしかなかった。
村人と後藤家の紛争が勃発
なんの成果も得られず神社に戻ってきた吉宗。村人たちはいよいよ後藤家を襲いに行かんとしていた。「それはよせ」と村人をなだめる吉宗。そこに割って入ったのは、吉宗の息子・正宗だった。
実はこの時正宗は、来乃神神社の御神体である洞窟で後藤銀と再会していた。銀から「村人を焚きつけて後藤家を襲わせろ」と指示されていた吉宗は、言われた通り村人たちの怒りを煽った。
さらに吉宗は村人数人に、出産を終えたばかりの後藤金次の妹を拉致させていた。金次の妹を人質に、村の男たちとともに後藤家の屋敷へと向かう吉宗。
村人たちが後藤家の屋敷に到着。金次は、村人の気持ちを静めるため、あっさり食料を提供。村人たちは拍子抜けし、途端に後藤家を襲う気持ちが萎んでしまった。
ところが、陰に隠れていた(おそらく)後藤銀が、銃で村人の頭を撃ち抜く。
村人たちは、後藤家の人間が撃ったと勘違い。村人たちは報復として、人質にとっていた金次の妹を槍で刺し殺す。
身内が目の前で殺されたことで、後藤家の人間の心にも火が着いてしまう。そこから村人と後藤家の殺し合いが勃発するのだった。
現在の後藤家は”かしはべ”だった
無勢に多勢。村の男たちよりも少ない人数で戦っていた後藤家の人間は次々と殺され、やがて金次は追い詰められる。
しかし、そこへ”かしはべ”の一族がやってきて、村人たちの頭を次々と撃っていく。村人だけではなく、後藤家の男たちも撃っていく”かしはべ”。
金次も”かしはべ”に捕らえられる。そこに銀がやって来る。銀を愛していた金次は彼女の帰還に喜ぶ。しかし銀は、無情にも金次の腹を刺す。
金次の視線の先には、銀の息子・白銀がいた。「あれは俺の子か?」と問う金次に銀は「さあな。後藤の子か神社の子か、はたまたこいつら”かしはべ”の子か…あれは供花村の欲望がこさえた子ども。そしてうちだけのもんじゃ」と語る。
後藤家の男たちを皆殺しにした”かしはべ”たち。今度は後藤家の女を次々と犯していく。”かしはべ”の子種を植え付け、新たな後藤家を形成するために…。
来乃神神社に戻ってきた正宗。彼のうしろには後藤銀と”かしはべ”の姿もあった。銀は村人たちに、後藤家から奪った米俵を差し出す。
「救ってくれるのは来乃神なんかじゃねぇ。わしじゃ。救われたければ捧げよ。人形ではななく人間を、この”新たな神”に」
ここから供花村では、毎年奉納祭の日に、村の子どもを1人”あの人”に献上する儀式がはじまったのだった。
”あの人”を倒すべく大悟と恵介が手を組む
「後藤銀と一緒に”あの人”を育てた」と嬉しそうに語る正宗。来乃神神社の御神体の洞窟に”あの人”はそこにいるかもしれないと言う。
阿川大悟は「さっきから話聞いてたけどよ、さっぱり意味わかんねぇよ」と言い捨て、猟銃を持って出ていく。一緒に話を聞いていた後藤恵介もあとを追いかける。
2人の利害は一致していた。”あの人”を倒す。
大悟と恵介は、あの人がいるだろう洞窟へとともに向かうのだった。
そのころ恵介の弟・洋介は、意識を失っている大悟の妻・有希を病院へと運んでいた。その道中、後藤久露恵に遭遇。「村を逃げ出したい」という久露恵を乗せて村を出ようとする洋介。
しかし、村唯一の出入り口である橋に到着すると、橋に掲げられた『供花村』の看板が全部落とされていた。このままでは車で通ることはできないと、洋介は車から降り、看板を一つ一つどけていく。
そこへ後藤理がやってきてしまう…。
『ガンニバル:シーズン2』第6話の感想考察
因果応報。後藤銀や”かしはべ”が村を支配したくなる気持ちがわかってしまうのが怖い
もしも銀が天性の悪人だったら、供花村の村人たちや旧後藤家の人間たちが可哀想だと思える。だけど、銀の身の上を知れば知るほど、村を恨んでも、後藤家を恨んでもしょうがなかったのかもしれないと、思わずにはいられない。
村の男たちに代わる代わる廻されていた銀の母。村人たちは、子どもを産んで邪魔になった銀の母を来乃神に捧げるといって殺した。
銀は、「汚れた女の血が流れている」と、村人たちから殴られたり石を投げられたりした。後藤家に迎え入れられたあとは、義兄の金次から殴られ犯されの日々。後藤の人間は誰も銀を助けることなどしなかった。
最後には、かつての母のように来乃神に捧げるという名目で、村人たちから殺されかけた。
あまりにも理不尽な人生を歩まされた銀。それは”かしはべ”の一族も同じだ。
その昔、口減らしのため殺された子どもたち。飢えに苦しむあまり、子どもたちの遺体を食べてしまっていた”かしはべ”一族。やがて狂い病が一族の中で流行りだし、村人は”かしはべ”一族を爪はじきにした。”かしはべ”をかばった後藤家もろとも。
村人たちの理不尽に苦しめられてきた過去を持つ銀と”かしはべ”。後藤家もそうだった。彼らが供花村を略奪したくなる気持ちも、村人たちを支配してやりたくなる気持ちもわかる。わかってしまう自分が怖い。
ヤンキー漫画のような大悟と恵介
大悟が”あの人”を倒しに向かおうとして恵介が止めに行くシーン。
「待てや駐在」「お前は来んな。信用できぇんだよお前はよぉ」「これはわしがやらにゃいかん問題なんじゃ」「うるせぇな」っていう会話の流れが、どうにもヤンキー漫画にしか見えなくて、思わず笑ってしまった。神社の境内っていうシチュエーションも相まって余計に。
対立する高校のトップ2人が、同じ敵を倒すために手を組んだみたいな感じ。信頼しきってないけど、お互いの利害関係が一致してるから手を組むだけ。場合によっちゃあ容赦しねぇぞ!っていう、仲いいんだか悪いんだかわからない関係に、そこはかとなく青春を感じてしまった。ぜひお2人には学ランを着て同じシーンを再演してほしい。
いやいや、青春を感じている場合じゃない!この先に待ち受けているのは、他校の不良でも、街をうろつくチンピラでも、反社会的な勢力の方々でもない。それよりももっと危険。人ならざる狂獣なのだ。
あと、突入態勢万端の警察も危険。あの…まさか恵介は殺られないですよね?青春ヤンキー漫画みたいなくだりも、見ようによっては死亡フラグに見えてしまう。ああどうか恵介は救ってあげてください!
それと、とうぜん後藤家の生き残りたちも危険。有希もまた人質にとられてしまう予感。というか確実に後藤理に連れていかれる。どこまでも有希が不憫でならない。
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