【原作】日生マユ『放課後カルテ』
【脚本】ひかわかよ
【演出】鈴木勇馬 他
【キャスト】松下洸平、森川葵、田辺誠一 他
【あらすじ】
小児科医の牧野(松下洸平)が小学校の保健室に「学校医」として赴任した。
仏頂面で「保健室にはなるべく来ないでもらいたい」と言い放つ牧野に、児童たちも、6年担任・篠谷(森川葵)も唖然。
牧野は医師を学校に常駐させるという新たな試みで大学病院から送られてきた。
その日、いつものように保健室にやってきた児童・ゆき(増田梨沙)。授業中にもよく居眠りをしてしまうゆきは、保健室で寝る時間が心のオアシスだったが、「勝手に寝るな」と牧野に言われ…。
引用元:Tver(https://tver.jp/episodes/epzjmzse1d)
もくじ
放課後カルテ ネタバレ!感想レビュー(1話)
信じてもらえない悲しさ
1話は「信じてもらえない悲しさ」がテーマだったと思います。
男子児童・笹本
森の立ち入り禁止区域の中に、秘密基地があると言い張る笹本。
彼の友人たちは「誰も遊んでくれないからって、しょうもない嘘つくなよ笹本」と、誰も彼の言うことを信じません。
そんな光景を見ていたクラスメイトの2人。
彼の嘘を暴こうと、「その秘密基地連れてってよ!」と声をかけます。
クラスメイト2人を連れ、一緒に立ち入り禁止区域に入ると、そこには本当に「秘密基地」があった…!
「秘密基地」にはしゃぐ二人のクラスメイト。
しかし、実はずっと具合が悪かった笹本は、2人を案内した途端倒れ込んでしまいます。
笹本は、1週間前にこの立ち入り禁止区域に入ったことが原因でツツガムシに刺され、潜伏期間の末、ツツガムシ病を発症していたのだった。
「秘密基地」の存在を信じてほしくて、体調が悪いことを隠してまで山へクラスメイトを案内するとは…。
それくらい「信じてほしい」という気持ちが強かったんでしょうね。
女子児童・ゆき
4年生になってから、授業中に居眠りをするようになってしまっていた「ゆき」。
日に日に急激な眠気は頻繁に襲ってくるようになり、とうとう、友達の話を聞いてる時や、給食を食べている時まで急に眠ってしまうようになる。
ある日、いつのまにか寝ていて、友人と遊びに行く予定をすっぽかしてしまったゆき。
次の日から友人たちから無視されるようになってしまう。
母親に「ちゃんと寝てるのに、どうしても眠くなってしまう」と相談しても、「夜更かししてるんじゃないの?」と信じてくれない。
友達にも母親にも誰にも「9時には寝てるのに、どうしても眠くなってしまう」ということを信じてもらえない。
徐々に「どうせだれも信じてくれない」と心を閉ざしてしまうゆき。
そしてある時事故が起きた。
ゆきは、立っている時に突然眠り、倒れてしまったのだ。
ゆきの「金縛りにあう」という発言や、ゆきの一連の症状から、牧野は、ゆきがナルコレプシー(過眠症)を発症していることに気づいた。
本当のことを言っても誰も信じてくれない。
何を言っても「嘘だ」と否定され続ければ、何も言いたくなくなってしまうのは当たり前のこと。
「嘘だ」と決めつけるよりも、まずは相手の話を信じて聞いてあげることが大切だなと思った。
ツツガムシ病
臨床的特徴
つつが虫病リケッチアを保有するツツガムシに刺されて5~14日の潜伏期の後に、全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症する。
体温は段階的に上昇し数日で40℃にも達する。
刺し口は皮膚の柔らかい隠れた部分に多い。
刺し口の所属リンパ節は発熱する前頃から次第に腫脹する。
第3~4病日より不定型の発疹が出現するが、発疹は顔面、体幹に多く四肢には少ない。
テトラサイクリン系の有効な抗菌薬による治療が適切に行われると劇的に症状の改善がみられる。
重症になると肺炎や脳炎症状を来す。
北海道、沖縄など一部の地域を除いて全国で発生がみられる。
発生時期は春~初夏及び晩秋から冬であるが、媒介ツツガムシの生息地域によって異なる。
引用元:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-18.html)
ツツガムシとはダニの一種らしい。
北海道、沖縄を除く全国各地に生息しているらしいので他人事ではないですね。
ナルコレプシー
【症状】
ナルコレプシーは、日中の過度の眠気や、通常起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返し起こることを特徴とする睡眠障害で、通常は突然の一時的な筋力低下(情動脱力発作)を伴います。
その他の症状として、睡眠麻痺、鮮明な夢、入眠時または覚醒時に起こる幻覚などがあります。
引用元:MSDマニュアル家庭版HP(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC)
1000人に1人が発症されると言われているらしく、実はそこまで珍しくない睡眠障害。
僕は過去に1人だけナルコレプシーを発症している人と出会ったことがあります。
その人はアルバイト先の同僚でした。
その人の言葉が今でも忘れられません。
「どんなタイミングでも急激な眠気が襲ってきて、それがくると抗えないんですよね。前に階段を下りてる時にそれがきて、そのまま階段から落ちちゃいました。」
その人は朝、昼の1日2回、寝ないようにする薬を服用していました。(夜は寝るために服用しません)
しかし、「薬を飲んでても、常に頭がボーっとしてる感じなんですよね~。常に眠いです」と眠そうな顔で言っていました。
僕も、ナルコレプシーという存在を知らずにその人と接してた時は、「この人いつもダルそうでやる気ない人だな~」と思っていたので、ドラマの中で、子どもたちがああいう態度に出るのは致し方ないことだな…とも思いました。
本当に周囲の理解がないといけない病気だと思います。